TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
後山    うしろやま 1344.4m 宍粟市
美作市(岡山県)
おごしき山 1095 m
 
 
1/2.5万地図 : 西河内
 
【2008年8月】 No.8 2008-75(TAJI)
 
    千種町黒土地区より  2008 / 8

 2008年のお盆休暇は地元で過ごそうと決めたとき、しっかり登れる山を一つは登ろうと考えた。そして思いついたのが後山の行者コースだった。夏の暑い季節にロープ場を一所懸命に登るのも悪くないと、ちょっと期待感も湧いてきた。但しパートナーは仕事があって行かれず、単独行だった。
 千種町の空は少し雲が多いながらも晴れていた。どうせ思いっきり汗をかくのなら行者霊水の駐車場から林道歩きでスタートすればよいのだが、真夏の林道を延々と歩くのは勘弁してもらいたく、そこは車で一気に走った。そして中腹の登山口駐車場に着いたのは10時を回ったばかりの時間だった。誰かは来ているものと思っていたのだが、駐車場には他に車は無く、ひっそりとしていた。ただ明るい陽射しがあふれていた。朝の気温は27℃。少し風があってあまり暑さを感じない中、歩き始めた。歩き出して樹林帯に入るとすっと涼しくなった。気温も2度は下がったようだった。二の沢小屋を垢離取場の横を通って不動ノ滝の前に出た。晴天が続いているためか不動ノ滝の水量はちょっと少なめのように思われた。滝から流れてくる涼風を受けながら小橋を渡る。左手に沢音を聞きながら沢沿い道は緩やかなつづら道で続いた。一帯は植林が占めていたが、登るほどに自然林が混じってきた。30分ほど歩いておごしき山コースが分岐した。もうその辺りはすっかり自然林だった。相変わらず沢風が涼しく、登るのは楽だった。その先で沢の中を石伝いに歩く。その沢を離れるといよいよ一般コースから行者コースが分かれた。やはり歩く人が少ないのか、ちょっとクマザサが登山道に目に付いた。最初に長いロープを登って一気に高度を上げる。続いて岩場のトラバースがあり、またロープを伝う。こういう足を踏ん張り力を込めての登りは好きなので、ロープの感触を楽しむようにして登った。少しはしっかり登っていることを実感出来る所だった。行者窟のそばを通り、熊落とし行場を過ぎるとほぼ行者コースのハイライトは終わった感じで、ネマガリダケが増え出した。それが笹のトンネルのようになって急坂で続いた。そこを登り切って尾根に出ると、一般コースに合流した。山頂まで300mの位置だった。もう気分的には楽なもので、一息入れて山頂へと向かった。そして緩やかな尾根道を10分ほど歩けば山頂だった。さほど急がずマイペースで登って来たのだが、2時間とかかっておらず、やはり行者コースはショートカットルートとなるのか、山頂に立てるのは早いようだった。山頂には岡山側から人が来ているものと思っていたのだが、誰もおらずひっそりとしていた。上空は雲が増えてきたものの周囲はすっきりと見えており、何よりも涼しい風が少し強めに吹いているのが快かった。ちょうど上空に雲が広がって一段と涼しさが出てきた。気温も24℃まで下がっていた。真夏に涼しいばかりの風に吹かれながら一人静かに山頂で過ごすのは、けっこう贅沢をしているようで悪い気分では無かった。一休みしたところで次はおごしき山へと向かった。おごしき山で改めて展望を楽しもうとの考えだった。そしてブナの尾根を下り出したのだが、これまで気にしていなかった北の展望が木立を通して目に付いた。それは氷ノ山の西に広がる山並みで、そちらを注意しながら下っていると、すっきりと東山からくらますの眺められる位置もあり、これは新しい発見だった。おごしき山には13時を回った時間に到着する。午後に入って空の黒い雲は広がっており、上空を広く占めるようになっていた。これは絶好の日陰で、ちょっと眠くなっていたことでもあり、誰もいないのを幸いに大馬鹿門の台座で昼寝を楽しむことにした。台座には平たい石が並べられており、それが先ほどまでの陽射しで程よい暖かさになっており、その上に寝っ転がっての昼寝だった。北には氷ノ山までの展望が広がっており、そして涼しい風が絶えず吹いていた。その快さに50分ばかりを過ごしていた。おごしき山からはこれまでは適当にショートカットで林道を目指していたが、この日は中腹の登山口に車を止めていることでもあり、忠実に登山コースを辿って戻ることにした。目印を辿って行くだけだが、始めに急坂で一気に高度を下げた後はトラバース道となって西に方向に向かっていた。少し分かり難い所もあったが目印に注意をしておれば問題は無く、おごしき山を離れて30分ほどで一般コースに合流した。
 こうして久々に無雪期の後山に登ってみると、けっこう味わいのある山だと改めて思わされた。コースには滝あり、ロープ場あり、そしてブナ林ありとけっこう変化に富んでおり、また後山山頂もオゴヂキ山も展望には優れており、また季節を変えて訪れたいと重いながら下山の道を辿って行った。
(2008/9記)(2020/6改訂)
<登山日> 2008年8月15日 10:13登山口スタート/10:21〜24不動ノ滝/10:46おごしきコース分岐点/10:58行者コース分岐点/11:26〜30行者窟/11:48〜51一般コース合流点/12:00〜38後山山頂/13:14〜14:05おごしき山/14:35一般コースに合流/14:50不動ノ滝/14;57エンド。
(天気) 雲は少し多かったが、ほぼ快晴。登山口の気温は27℃。その後は木立の中を登るとあって涼しさを感じながら登る。25℃ほど、山頂は風が涼しく、気温も24℃と休むには良い感じだった。その山頂に着いた頃より雲が増え出した。おごしき山で休んでいるときは、上空は黒い雲に占められた。但しその後はまた青空が広がり出した。視界は良く澄んでいた。
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登山口駐車場から登山口の方向を見る 二の沢小屋の中を登山道は通る 垢離取場の地蔵さんを見る
登山道は宿坊跡の中も通る 不動ノ滝は少し水量は少ないようだった 不動ノ滝を横目に階段を登る
滝を離れると手頃な登山道が暫く続く 「鐘懸の行者」の横を通る 周囲が自然林となって、緑が美しかった
石小屋を見る 雨宿り出来そうだった 沢の中を登って行く所もあった 行者コースに入ると最初に長いロープを登る
  
行場コースの見所が書かれた標識があった 大きな岩のそばを巻いて行く 行者窟の中を覗くと石仏が置かれていた
何度かロープを登って行く 「熊落し行場」を見る 行場を過ぎるとネマガリダケの急坂を登る
尾根に出て一般コースに合流する 山頂まであと300mを歩くだけだった 後山山頂は誰もおらずひっそりとしていた

 山頂から北東に
 三室山を見る


   左の写真の氷ノ山
   を大きく見る
 
位置を変えて上の写真の右手方向を見る 左の写真の三室山を大きく見る

 上の写真の右手と
 なる東の方向を見
 る

     左の写真の植松山
     を大きく見る

 後山山頂より西には
 船木山が間近く見え
 ていた

    船木山の左手後方に
    は那岐山が覗いてい
    た
 
山頂から少し船木山方向に下ると、南に展望が開けた 左の写真の日名倉山を大きく見る
南西の足下に後山集落を見る 後山から船木山へ続く登山道を見る 船木山側から戻るとき、山頂を見上げる

 後山山頂から東の
 おごしき山への登
 山道に入る

   登山道の途中で北
   に展望を得る

 右上の写真のくら
 ますを大きく見る

 尾根からは東に展
 望の広がることが
 あった
登山道の自然林が美しかった 登山道のそばでヤマジノホトトギスを見る おごしき山に着いて大馬鹿門を見上げる

 おごしき山から北
 に広がる山並みを
 見る
ちくさ高原にのみ光が当たっている くらますは山頂部のみ覗いていた 空山山頂にもう一つの大馬鹿門を見る
おごしき山より東にカンカケ越を見る 下山は忠実に大馬鹿門コースを下った 下山時も不動ノ滝で一休みする