2016年の5月に入ったとき新緑の氷ノ山を登ったが、その季節で見せる高峰の美しさを改めて知ることとなった。そこで2番目の高峰となる三室山も楽しみたくなった。5月中に登りたかったのだが、5月の後半になると雨が多くなり、そのまま梅雨入りとなってしまった。暫くは三室山を登るのは諦めようとしたとき、突然のように快晴の日が現れた。6月第3週の土曜日で、朝からきれいな青空が広がっていた。その空を見て気持ちは一気に三室山に傾いた。既に初夏となっていたので朝の早い時間帯に登り出したかったのだが、所用が重なって自宅を離れたときは9時を回っていた。そのため三室山の登山口駐車場(野外活動センター跡)に着いたときは11時前になっていた。三室山の上空には雲は見られなかった。駐車場は閑散としており、他に車は1台が止まっているだけだった。この日のコースはどのガイドブックにも紹介されているコースでもあるので、コースについてはここに記さないが、ハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。登山としては遅い時間帯に登り始めたため、他に人影は無くコースはひっそりとしていた。無雪期に登るのは7年ぶりだったため、コースは少し変わったようだった。沢筋を離れて尾根を登るようになると目印を追って登ったのだが、コースは植林地の中をジグザグ道で登るようになった。以前は真っ直ぐに登っていたはずだったので、足への負担は幾分減ったようだった。また助かったのは、この日は意外と湿度が低かったことで、蒸し暑さを感じず登って行けた。大きな岩を見るようになり、そのそばを登って行くと、岩場の展望地が現れた。既に12時半になっていたため、その位置で昼食をとることにした。そこは展望が良いだけでなく木陰があり、また十分に涼しい風を受けることが出来た。気分良く昼食を済ませると、最後の登りにかかった。岩場をクサリを頼って登ると、その先にブナ林があり、そこより一登りした所が山頂だった。時間は13時になっていた。先着者が数名いたが、入れ替わるように下山したので、すぐに二人きりの山頂となった。今ではすっかり展望の良くなった山頂からは、北に氷ノ山、西に東山、東に宍粟の山並みと、高峰の姿を楽しんだ。周囲を眺めて少し気になったのは、東の斜面に生えているネマガリダケで、枯れが進んでおり青々としたものは見られなかった。鹿の食害によるものと思われるが、その鹿のものなのか獣臭が辺りに漂っていた。山頂では少時の休憩で下山する予定であったが、先ほどの休憩地と同様に快いばかりの風が吹いていた。その風に誘われるように山頂に立つブナの木陰で暫し昼寝を楽しんだ。おかげで山頂では一時間ほど過ごすことになった。そして14時の声を聞いて下山を開始した。ただ往路を辿るのみ。沢に近づくまでは往路コースを歩いたものの、沢コースと植林コースに分かれたとき、往路とは違って沢コースを歩くことにした。(往路では出来るだけ早く山頂に立とうと、植林コースを歩いていた。)沢は渓谷美を見せており、下山でのんびり歩くには良い所だった。涼を楽しむと、後は足を止めることもなく駐車地点へと戻って行った。
(2016/7記)(2018/9写真改定) |