2018年のゴールデンウィーク期間の一日は、青ヶ丸登山を楽しんだ。一度無雪期の青ヶ丸を登ってみたいとの思いを持っていたのでそれを実行したのだが、青ヶ丸の山頂には雪が残っており、その上に立って見えたのが仏ノ尾だった。新緑に包まれたその姿を見て仏ノ尾にも登ってみたくなった。そこで早速翌週に仏ノ尾に向かった次第だった。前回の2008年の登山で仏ノ尾林道の途中に登山口を見ていたので、その登山コースで登ってみることにした。そして前回の往路で登った尾根を下山コースにしようと考えた。
この日は姫路の自宅を午前7時半に離れたのだが、香美町はやはり遠い上に播但道を一部しか利用しなかったため、香美町小代区に入ったときは10時を十分に過ぎていた。しかも小代温泉から始まる大照林道に入るのが正しいのに、一つ手前の林道に入ってしまい余計な時間を使ってしまった。大照道に入って標高800mまで上がると、漸く仏ノ尾林道が始まった。仏ノ尾林道はほとんどダート道の上に完成した2007年からほとんど整備されていないようで、悪路と呼べそうな部分もあった。そのため仏ノ尾登山口に着いたときは11時になっていた。その登山口の辺りは道幅が狭かったため、今少し走って路肩スペースが広くなった位置で駐車とした。そこからのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。大きな登山口標識があり、そこからコースに入ると急斜面の登りが始まった。意外なことに登山道ははっきりしておらず、何となく踏み跡と思えるほどの小径を登った。目印テープもとぎれとぎれだった。良かったのは登るほどに周囲の新緑が鮮やかになってきたことで、緑の壁紙を見る思いだった。ブナの高木も現れて、今まさに新緑の盛りと言った姿を見せていた。その尾根が緩むと町境尾根に合流して仏ノ尾へと向かうことになるのだが、気が付くと既に合流して仏ノ尾から離れる方向に歩いていた。そこで地図を取り出そうとしたところ、何と地図を車に残してきたことに気が付いた。ちょっとした失態だったが、この日はGPS(ガーミン)を持参していたので、後はGPSの地図を頼りに歩くことにした。やはり行き過ぎていたようで、引き返すと分岐点の標識を見た。見落としていたようだった。そこより南に向かって境界尾根を歩いた。後は仏ノ尾山頂までずっと境界尾根を辿るだけだった。始めに緩く下り、そして緩い登りとなった。周囲の新緑の美しさは更に増したようで、その新緑に包まれたブナの大木には目を見張るばかりだった。ときおり花も見られ、タムシバの白い花が満開になっているのを見た。足下に多く咲いていたのはイワカガミだった。尾根はけっこう易しく歩けていたのだが、仏ノ尾に近づいて尾根の傾斜が増してくるとネマガリダケが増えてきた。その中を細々と小径は続いていたのだが、ネマガリダケが更に増えると見失いがちとなり、ほぼヤブコギになることもあった。それでも登山標識を見ることがあり、コースを外していないことが分かった。その半ヤブコギ状態の中で山頂到着となった。山頂一帯はネマガリダケの海だったが、一部が広く刈られており、そこを山頂としているようだった。思い返すとその風景は10年前とあまり変わっていないように思えた。その切り開かれた山頂には南側から登山道が通じていた。佐坊集落の方向からの道だった。そちらに入ってみると木々の空いた所からは展望があり、青ヶ丸や氷ノ山の姿を見ることがあった。山頂では切り開かれた所は少々暑かったので、樹林に入って木陰で休憩とした。気温は18℃の上に空気は爽やかとあって、ちょうど良い感じで休めた。その山頂でも少しは展望があって北東に九斗三山の姿を見た。久しぶりの山頂に満足すると下山は始めに往路を引き返し、予定通り途中から東に延びる尾根に向かった。尾根の分岐点はやや急斜面になっており、尾根筋に入るまでに少々手間取ったが、尾根上に出ると後ははっきりとした尾根筋を辿ることが出来た。但しちょっとした灌木ヤブになっており、決して歩き易いとは言えず木々の間を縫うようにして歩いた。そのため歩度は遅かった。救いは尾根がずっと緩やかなことで、その緩尾根のままスムーズに林道に出てきた。後は林道を北へと登山口の方向に歩くと、20分ほどで駐車地点に戻ってきた。次は佐坊集落側から歩いてみたいと思いながら帰路についた。
(2018/5記)(2020/3改訂) |