2017年8月に入ったとき、真夏の赤谷山を登りたくなった。戸倉峠からのコースなら陽射しを受けることもなく、樹林の中をずっと登って行けるだろうと思えてだった。向かったのは第一土曜日で、播州南部の空は青空が広がっており、明るい夏の空だった。ところが北に向かうにつれて雲が増えてきて、意外や青空は僅かしか見られなくなった。それでも曇り空とまでは言えなかった。新戸倉トンネルが見えると旧道が右手に分かれたが、入口は閉ざされておらずスムーズに入って行けた。そして廃坑となった旧戸倉トンネルのそばまで車を進めることが出来た。その先は林道で入口近くにクサリが張られており、一般車は進められないようになっていた。そこで旧道上に車を止めて歩き始めた。そこからのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。林道の周囲は自然林が広がっており、林道が無ければいかにも山深い所に居る思いになった。登山口まで18分。そこからはピンク色のテープを追って登った。コースはごく自然な山道で、木の根が這っていたり歩き易いとは言えないものの、その自然らしさは悪くなかった。登るほどにブナの大木も目にするようになり、ブナ林と呼べそうな所も現れた。それでも自然林がずっと続くことはなく、ときに植林地に替わった。小さなピークを越しながらで、ときに下り坂になった。そのうちにクマザサを見るようになり、そのクマザサが茂ってきた。1143mピークを過ぎると周囲は笹ヤブと言ってよいほどになり、それを見ると一時は減っていたササが盛り返しているように思えた。但しネマガリダケではなく、ほぼクマザサのようだった。登山道を隠すまでではなかったが、クマザサをかき分けるようにして山頂に着いた。山頂は以前と変わらず広く開けており、地肌が多く現れていた。そこに丈の低い笹やススキを見たので、徐々に植生も変化しているようだった。そして周囲は青々としたクマザサだった。雲の多い空と言っても陽射しは現れたり消えたりしていたので、暑い山頂だった。そこで木陰を求めて近くにあったナナカマドの木の下で休憩とした。風は頭上を通り過ぎる感じながらもときに強く吹いてきて、暑さを和らげてくれた。一息入れると改めて山頂中央に出て周囲を眺めた。遠方は良く見えなかったが黒尾山辺りまでは見えており、暫し展望を楽しんだ。少しばかり昼寝もしたので山頂では1時間半ほど過ごしていた後、下山はすんなりと往路を引き返した。昼を回っても上空の雲は多いままで、再びブナ林を愛でながら下った。往路は90分、復路は70分と、夏場の山登りとしては手頃だったと思えた。
(2017/8記)(2019/3改訂) |