2018年のゴールデンウィークは久しく歩いていなかった兵庫側からの後山への登山道を歩いてみることにした。河呂・河久保林道の終点から始まるコースだが、その登山道は一般コース、行者コース、おごしき山コースと分かれることになるので、一番久しくなる一般コースで登ってみることにした。23年ぶりだった。
県道72号線を走って林道の起点となる不動明王の広場に着くと、大勢の自転車族が集まっていた。どうやら県道を使ってのレースが行われるようだった。連休中の行事かと思われた。林道に入るとスムーズな走行で、何事も無く林道終点の登山口に着いたのだが、そこにも20人以上が集まって神事が行われていた。ちょうど山開きが行われているようで、山伏姿の人が半数近くを占めていた。こちらが登山準備をしていると、登山口での行事は終わったようで、一団は登山口へと入って行った。それを追うようにして登山開始とした。不動の滝を過ぎた先で一団は一休みを始めたので、追い抜いた後はマイペースで登れることになった。曇り空とあって樹林に明るさは無かったが、新緑が落ち着いた色合いで眺められて、それも悪く無かった。コースは概ね沢に沿って西へと登る形で、十中で右手に「おごしき山」コースが分かれた。その後も沢に沿って登って行くと、行者コースと一般コースに分かれることになった。一般コースを進むと斜面をトラバースするようになり、支尾根へと向かった。その支尾根に着くとそこは標高1160mで、笛石山からのコースと合流した。尾根歩きとなって西へと登ると1253mピークに出た。そこで後山の南尾根と合流することになり、北へと登るようになった。前方に木々を通して山頂が望めたが、まだ距離があった。南尾根を登るようになって次第にクマザサが増えてきた。足下にもネザサが増えてきた。尾根の途中で行者コースが合流すると、そこから山頂まで330mとあった。ただクマザサが更に増えてそれを払い除けながら登るようになった。そのクマザサが前夜の雨で濡れているのはやっかいだった。そのササも山頂が目前になると、少し減ってきた。多少歩き難さはあったものの涼しさに助けられたこともあって、登山口からほぼ休まず歩いたので山頂には1時間24分での到着となった。先着者は一名のみで、静かな山頂だった。西の空こそ少し明るくなっていたが、上空は依然として薄黒い雲が広がっており、薄暗さのある山頂だった。その山頂から三室山は見えるものの、その左手の氷ノ山はガス雲の中だった。まだ昼休憩するには早い時間だったので、20分ほどで休憩を切り上げると、東尾根に入っておごしき山を目指した。そちらはササに煩わされることも無く、スムーズに下って行けた。ときおり東の方向に展望が現れて、植松山が望めた。そして30分とかからず、おごしき山に到着となった。そこに立つ「平成の大馬鹿門」を見るのは10年ぶりだった。おごしき山で軽く昼食をすませると下山に移った。下るうちに周囲の木々は新緑の姿となり、その目の覚めるような緑色を楽しみながら下ると、後山コースに合流した。後は往路として歩いた道だった。下るうちに天気は良くなるだろうと思っていたのだが、天気の回復は遅いようで、相変わらず曇り空の下で登山口に戻ってきた。
(2018/5記)(2020/3改訂) |