◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <南但馬編> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
氷ノ山 ひょうのせん | 1509.8m | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
養父市・若桜町(鳥取県) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
氷ノ山三ノ丸 | 1464m | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
宍粟市・養父市・若桜町(鳥取県) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 氷ノ山 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2009年10月】 | 2009-102(TAJI&HM) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
《氷ノ山三ノ丸》 二ノ丸付近より 2009 / 10 | 《氷ノ山》 若桜町の三ノ丸コースより 2009 / 10 |
2009年は紅葉を楽しむ山として氷ノ山を考えた。氷ノ山の登山コースはたくさんあるが、紅葉を楽しめ、またじっくりと静かに登れることを考え合わせると、鳥取側からの仙谷コースが面白いのではと思われた。そして山頂から三ノ丸へ歩いて若桜町の氷ノ山スキー場に下りて行けば、周回コースで楽しめることになる。この計画を紅葉の進み具合を見て10月の二十日前後で予定していたのだが、天気が今一つと思われたため、予定より一週遅らせて10月の最終日に実行とした。 遅らせた甲斐があって、この日の播州の空は雲一つ無い快晴だった。好天が続いたためか少し空の青みが少ないようだったが、風も無く穏やかで絶好のハイキング日和と言えそうだった。快晴は戸倉トンネルを越えて鳥取県に入っても続いており、そのまま氷ノ山スキー場へと向かおうとしたところ、パートナーが道の駅「若桜」に立ち寄りたいと言い出した。どうもそこがお気に入りのようで、暫し寄り道をして新鮮野菜を買うことになった。おかげで舂米集落に入ったときは9時半を過ぎていた。駐車地点は仙谷コース登山口のそばにあった野菜集出荷場の前とした。ちょうどダイコンを洗う作業が行われており、ことわりを入れて止めさせていただいた。コース案内標識に従って集出荷場の裏を進むと、すぐに堰堤があり、それを見ながら右手の道に入った。そこは植林地になっており、すぐに抜けて広々とした所に出た。右手にはスキー場のリフトが見えている。そこに着いてコースは東の仙谷方向に向かうことになった。再び植林地に入って谷筋を進んだ。左手に沢を見ながら登山道を歩いて行く。東に氷ノ山の尾根が大きく立ちはだかるため、陽は射して来なかったが、見上げると北向かいの尾根には陽が当たっていた。そこがまさに紅葉の盛りだった。赤に黄にと鮮やかで、植林の緑と見事なコントラストを作っていた。それを眺めながら谷を進んで行く。谷の奥へと進むほどに周囲は自然林となったが、陽が射して来ないため寒々とした風景だった。そのうちに傾斜が増して、細くなった沢を右に左にと、何度か横切った。枯れた沢の中を歩くこともあった。コースには的確に目印が付いており、それに従うだけだったが、以前は見なかったように思うので、この10年ほどの間に整備されたようだった。登るほどに近くの尾根に陽射しが当たるようになり、そして当たる範囲が広がってきた。周囲に紅葉の木々を見るようになったが、落葉も半ばを過ぎていた。程なく登山道は谷筋から離れてササの斜面を登るようになり、程なく支尾根に出た。そこは少し西への展望があり、氷ノ山スキー場の風景を見ながらひと休みをする。標識が立っており、山頂まで700mと書かれていた。県境尾根へと支尾根を登って行くと、周囲に広がるのは笹とブナ林の風景で、一気に雰囲気が良くなった。仙谷コースの中では心の和む所だった。尾根はなだらかに続いており、木立の風情を楽しみながら県境尾根に近づいた。もうどの木もすっかり葉を落としていた。県境尾根に着くと、漸くハイカーを見るようになった。さすがメインコースで、登る人も下山する人も多かった。特に急ぐこともないので、ペースを落として前を歩く人とつかず離れず登って行った。この氷ノ山越からの登山道を無雪期に登るのは久々のため、コースの様子を眺めながら登った。コシキ岩を巻いて徐々に山頂に近づくが、コースはなだらかな上に木道も付けられていたので、何とも気楽なものだった。ハイキング気分を通り越して観光気分で登って行った。そして山頂に着くと、そこは予想以上に多くのハイカーで賑わっていた。ざっと見ても40人以上は居りそうだった。この日は静かな仙谷コースを登っていたこともあり、ちょっと賑やか過ぎるのは気分的に合わなかったので、山頂で昼食をとるのは控えることにした。北の山並みを眺めるなどで10分ほど立ち休憩をした後、山頂を離れた。三ノ丸への道に入ると、すっと静かになった。三ノ丸までネマガリダケに囲まれた笹道として続くが、道に被さるネマガリダケは伐られたようで、道幅が少し広くなったように感じられた。上空は真っ青な空が広がり、前方には三ノ丸、振り返れば氷ノ山の山頂が見えている。そして周囲はネマガリダケの海だった。仙谷とは全く違う風景だが、この雰囲気も悪くなかった。緩やかに下って二ノ丸付近の湿地帯を過ぎ、緩やかに登って行く。三ノ丸に着くと、氷ノ山山頂とは好対照に人影は無かった。そしてそこは風が強かった。南からの風だったが、少し冷たさがあった。その風を我慢しながら展望台の上で昼食とした。北に氷ノ山を南に播州の高峰を眺めながらで、展望としては氷ノ山より上ではと思えた。それをパートナーと二人っきりで眺めて過ごすのは少し贅沢な気分だった。その昼食の間に、ぽつりぽつりとハイカーが着いた。ここは単なる通過点と考えるのか、通り過ぎる人も見られた。若桜町側へ下る人、波賀町側へ下る人、氷ノ山に向かう人と様々だった。昼食を済ますと後は若桜町の三ノ丸コースで下るだけだった。こちらのコースもネマガリダケの中の切り開き道だったが、暫く進むとブナの自然林が見られるようになった。そして西尾根を離れてスキー場に続く支尾根に入ると、雑木に囲まれるようになった。始めは落葉した木が多かったが、下るうちに葉を残した木が増えてきた。その木々の間からときおり氷ノ山の山頂が覗けた。下り坂が急になって程なく、スキーリフトの山頂駅に着いた。そこは足下にスキー場の風景が広がるだけでなく、若桜町の山並みが一望だった。どの山も色付いて秋ならではの色合いになっていた。その紅葉の山肌を眺めながらスキー場の中を下って行くと、中間点辺りに建つ小屋付近は紅葉の見頃になっており、絵になる風景だった。後は散策気分で下って行った。スキー場を横切る林道に下り着くと、その林道を東へと歩いて車道に出た。そこから駐車地点までは数分の距離だった。 この日の行動を振り返ると、何とものんびりと氷ノ山を楽しんだと言えそうだった。雪の無い季節の氷ノ山をその山容のままにゆったりと歩けたことで、やはり氷ノ山は二百名山に入るだけの味わいのある山だと改めて思わされた。 (2009/12記)(2021/10写真改訂) |
<登山日> | 2009年10月31日 | 9:45登山口スタート/10:48〜53あと700m地点/11:08〜12県境尾根に合流/11:28〜38氷ノ山山頂/12:22〜48三ノ丸/13:23〜29スキーリフト山頂駅/14:14林道に下り着く/14:26エンド。 | |
(天気) | 終日雲一つ無い快晴の空だった。ただ好天が続いていたためか、視界は少しうっすらとしていた。朝の気温は12℃と低めだったが、山頂では18℃まで上がって、十分な暖かさだった。それが三ノ丸に来ると少し冷たさのある風が強く吹いており、肌寒さを感じた。その三ノ丸を過ぎると再び暖かくなった。 | ||
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