TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北但馬
 
鉢伏    はちぶせやま 1221.6m No.3
高丸    たかまるさん 1070.2m No.3
 
 
1/2.5万地図 : 氷ノ山 香美町・養父市
 
【2015年7月】 2015-61(TAJI&HM)
 
    小代越コースより  2015 / 7

 鉢伏山は南面側からのアプローチが簡単だが、そちらだとごく短時間で登れてしまい、標高の割には物足りないと言うのがこれまでの感想だった。その鉢伏山には北面側からのコースもあることを知ったとき、一度歩いてみたいと思った。北面コースを登れば鉢伏山に対して違った印象を得られるのではと思えたからだった。
 向かったのは2015年7月3日のことで、11年ぶりだった。まだ梅雨が明けていなかったが、この日の天気予報は曇りときどき晴れだった。その予報を信じて出かけた訳だったが、朝の空は雲が多いようで、生野辺りでは高い山はすっかりガスに隠されてた。これでは良くてもガスの中の登山ではと心配していると、北に向かうほどに青空が見られるようになり、周囲の山もガスに隠されることは無くなった。国道9号線を長坂交差点で離れて、国道482号線を南へと向かった。矢田川沿いを南下して行くと、正面に鉢伏山の尾根が見えてきた。その上空こそ雲に覆われていたものの、尾根ははっきりと見えていた。秋岡地区で国道482号線から県道87号線に入ると、車道は上り坂となった。その上り坂の途中にも新屋集落が現れてそこを抜けて行くが、やっかいだったのは枝道が多くあることだった。目指すは美方高原自然の家で、その標識を見落とさないように車を進めた。ミカタスノーパークを過ぎてすっかり林道走行となった先で、目的地の美方高原自然の家が現れた。もう標高は700mを越えていた。その自然の家の突き当たりまで進むと、一般車は進入禁止となった。その手前にトイレがあり、その脇が駐車場となっていたので、そこに駐車とした。足下に体育館の大きな屋根が見えており、その屋根の向こうに見える尾根で一番大きなのは仏ノ尾のようだった。また北の空は青空が広がっていた。支度を済ませると、南に向かって歩き出した。進入禁止のポールが置かれたそばには一帯の案内図があり、それを見ると鉢伏山への直登コースはシャクナゲ公園の一角から始まっているようだった。その案内図の位置から遊歩道が始まっていたが、そちらには入らずポールを越えて車道の続きを歩いた。すぐに「とちのき村」キャンプ場のエリアに入ると、小径が何本も枝分かれしていた。標識があるだろうと考えて出来るだけ真っ直ぐな道を歩いたところ、それが間違いだったようで、シャクナゲ公園に近づかずにキャンプ場の西端まで歩いてしまった。引き返して直登コースを探してもよかったが、そのまま進んでも新屋地区からの小代越コースに合流出来るはずだったので、予定を変更して下山コースと考えていた小代越コースを往路コースとすることにした。キャンプ場内では舗装路だったが、ダート道を歩くようになった。道としては緩やかで、まだ車が通れるぐらいの道幅があった。周囲はすっかり樹林帯だった。キャンプ場を離れて10分ほど歩くと、小代越コースに合流した。高丸山まで3km、鉢伏山まで4.5kmだった。そちらの道も道幅があり、相変わらず緩やかに歩いて行けた。天気は次第に良くなっているようで、陽射しをうけることが多くなった。周囲は樹林帯が続いており、ブナも見られるようになった。やがて左手に鉢伏山が見えるようになり、更に進むと高丸山から鉢伏山までが一望出来るようになった。もう上空は青空の方が多く、高丸山はすっかり明るかった。再び樹林帯に入ると、そこは「有用広葉樹母樹」名付けられており、雰囲気はいっそう良くなった。高丸山が迫ってくると幅広の道は巻き道となって東に向かい出したが、小代越への小径が分かれたのでそちらに入った。漸く登山道を登る雰囲気となり、やや急坂で小代越に近づいた。小代越に着くと鉢伏山までの尾根が一望出来るだけでなく、南側が広く眺められることになった。そして南西に氷ノ山も望めたが、その山頂はガスに包まれていた。すっかり伸びやかな風景になり、その中を高丸山への登りにかかった。陽射しを受けながらだったが、優しく吹く風はひんやりとしており、けっこう良い感じで登って行けた。高丸山のピークまで小代越から10分だった。その高丸山の笹ヤブに三角点があるはずだったが、ヤブがきついため探す気にはなれず、三角点探しはあっさりと諦めた。前方は1114mピークで、その先が鉢伏山だった。鞍部へと下り1114mピークの手前にあるスキーリフトの頂上駅に着くと、そこは鉢伏山の展望台でもあった。ちょうど昼になっていたので、鉢伏山を見ながら昼休憩とした。鉢伏山を眺めながらの昼休憩も悪くなかった。いつの間にやら氷ノ山山頂のガスは消えていた。そこから先の登山道は多くの人によって踏み固められており、滑り易くなっていたので慎重に歩いた。季節がらヤマアジサイが良く咲いていた。ササユリも目にした。最後は急坂を登って鉢伏山に着くと、それを待っていたかのように上空は急速に薄雲が広がってきた。休むうちに薄雲は少し黒っぽい色に替わって、薄暗い山頂となってきた。そのためもあってか風はいっそうひんやりとしてきて快かった。鉢伏山は東側を除いて他の方向は展望が開けており、暫し展望を楽しんだ。やはり氷ノ山まで続く尾根は伸びやかさがあって気持ちの良い眺めだった。山頂で休んでいたのは20分ほど。下山は往路で登るつもりだった直登コースを下ることにした。その分岐点は1114mピークからなので、そこまで引き返した。ところが分岐点が見当たらなかった。一帯は笹が茂っており、そこに踏み込んだものの小径は見つけられなかった。仕方なく往路を引き返そうと高丸山手前の鞍部まで戻ったとき、そこから高丸山を迂回する巻き道があることに気付いた。その小径に入って振り返ったとき、巻き道は1114mピークも巻いていることが分かった。そちらに歩いて行けば直登コースに合流出来るのではとひらめくと、すぐに引き返して巻き道を東へと歩いた。10分ほど歩くと予想通り直登コースに合流した。やはり1114mピークから直登コースは始まっていたようだった。その先で現れた東屋で一休みすると、後は直登コースを下った。最短コースとなるだけに急坂が多く、往路として登ればけっこう手応えがありそうだった。周囲の樹林は緑が濃く、ブナも多くみられた。その鬱蒼とした樹林の雰囲気を楽しみながらの下りだったが、倒木が道を塞いでいたり足下の悪い所もあって、気楽な下りでも無かった。どこに下り着くのかと思っていると、やはりシャクナゲ公園の一角に下り着いた。そこには登山口標識があり、「直登ルート(健脚コース)」の名が付いていた。シャクナゲ公園を抜けると、朝に歩いた緩やかな道に合流した。直登コースはキャンプ場の高い位置を目指せば良かったようだった。上空は曇り空のままであり、その薄暗い空の下を駐車場へと近づいた。
(2015/7記)(2020/8改訂)
<登山日> 2015年7月3日 10:22美方高原自然の家に近い駐車場よりスタート/10:30とちのき村キャンプ場の西端/10:40小代越コース登山道に入る/10:56高丸山まで2km地点/11:34小代越/11:44〜51高丸山/11:59〜12:11[1114m]ピークの手前で昼食/12:41〜13:02鉢伏山/13:35高丸の手前の鞍部で尾根コースを離れる/13:45〜52東屋/14:13直登コース登山口/14:20エンド。
(天気) 雲が多いながらも青空も見られる空だった。登るほどに青空が広がってきた。その空が昼を回ると西から薄黒い雲が増えてきて、下山を始める頃には青空は見られなくなった。気温は始め22℃で、青空が広がっていたときは24℃まで上がっていた。雲が広がってくると20℃まで下がる。山上では弱いながらもひんやりとした風があり、快かった。視界は湿気をたっぷり含んだ感じで、うっすらとしていた。
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 スタート地点は
 「美方高原自然
 の家」の最奥に
 あるトイレのそ
 ばからだった

 足下に体育館が
 見えていた

 トイレのそばの
 車道は、すぐ先
 で進入禁止にな
 っていた
進入禁止の先へと向かう そちらはキャンプ場
だった
とちのき村キャンプ場の中を抜けて行った キャンプ場の施設を見る
キャンプ場の道を真っ直ぐに歩いたため、鉢伏
山直登コース登山口を見落として、西端に来て
しまった
鉢伏山直登コース登山口を探すことはせず、キ
ャンプ場の西端から始まる林道を歩いて行くこ
とにした
林道は西へ緩やかに続いていた 周囲の緑が美
しかった
小さな沢を渡る その沢沿いにもコースがある
ようだった
キャンプ場から1km歩いて別の林道に合流し
た そこか高丸山まで3kmだった
高丸山のある南へと歩く 緩やかな上り坂だっ
上空にも青空が広がってきた 緩やかな林道歩きが続く 木立の隙間から鉢伏山が望めた
車止めのゲートが現れた 高丸山まで2kmだった 鉢伏山が眺められた その上空は曇り空だった 樹林帯を歩くようになってブナの木を見る
陽射しの中を歩くことが多くなってきた 「有用広葉樹母樹」と名付けられており、美林
だった
北の空が眺められると、そちらはすっかり快晴
だった

 鉢伏山と高丸山の
 並ぶ姿が眺められ
 るようになった

   鉢伏山の左手には
   美方高原自然の家
   が見えていた

 高丸山がすっきり
 と見えてきた


   その高丸山を正面
   に見るようになっ
   た
高丸山へ近づく 林道が巻き道となったとき小代越への小径が分
かれた
漸く登山道を歩くことになった
小代越が近づくと、すっかり草原風景となった 小代越に着くと、高丸山は目の前だった その山頂まで樹木は見えなかった
小代越に立つ標識を見る 西へ向かう尾根道は氷ノ山まで続いている 氷ノ山の山頂はガスに隠されていた

 小代越を後にして
 高丸山への尾根道
 を登った


  登山道ではウツボ
  グサの花をよく見
  た

 高丸山の山頂に
 着いた 山頂は
 地表が広く現れ
 ていた 三角点
 は笹ヤブの中の
 ため、今回は探
 さなかった

 休まず鉢伏山に
 向かった

 高丸山から見る
 鉢伏山だった

 鞍部へと階段と
 なった尾根道を
 下る
鞍部が近づいた 鞍部に着いて次に向かう1114mピークを見上げる 鞍部にはスキーリフトの終点になっていた
1114mピークの手前の1070mピークに着いた 振り返って西を見ると、氷ノ山の山頂が現れていた
1070mピークで鉢伏山を眺めながら昼休憩とした 昼休憩を終えて1114mピークに向かった 右手に鉢伏高原が眺められた
1114mピークに近づいた 前方に鉢伏山を見ながら1114mピークを通る  尾根道の両脇に樹木や草が増えてきた
ナツグミの赤い実を見る ササユリが咲いていた 鉢伏山が迫ってきた
ヤマアジサイはよく見かけた 白い花はトリアシショウマと思われる 鉢伏山の山頂が近づいて登山道の傾斜が増してきた

 背後に風景が広
 がってきた


  鉢伏山の山頂に
  着いた

 山頂に着くのを待っ
 ていたかのように急
 速に曇り空に替わっ
 てしまった 氷ノ山
 の方向を見る
上の写真に写る藤無山を大きく見る 上の写真に写る陣鉢山を大きく見る 山頂の三等三角点(点名・鉢伏)を見る
西から北西にかけてを眺める 左の写真に写る仏ノ尾を少し大きく見る

 北から西にかけて
 を眺める
山頂に建つ小屋を見る 山頂ではヨツバヒヨドリをよく見かけた 下山は往路を引き返した
薄暗い空となって山並みを沈んだ色で見えていた 階段となった登山道を下って行く
ニガナの黄色い花を見る ウバユリの蕾を見る 1114mピークに近づいた
1114mピークでは直登コースの分岐点がは
っきりしておらず、通過してしまった
そのまま尾根を歩いて、高丸山手前の鞍部へ近
づいた
鞍部に着くと尾根コースとは別に巻き道を見た
ので、尾根筋を離れて巻き道に入った
 巻き道は1114mピ
 ークも巻いていた
 ので、直登コース
 と出会うことを期
 待してそちらに向
 かった

   巻き道だけに平坦
   な道だった
期待通りに直登コースに合流した すぐに小屋風の東屋が現れた 東屋で一休みする
東屋の中から氷ノ山が望めた 直登コースを下って行く 大きなブナのそばを通る
直登コースの雰囲気は悪くなかった 登山道はやや急傾斜で続くようになった 緑の濃いコースだった
草が道に被さってきた 少しマイナーな感じに
なった
登山道の先に遊歩道が見えてきた 登山口に下り着いた
近くの東屋に「全国石楠花公園」の標識を見た 遊歩道を下ってキャンプ場の道に合流した 車止めを通過すれば駐車地点は間近だった