TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北但 
 
青ヶ丸    あおがまる 1239.5m 香美町
若桜町(鳥取県)
 
1/2.5万地図 : 扇ノ山
 
【2018年5月】 No.3 2018-64(TAJI)
 
    仏ノ尾より  2018 / 5

 2018年3月に兵庫鳥取県境の天児屋山を登ったとき、すっかりネマガリダケが減っているのを見て、これなら無雪期でもさほど厳しさも無く登れるのではと思えたものだった。その考えは青ヶ丸にもおよんで、青ヶ丸のネマガリダケも減っているように思えてきた。そうなると無雪期の青ヶ丸を登ってみたくなってきた。向かったのは同年5月、ゴールデンウイークの一日だった。ルートは前回と同じく鳥取県の広留野高原側からとしたが、尾根歩きを短くしたく北西尾根を登ることにした。
 5月5日は朝から快晴だった。広留野高原へは立派な舗装路が出来ており、楽々と着くことが出来た。高原からは青ヶ丸が見えていたが、高原との標高差は400m程しかないとあって、千メートルを越す山としては見えなかった。広留野林道入口には車止めとしてロープが張られていたので、少し手前の道幅が広くなっている所に車を止めた。他に車を一台見たが、どうやら渓流釣りの人のものと思われた。まずは新緑がまぶしい林道歩きでスタートした。前回は雪の季節とあってずっと林道を歩いて青ヶ丸に近づいたが、この日はショートカットコースとなる遊歩道に途中で入って、歩く距離を短縮した。地図では破線で描かれている道だった。道沿いは新緑が見事な美しさで、森林浴としても十分に楽しめると思った。途中に小橋があって来見野川を楽々と越すと、後は緩やかな上り坂となって東因幡林道に近づいた。その道沿いでは少し残雪を見ることがあった。東因幡林道に合流すると、長くも歩かず沢川橋に出会った。前回はそのまま橋を越して青ヶ丸の南西側から取り付いたのだが、この日は沢川橋の手前で分かれた作業道に入った。沢川に沿って北東へと続く道だったが、道にはササや灌木が生えておりすっかり廃道状態になっていた。歩くのも灌木を避けながらで歩き難かったが、そのうちに普通に作業道として歩ける所も出てきた。右手の沢川では残雪が多く残っていた。30分ほど歩いて作業道の終点が近い位置になったとき、対岸の斜面が緩やかになったのを見て、そこに取り付くべく作業道を離れた。そして沢を渡って山裾に取り付いた。その緩やかな斜面を登り始めると、やはりササは減っており、問題無く進んで行けた。適当に登るうちに尾根筋を辿るようになると、目印テープを目にするようになった。やはりこの尾根で青ヶ丸を目指す考えは誰しも同じようだった。今回はネマガリダケ帯で迷わないようにGPS(ガーミン)を持参していたので、ときおりそれで現在地を確認しながら登った。残雪は沢で見かけて以降は見なかったのだが、登るうちに日陰で僅かに残った雪を見た。やはり今年の雪解けは早かったようだった。替わりに花の季節になっており、足下でイワカガミが群落となってピンクの花を咲かせていた。ササに関してはクマザサが次第に増えてきたが、手で軽く払う程度で進めた。ササをほぼ見ない所もあった。1144mピークを越すとクマザサが増えてきたが軽いヤブコギまでだった。そのクマザサがいつしかネマガリダケに変わって、行く手に広がってきた。それも密生になることは無く、特に厳しくも無く進めた。やはりネマガリダケは減ってきているようだった。そのネマガリダケが枯れて折れているものが多くあり、その折れ口で足を何度もひっかいてしまった。ズボンをめくるとけっこう血を流していた。山頂が間近になるとすっかりネマガリダケ帯となったが、そこに細々と小径があり、それを辿るうちに尾根は平坦となって山頂に到着となった。そこは三角点を中心に広く切り開かれており、その先にははっきりとした切り開き道を見た。どうやら県境尾根上に切り開き道が作られて、南の方向からはその切り開き道で来られるようだった。青ヶ丸の山頂は南北に長くなっているので、三角点のそばで一息入れると、その切り開き道を少し歩いてみることにした。三角点の位置はネマガリダケが囲んでいるとあって展望は無かったが、切り開き道を歩き出すと展望が現れるようになった。始めに南西方向に陣鉢山や東山を見ることがあり、その先で左手に残雪が現れると、そこはネマガリダケは雪の下とあって好展望が得られた。間近に仏ノ尾を見るだけでなく、三川山から妙見山へと続く尾根が一望だった。切り開き道に戻って更に南へと歩くと、今度は鉢伏山から氷ノ山までが間近く眺められた。その風景が現れた先ではっきりと下り坂となったので、切り開き道を歩くのはそこまでとして引き返した。足下を注意していなかったが、よく見るとはやスズコが顔を出していたので、それを摘みながら三角点へと戻った。三角点で昼休憩を済ませると、青ヶ丸山頂を十分に楽しんだことでもあり下山に移った。ヤブ山でもあるので、下山はすんなりと往路を戻った。登るときはGPSにはさほど頼らなかったが、ネマガリダケ帯を下るとなると尾根筋からどうしても逸れ気味になり、何度かGPSを見ながら軌道修正をした。ササが減って歩き易くなると、後はGPSを頼らず下ったところ、最後は少し東寄りに下ってしまったようで、往路の取り付き地点よりも少し上流の位置に下り着いた。後は作業道に出て東因幡林道に出るだけだったが、その沢川沿いを歩いているとき、いやなものを見てしまった。沢の方向でガサゴソと大きな音を聞いたので、鹿でもいるのかとそちらに目を向けると、牛と見間違うばかりの大きな黒い固まりが、ものすごい勢いで対岸側の斜面を駆け登って行った。距離にして20メートルほどだったろうか。一瞬の出来事だったが、どうもツキノワグマのようだった。こちらの気配に気付いて逃げたようだったが、あの大きな体がこちらに向かって来ていたらと思うと、背筋が寒くなってきた。そこより10分ほど歩いて林道に出ると、再び遊歩道コースに入って広留野高原へと向かった。昼を回って新緑の森は一段と明るくなっており、朝よりも美しさを増していた。その遊歩道の途中にある小橋を渡っていると、渓流釣りの人を数人見かけた。広留野林道に出ると、そこから駐車地点までは20分ほどの距離だった。県境尾根の切り開き道は東因幡街道のどこかから始まっていると思えたが、起点辺りの情報が得られれば、その切り開きのコースで今一度青ヶ丸を訪れてみたいと思いながら、広留野高原を後にした。
(2018/5記)
<登山日> 2018年5月5日 8:36林道入口近くよりスタート/8:50遊歩道に入る/9:15東因幡林道に合流/9:23作業道に入る/9:51作業道を離れる/11:00〜52山頂/13:03作業道に出る/13:32東因幡林道に合流/13:36遊歩道に入る/13:55橋を渡る/14:14エンド。
(天気) 快晴。雲は全く見られなかった。午前の遊歩道では気温は15℃だったが、山頂では20℃まで上がっていた。風は涼しく、ひたすら爽やかだった。視界は少しうっすらしていた。
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(←)
 広留野高原に着く
 と快晴の空の下に
 青ヶ丸が眺められ
 た

 (→)
  南に見えていたの
  は陣鉢山だった

(←)
 駐車地点から林道
 の入口方向を眺め
 た

   (→)
  北へと歩いて林道
  入口に着くと車止
  めが置かれていた
林道は抉れている所もあり、けっこう悪路だった その林道の周囲は新緑がまぶしかった 近くのピークもすっかり新緑に包まれていた
青ヶ丸への近道となる遊歩道が右手から始まった 遊歩道に入ると、そこは新緑の世界だった 新緑のブナを見上げる
来見野川に架かる小橋を渡った 丸太道を歩いて行く 道そばでベンチを見た
周囲に針葉樹が増えてきた 遊歩道は扇ノ山コースでもあった 920m地点を通る 日陰にはまだ雪が残っていた
東因幡林道に合流した そこより林道を東へと歩いた 林道を歩き出すと、また周囲に新緑の木が増えてきた 新緑の木を見上げた
沢川橋まで歩いて来ると、その手前で左手に分かれた作業道に入った 作業道は沢川に沿って続いていたが、灌木が生えて廃道状態になっていた
作業道にはササも生えており、ヤブコギもあった 沢川には残雪が多かった 歩くうちに、少しは歩き易くなってきたが
作業道を塞ぐ木を何度も越した 作業道の終点が近づいて、沢川に小さな滝を見た 対岸の斜面が緩やかだったため、沢を渡ることにした
始めは緩やかな山裾を適当に登った クマザサを見るも疎らにしか生えていなかった 尾根を辿るようになって目印も見るようになった
ヤブにはならず、無難に登って行けた シダの若葉を見る 軽くクマザサを払いながら登るようになった
登るうちに残雪を見るようになった またササが減って歩き易くなった 1144mピークを越して、前方に山頂を見る

雑木の隙間から氷
ノ山が覗いていた

尾根で唯一の展望
地が現れて、南西
に東山が望めた

東山と鳴滝山を大
きく見る

上の写真に写る広
留野高原を見る
足下にイワカガミをずっと見るようになった クマザサが茂ってきた いつしかネマガリダケに変わっていた
厳しくはなかったがネマガリダケのヤブコギとなった 頭上は雲一つ無い快晴だった ネマガリダケの中に細々とした小径が現れた

突然と言った感じ
で開かれた山頂に
出た

切り開きの真ん中
に三等三角点(点
名・青ヶ丸)を見

その山頂へは南から切り開き道が来ていた 切り開き道を歩くことにした 周囲は新緑の木々だった すぐに展望が現れた

(←)
三室山から東山ま
でが眺められた


  (→)
  次に左手に残雪の
  多く残っている所
    が現れた
残雪の上に立つと、東の方向に展望が開けた 写真の左端に写っているのは仏ノ尾だった 立つ位置を変えると、仏ノ尾も良く見えた
上の写真に写る蘇武岳を大きく見る 同じく瀞川山と妙見山を大きく見る 同じく鉢伏山を大きく見る
切り開き道に戻って更に南へと歩いた 新緑のブナを見上げた 歩くうちに、右手前方に氷ノ山が見えてきた
氷ノ山の姿をはっきり見るようになった 氷ノ山の山頂を大きく見る
切り開き道が下り坂になったので引き返すことにした 足下ではスズコがはや顔を出していた スズコを摘みながら山頂に戻った
山頂に戻って昼休憩とした 下山は往路を戻る 再びネマガリ帯に入った 尾根の傾斜が増したとき前方が開けて扇ノ山が現れた
扇ノ山の山頂に建つ避難小屋も望まれた オオカメノキの花を見かけた ネマガリダ帯が終わってクマザサを分けながら下った
ミツバツツジの色が鮮やかだった スミレも咲いていた ごく普通に歩けるようになって沢川へと近づいた
新緑の木を見上げる 沢川に出ると、そこは雪が多く残っていた 沢を渡って作業道に出る 後は沢川沿いを戻って行く
タムシバの花を見る 順調に林道へと向かっていたが クマを目撃してしまった 走り去った対岸の斜面を見る

(←)
東因幡林道に合流
した


 (→)
 林道を西へと歩いて
 遊歩道に向かった
遊歩道の入口に着いて遊歩道へ 始めは針葉樹の中を歩く 遊歩道は緩やかな道として続いた
新緑の世界へと入って行った 小橋を渡る 朝よりも緑の鮮やかさが増していた
頭上の新緑を眺める 遊歩道は終わって林道に合流した 悪路の林道を歩いて広留野高原に向かった
林道終点に近づいた 駐車地点に近づくとき、前方の氷ノ山を大きく見る 東に見える青ヶ丸の山頂も大きく見る