TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編
 
天児屋山    てんごやさん 1244.6m 宍粟市 
若桜町(鳥取県)
 
1/2.5万地図 : 西河内
 
【2018年3月】 No.7 2018-32(TAJI)
 
    県境に近い県道72号線より  2018 / 3

 天児屋山は急坂がほとんど無く、雪山を易しく楽しむにはもってこいの山と言えそうで、残雪期になるとどうしても関心が向かうことになる。2018年の兵庫のスキー場は雪が少なかったようで、3月に入るとクローズの便りを聞くようになった。ちくさ高原スキー場も昨年よりずっと早く、3月11日に営業を終えた。それを知ると天児屋山の残雪期も早く終わりそうに思えて、急に登りたくなった。そこで2年続けてとなるが、天児屋山へと向かった。3月14日のことで、ちくさ高原の上空は快晴だった。スキー場のエリアを過ぎると車道には「通行不能」の看板が立っていたが、その先も除雪されているようだったので車を進めてみた。結果として除雪は終わっており、県境となる峰越峠に無事着くことが出来た。車は峠に近い兵庫側で路肩が広くなっていた所に駐車として、そこよりスタートした。登山コースへは県道を離れて脇道に入るが、そちらは雪が残っていた。それも登山コースに入ると雪は見られなくなって、山上に雪が残っているか心配になった。それも県境尾根を進むうちに雪は徐々に現れて、辺り一面が白くなったところでスノーシューを履いた。その後はスノーハイクとなったが、やはり雪は少なく30センチ程度かと思われた。雪山なので三国平へはショートカットで向かいたかったが、斜面は笹の現れている所が多くあったため、県境尾根を忠実に辿って三県境から東へと歩いて三国平に向かった。そのコース通りに歩くと江浪峠で二つ目の三国平登山口標識が現れ、そこより緩く登り返して三国平に着いた。そこは地表が多く現れており、残雪の山の雰囲気は無かった。三国平を後にすると、天児屋山の山頂を目指して更に東へと歩いた。気になったのはチシマザサ(ネマガリダケ)を見かけないことで、目にする笹は丈の低い笹ばかりだった。昨年は雪が多かったためその変化に気付かなかったが、どうも急激に植生が変わってきているようだった。1226mピークへの登りにかかると広い範囲で雪面が広がってきて、いかにもスノーハイクをしている雰囲気となった。それも1226mピークを越すときはまた笹が増えて、雪の部分を探すようにして歩いた。前方に山頂が見えてきて、次第に近づいて来るのは気分が高揚してきて悪くなかった。そして白い尾根を踏んで山頂到着となったが、山頂は意外や雪は少なく、三角点が顕わになっていた。それは良いとしてそこもすっかりネマガリダケが消えており、三角点は丈の低い笹に囲まれていた。以前のネマガリダケにびっしりと覆われていた山頂を知っているだけに、ちょっと寂しい気持ちにさせられた。雪はごく僅かとなっていたため、南の方向は笹を越しての展望となり、例年よりも風景の広がりは少なくなっていた。それでも十分な展望であり、白い氷ノ山や三室山、後山の山並みに目を楽しませた。山頂の気温は16℃ながら陽射しをたっぷりと受けるとあって、十分過ぎる暖かさだった。風も冷たさは無く、快いばかりだった。雪山としては最高の天気ながら平日とあって、ただ一人で静けさを満喫したその山頂で20分ほど過ごすと、下山は往路を引き返した。但し三国平からは県境尾根を離れて南西方向へとショートカットで歩いた。いわゆる千種川の源流部を歩くのだが、そこは雪が減っており沢の流れが現れていた。県境尾根に出ると後はただ南へと歩くだけだったが、やはり雪山歩きは足が疲れるようで、小さなアップダウンがけっこう面倒くさく感じた。それでも下山はやはり早く、山頂から1時間半で登山口到着となった。この日の天児屋山登山で思ったことは、これだけネマガリダケが減っているのなら、登山道を作るのは容易ではと思えた。そして山頂に東山と同じく展望台を建てたなら360度の展望を楽しむことが出来て、人気の山になるのではと思えた。
(2018/4記)(2020/3改訂)
<登山日> 2018年3月14日 9:00峰越峠手前よりスタート/9:04三国平登山口/9:56二つ目の三国平登山口/10:01三国平/10:27[1226m]ピーク/10:44〜11:06山頂/11:21[1226m]ピーク/11:45三国平/12:38三国平登山口/12:42エンド。
(天気) 快晴。雲は無く、上空は澄んだ青空だった。南の方向は薄い色だった。樹林帯の気温は12℃だったが、山頂では16℃まで上がっていた。陽射しが快かった。山頂では僅かな風を受けるのみ。風に冷たさは無く、涼しいと感じるのみ。視界はまずまず良かった。
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スキー場のエリアを過ぎると雪で通行不能の看板が現
れたが、そのまま車を進めた
県境まで除雪は終わっていた 県境より少し戻って路
肩の広くなっている所に車を止めた
県境の標識に近づいたが、登山口へと右手の枝道に入
った
枝道は雪に覆われていたが10センチ程度の積雪だった  峰越峠に着いて、三国平登山口に入った 県境を尾根を登り出すも、雪は見られなかった
始めのうち、尾根の傾斜は少しきつかった 「源流探訪ツアーコース」の標識を見た 暫くは雪に無い尾根歩きだった 尾根が緩んできた
少しずつ雪を見るようになった 雪が増えてきたのでスノーシューを履いた 漸くスノーハイクの雰囲気となってきた
また雪が減ってきた なぜかブナに数字が書かれてい
雪の風景が続くようになるも、雪は20センチまでだ
った
小さなアップダウンがありながらも緩やかな上りが続
いた
ひたすら県境尾根を歩いた この標識を見て岡山県との県境尾根を離れた 江浪峠に着いて、地蔵さんを見た
江浪峠にも三国平登山口の標柱が立っていた 鳥取県との県境尾根に入った 地形がはっきりしないので、目印を追って歩いた

三国平に着くと、そ
こは雪が少なかった


  木々の隙間から望
  めたのは東山だっ
  た

三国平を離れると
天児屋山へと東の
斜面に向かった

1170mピーク
辺りは杉林になっ
ていた

笹が多く現れてい
たが、ネマガリダ
ケでは無かった

杉林を抜けると後
山の尾根がすっき
りと眺められた

雪の積もっている
所を探して登った

広々とした雪原を
登るようになった

振り返ると、二つ
の勇峰が並んでい


左の写真に写る東
山を大きく見る
雪原を登って1226mピークに近づいた 雪の残った所を探しながら1226mピークを越した
前方に山頂が見えてきた 山頂との鞍部へと緩やかに下った 山頂へと登り返す
白い道を踏んで山頂へと近づいた 気持ちが高ぶって
きた
山頂に立つ木立が見えてきた 山頂が目前になった

山頂に着いた

雪は少なく、三角
点が顕わになって
いた

ネマガリダケはす
っかり消えていた

三等三角点(点名
・中江)を見る

山頂を西側から眺
めた
山頂に立って北から東にかけてを眺めた 氷ノ山は別として山々の残雪は少ないようだった 赤谷山を大きく見る

東から南東かけて
を眺める


 三室山を大きく見
 る

くらますの左手に
は青ヶ丸がちらり
と見えていた

青ヶ丸の左手には
扇ノ山の姿が認め
られた

南の方向はほぼ笹
が現れて後山の尾
根が少し隠されて
いた

左の写真の右手を
見る

大倉山の背後の那
岐山はモヤに隠さ
れていた

山頂で20分ほ
ど休憩をとった
後、下山は往路
を戻った

1226mピーク
へと緩やかに登っ


1229mピー
クが近づいた

午後に入っても雲
一つ無い快晴は続
いていた
視界は幾分良くなったのか、那岐山がうっすらと見えた 右手に氷ノ山を見る 山頂の避難小屋が見えていた 1229mピークを越して広々とした雪原を下った
この杉林を抜ければ三国平だった 三国平へと緩やかな斜面を下って行く 三国平まで戻ってきた
三国平からは南西方向に適当に歩いた 千種川の源流部を横切ることになった 県境尾根に出ると、後は南へと尾根を辿って行く
大きなブナのそばを通って行く 尾根は朝よりも雪解けが進んでいた 雪の無い尾根歩きに移った
三国平登山口に戻ってきた 枝道に出ると、岡山側に向かって歩いた 岡山側から県境を越えて駐車地点に近づいた