TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬編
氷ノ山    ひょうのせん 1509.8m 養父市
若桜町(鳥取県)
氷ノ山三ノ丸 1464m 養父市・宍粟市
若桜町(鳥取県)
 
 
1/2.5万地図 : 氷ノ山
 
【2011年3月】 2010-27(TAJI)
 
    わかさ氷ノ山スキー場頂上駅から三ノ丸へ向かう途中より 2011 / 3

 雪の氷ノ山を登ることを考えたとき、山頂の避難小屋泊まりも悪くない。その小屋泊まりを1999年2月にして以来途絶えていた。原因として、その頃の氷ノ山山頂はスノーモービル族に席巻されており、その喧噪がいやで、避難小屋泊まりどころか日帰り登山とも遠のいて、他の雪山を登るようになっていた。その後、スノーモービル族は来なくなって再び静かな氷ノ山になったことで、ここ数年は雪の氷ノ山をまた訪れるようになっていた。そうなると避難小屋泊まりを再び考えるようになった。せっかく冬季用のシュラフを持っているのだから使わないのはもったいないとの考えもあった。小屋泊まりを考えると、小ぎれいな扇ノ山山頂の避難小屋も魅力があったが、やはり兵庫にあっては雪山の王者と言うべき氷ノ山の方が、登山と泊まることの合わせての魅力では上だと感じて、氷ノ山を目指すことにした。そこで二日連続して晴れの期待出来る日を待った。ただ小屋では一人になりたいと思い、宿泊者がありそうな土日では無く、出来れば金土で晴れる日があることを願った。それは2011年のことだったが、雪の締まる3月に入ってその条件の叶いそうな日を待った。そして18、19日が晴れとなりそうだと分かると、一気に気持ちは氷ノ山に向かった。ただ誤算は直前の水曜、木曜に雪が降ったことで、新雪がどの程度あるのかが心配だった。
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(3月18日) 18日に自宅を離れたのは午前10時前。昼から登り始めることを考えてのことだった。平日のため、パートナーは誘っておらず一人で向かった。考えていたコースは、若桜氷ノ山スキー場のリフトを利用して登る、三ノ丸経由のコースだった。避難小屋泊が主目的なので、登山としては一番簡単と思えるコースで登ることにしたものである。スキー場は雪が多いこともあって3月いっぱいは営業しているようだった。国道29号線は一宮町を過ぎる頃にはスムーズに走れるようになっていたが、波賀町の奥に進むにつれ、路傍に雪が増えてきた。どの家の屋根にも20センチほど積もっていた。この季節にしては意外とよく降ったようだった。その思いは鳥取県に入ると更に強くなって、舂米の集落はすっかり真冬の姿だった。さて問題は駐車地点だったが、なるべく有料の所は利用したくなく、少し離れた位置の無料の場所でと考えていたのだが、スキー場のエリアに入ると、無料の辺りは除雪されていなかった。仕方なくリフトのそばの第一駐車場に止めることにした。ところがそこには係員はおらず、自由に止められるようになっていた。平日とあって止まっている車の数は少なく、閑散としていた。その駐車場の奥の一角に車を止めた。時間は12時半を過ぎており、すっかり昼の光だった。支度が出来たところで近くの雪のかたまりに足を入れると、ずぼっと50センチ以上も潜った。この数日で予想以上に雪は降ったようだった。これはトレースの付いていることを願うばかりだった。わかさ氷ノ山スキー場の頂上駅までは2回リフトを乗ることになり、料金は500円。そのリフトに乗る前に管理棟で登山届けを出す。閑散としたゲレンデを眺めながらリフトに乗って、頂上駅に着いたのは13時を回った時間だった。辺りはたっぷりと新雪が積もっていた。そしてそこにはこの日歩かれたトレースがはっきりと付いていた。これは大助かりである。すぐにスノーシューを履いて準備を整える。尾根へと歩き出す前にリフト頂上駅を見下ろす位置に立ったが、スノーシューを履いていたにもかかわらず、そこまで歩くのに一歩一歩が30センチ以上潜った。トレースが無ければかなり厳しいと言えそうだった。そこからは北に展望があって、扇ノ山の方向がくっきりと眺められたので、視界は悪くないようだった。見上げる南の尾根は木々が白くなっており、まだ霧氷を付けているように思われた。コースは始めは植林地の急斜面を登って行くが、トレースを追うので、ゆっくりと登りさえすれば問題は無かった。昼となって気温が上がったためか、木々から絶えず雪が落ちてきたが、特に気になるほどでもなく登って行く。植林地が終わりかけると、左手に氷ノ山山頂がすっきりと眺めらえた。このまま順調なら3時間とかからず登って行けそうだと考えていたとき、突然のようにトレースが消えた。始め一人が歩いたトレースだと思っていたのだが、途中で左手から別のトレースが現れて二人分となったので少しいぶかしかったのだが、どうやら雪の深さに登山を諦めて、樹林帯の中を戻ってしまったようだった。これは晴天の霹靂だった。まだ登山コースの序盤と言える位置なので、この先はまだまだ長かった。目の前に見える雪面には足跡一つ無く、こんもりと雪が積もっているだけだった。とにかく歩くしかないと歩き出すと、トレースを付けた人の苦労を引き継ぐことになり、一歩一歩が30センチばかり潜った。何とこれで4週連続のラッセル登山である。助かったのはすぐに急坂部が終わって尾根が緩くなったことで、足の負担は少しは軽くなった。とにかく一歩一歩をゆっくり登る。植林地を抜けたことで展望が良くなっており、左手に三ノ丸から氷ノ山に続く尾根がすっきりと眺められた。登るうちに周囲の木々は自然林が多くなっており、霧氷を付けた木々が見られるようになった。もう14時を回っているのでだいぶ落ちてしまっていたが、、朝ならずいぶんきれいだったのではと思われた。スキー場からの尾根が西からの尾根と合流すると、その辺りはブナ帯になっており、霧氷が多く残っていた。それを見ながら東へと進んだ。もう尾根はごく緩やかなもので、平坦と言ってもよい所もあったが、歩き難さはあまり変わらなかった。その辺りは笹原なのだが、今はすっかり雪の下になっており、広々とした雪原風景になっていた。風が通り抜け易いためか新雪の飛ばされている所もあり、そこはスノーシューは潜らず歩けた。これは良いと思っていると、すぐに深々と潜ることになった。やはり遅々とした歩みだった。その間に晴れていた空は薄晴れ状になって、風景は白っぽい色合いとなってきた。ただ視界は悪くなっておらず、周囲の山並みもまずまず見えていた。それと風がほとんど無いのは良かった。これで風があれば一段と厳しいものになっていたはずで、山頂まではとうに諦めていたかも知れない。三ノ丸休憩所が見えると一安心だった。もう三ノ丸は近かった。ここまででけっこう足は疲れており、この日は無理して山頂避難小屋まで歩かずとも、三ノ丸の避難小屋でも良いのではとの考えが頭を横切った。そこで赤い屋根の避難小屋に近づいたところ、愕然とした。扉を閉めていなかったためか、小屋の中に雪が吹き込んでうず高く積もっていた。これでは泊まるのは無理だった。引き返すか無理をして山頂を目指すかだったが、時計は15時を回ったところだった。これなら少々の遅い歩みでも何とか明るさのあるうちに山頂に着けそうに思えると、山頂へと心は向かった。歩き出す前に三ノ丸展望所で一息入れる。上空はすっかり薄曇りだったが、北の空にはまだ青空が残っていた。氷ノ山は整然と立っていたが、見ている間にガスが現れて山頂を隠すようになった。ガスが現れると方向が分かり難くなるので、しっかりと山頂方向のイメージを頭に描いてから三ノ丸を離れた。三ノ丸までもそうだったが、三ノ丸を離れてもただ自分の歩きたい所を歩くだけだった。雪は深く潜る所もあればさほど潜らない所もあり、潜らない所でもひたすらゆっくりと歩いた。三ノ丸を離れたときはガスを心配したが、それは一時的だったようで、前方にすっきりと山頂を見るのは安心出来ることだった。ただこのペースでは山頂の避難小屋まどうみても2時間はかかりそうだった。きつくなったのは二ノ丸辺りの小さなピークが連続しだす辺りで、吹き溜まりになっているのかスノーシューは深々と潜った。一歩を進むのもきつかったが、休み休み登って行く。その辺りまで来た頃にまたガスが現れたが、これも一時的だった。改めて山頂が現れるも、まだまだ遠くに感じられた。二ノ丸を越すことでけっこう足は疲れたようで、その先は本当に歩度が上がらなかった。何十歩か歩いては暫し息を整えた。そのようにして山頂手前の坂に着き、それこそ止まるような歩き方で最後の坂を登った。山頂に着いたのは17時半。辺りは十分に薄暗くなっていた。もうほっとする気持ちは通り越して、よくぞここまで来たと、ただ自分に感心するだけだった。その山頂に着いて一気に強い風を受けるようになった。台風と思える風だったが、その風もあってか視界はいくぶん澄んできたようで、西の空を見ると大山も望めるようになっていた。そこで冷たい風を我慢しながら展望を楽しむことにした。曇り空の夕暮れのため夕焼けの赤みは少なかったが、もの寂しさの漂う山頂で暫しのときを過ごした。その山頂にはトレースが無かったので、山頂の避難小屋は誰もいないようだった。最後の心配は小屋の中に入れるかだったが、風が強く雪もサラサラとあって、山頂は地肌が現れていた。小屋の前の雪も少なく、すんなりと中に入れた。やはり無人だった。二階に上がると薄暗いものの、小ぎれいに片づいていることが分かった。西の窓際に備え付けのタタミを3枚敷くと、シュラフを取り出して先に寝る準備を済ます。2階の窓は開閉がきいたので、後は二階から大山を眺めたり鉢伏山を眺めたりと、ここでも展望を楽しんだ。そして簡単な夕食を済ませると、シュラフに潜り込んだ。
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(3月19日) 深夜にときおり目覚めたものの、はっきりと目覚めたのは6時に近い時間だった。まずはゆっくりと眠れたようで、頭はすっきりとしていた。室温は−2℃と、思ったほど冷えていなかった。そのためか冬季用のシュラフは十分過ぎる暖かさで、寝心地は悪くなかった。ただ天気は期待ほどでは無かった。快晴を予想していたのだが、外を見ると案外と雲が多く、御来光は望めそうになかった。そこで今少しシャラフの中で過ごしてから起き上がった。シュラフを畳んだときは6時半になっていた。朝になっても強風は続いており、二階の窓から見ていると、ときおり雪煙が上がっていた。下山は北へと尾根を歩いて、氷ノ越から舂米へ下りる予定だった。小屋の外に出た後は、暫し山頂からの風景を楽しんだが、強風で絶えず体を揺らされた。雪面にははっきりとシュカブラが出来ており、それが朝日に光っていた。上空は黒い雲が広がっているものの青空も見えており、どうやら次第に晴れてくるのではと思われた。朝日を受けた山並みを眺めた後は、いよいよ下山開始とした。夏道はほとんど雪に隠れているため、コシキ岩を目指して急斜面を最短距離で下った。以前の登山コースである。少し下ると風は弱まったが、新雪が増えてきてスノーシューが潜るようになった。このコースはコシキ岩を越せさえすれば問題は無いが、そのコシキ岩が大問題だった。コシキ岩を越えるのは当然無理だが、巻き道も雪で急斜面になっている上に、新雪の下の古い雪が氷になっていた。少し歩いたとき、その氷の部分で滑ってしまった。あわてて斜面にしがみついたが、どうみてもアイゼンが必要と思える状態だった。しかし持っていない。キックステップで歩いてもよかったが、無理をしたくなく、あっさりと引き返すことにした。前日に付けた自分のトレースを追って、三ノ丸コースで下山することに切り替えた。まずは山頂に戻るのだが、ここで急坂を登るとは思っていなかったので、ちょっと厳しいと思いながら登った。山頂に戻ってきたのは7時40分。もう空は青空の方が多くなっており、確実に快晴に向かっていた。ただ相変わらず強風は続いていた。ときおりガス雲が流れてくる中を、三ノ丸方向へと歩き出す。ただ自分のトレースを追うだけだと考えていたのだが、強い風に雪は飛ばされたようで、深々と付けていたトレースなのに、もう雪に埋まって見えなくなっている所もあった。そのため前日ほどではなかったものの、少しラッセル気味で歩くことになった。強風で木々に付いていた雪はほとんど消えていたが、代わりにシュカブラがはっきりと出来ていた。強い風が雪を舞いあげて吹雪のようになったときは、暫しじっとして落ち着くのを待った。二ノ丸を過ぎて三ノ丸が近くなっても強風が続くので、今日も風が強いと思っていると、三ノ丸が間近になって風は急速に弱まってきた。これは地形の関係と言うよりも、快晴となってきて風自体が弱まってきたようだった。80分ほどで三ノ丸に着いたので、前日よりはだいぶ速く歩けたようだった。展望台に上がると、はや登山者がこちらに向かって来るのが見えた。その西の方向だが、ブナ帯は黒々としていた。木に付いていた雪は風ですっかり飛ばされたようだった。南の展望をここから楽しもうとしたのだが、そちらは前日よりもややうっすらとした視界になっていた。三ノ丸を離れて西へと歩き出す。三ノ丸休憩所辺りからぽつぽつと登山者とすれ違うようになった。ブナ帯ではグループともすれ違った。それだけの人が歩いたため、その先はすっかりトレースの付いた中を下山出来ることになった。上空は快晴になっており、風もすっかり穏やかで冷たさは無かった。その穏やかさの中を歩いていると、少し前までの強風がうそのようだった。リフト頂上駅までは急坂のためどんどん下った。そしてリフト頂上駅に着くが、リフトは上り専用のため、レストハウスまで自力で下るしかない。そこで右手の林の中を下って行くことにした。木に付いていた雪が解け始めており、雨だれとなって降ってくる。そのため雨具を着て歩くことになった。おおむね植林の中を下ったが、一度スキーコースを横切ることがあった。そこはコースを傷めないように心がけて渡った。スキー客は前日よりは多いようだったが、それでも3月半ばとあって閑散と言える風景だった。快晴となって気温は上がっており、寒さは全く感じなかった。その下山中も氷ノ山の頂上は見上げるようにして眺められたが、そこにごく小さく見える避難小屋に泊まって一夜を過ごしたのかと思うと、はや感慨深かった。足下を見ると、スキー場のレストハウスが見えていた。次はラッセルの苦労をせずに登りたいものだと思いながら、レストハウスへと近づいて行った。
(2011/7記)(2020/7改訂) 
<登山日> 2011年3月18日 13:00リフト麓駅/13:16リフト頂上駅/尾根歩きを開始する/13:45トレースが消える/15:07三ノ丸休憩所/15:18三ノ丸避難小屋/15:23三ノ丸展望台/16:10二ノ丸/17:20〜28山頂休憩小屋/17:32山頂避難小屋/避難小屋泊。
(天気) 昼の舂米は少し薄雲が見られるものの、穏やかな晴れだった。雪はまだまだ多く、新雪だけで50センチ以上はあるものと思えた。三ノ丸が近づくと薄雲が広がり出して、薄晴れに変わってきた。ただ北の空には青さが残っていた。尾根歩きを始めたときは5℃ほど。視界はまずまず良かった。山頂に近づくほどに雲は増えて、薄曇りから曇りとなった。夕暮れの薄暗い中、氷ノ山山頂に着く。山頂は風が強く吹いており、気温は2℃まで下がっていた。
<登山日> 2011年3月19日 7:15スタート/避難小屋を離れて氷ノ越に向かう/7:25コシキ岩で撤退する/7:40山頂に戻ってくる/7:50再スタート/三ノ丸に向かう/9:08〜16三ノ丸/10:08リフト頂上駅/樹林帯を下る/10:28〜35リフト中間駅/再び樹林帯を下る/11:10リフト麓駅エンド。
(天気) 強風の中、朝を迎える。雲が広がっていたが、青空も一部に見えていた。雲は徐々に少なくなって、7時を回ると青空の部分が広がり出した。ただ風は変わらず強く、体を揺らされることもあった。視界は北の方向は良かったが、南の方向は前日よりもうっすらとしていた。気温は早朝で−2℃ほど。日が昇るにつれて徐々に上がってきた。晴れ間が広がり出すも、一時はガス雲が飛んできて視界を塞ぐことがあった。9時を回ると快晴の空となり、すんだ青空が広がった。気温も8℃まで上がってきた。
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わかさ氷ノ山スキー場に着いてゲレンデを眺める シーズン終了間際の平日とあって閑散としていた 氷ノ山は真っ白な姿だった
リフトは一度乗り継ぐが、その中間点を見る 中間点からチャレンジコースを見上げる リフト頂上駅に着いて、そこから歩き始める

 リフト頂上駅のそば
 から北の尾根を眺め
 る


   南の尾根を見上げる
   
尾根にはトレースがあって、大助かりだった 急坂の植林地を登って行く  前日の雪でどの木々も雪化粧をしていた
    
木々の切れ目から氷ノ山の山頂が覗いていた 後ろを振り返ると扇ノ山が悠然と見えていた 突然トレースは終わった 真っ白な雪面が広がる

 周囲は自然林となっ
 た新雪の上を深々と
 潜りながら歩いた


   南西方向の東山を見
   ると、そちらは雲が
   多かった

 左手となる東の方向
 が広く眺められるよ
 うになった
ブナ帯が近づく 昼を回っていたが霧氷を付けた木も見られた 西へと続く尾根を見る
霧氷の美しさを眺めながらブナ帯を歩いた ブナ帯を抜けると雪原が広がり出した
雪原へ近づいて行く 雪面にはシュカブラが出来ていた 振り返ると深々と潜っている自分のトレースが続く

 雪原を歩き始め
 るも、三ノ丸は
 まだ遠かった

   ただ好きな所を
   一歩一歩と歩く
   のみ
雪面に覗く枝にはエビのしっぽが出来ていた 漸く休憩小屋が近づいてきた 休憩小屋は屋根まで雪が吹き溜まっていた
次は三ノ丸避難小屋に向かう 避難小屋は中まで雪で、泊まるのは無理だった 避難小屋を離れて三ノ丸ピークへ向かう

 三ノ丸の展望台を
 見る昨年に来たと
 きは地表が現れて
 いたのだが

   三ノ丸の山名標柱
   はほとんど雪に埋
   もれていた
展望台に立つと程なく氷ノ山はガスに隠された 三ノ丸を後にして氷ノ山山頂を目指す 歩くうちに山頂にかかるガスが消えてきた

 次第に上空は薄曇
 りに変わってきた


   振り返って見る三
   ノ丸の方向はすっ
   かり曇り空だった
二ノ丸が近づく たっぷりとある雪にスノーシューでも膝まで潜
った
ときにガスが流れてきて視界を閉ざした

 ガスが流れ去ると、
 またくっきりとした
 視界になった


   南西を見ると東山も
   くっきりと望めた
二ノ丸を過ぎると漸く山頂が近くなったと思えた 最後の坂が目前になった 雪面を見上げて登るのみ
 小屋が見えたときは
 漸く終わりが近づい
 たの思いだった

   山頂の避難小屋の
   前に立つ ここま
   で歩き始めてから
   4時間と15分だ
   った
山頂は強風の世界だった ただ夕方となって空気は落ち着いてきたのか、視界は良く澄んでいた
上の写真の扇ノ山を大きく見る 青ヶ丸と仏ノ尾の並ぶ姿を大きく見る 扇ノ山手前にある赤倉山の南面を大きく見る
三川山は鉢伏山の奥に見えていた 蘇武岳を大きく見る 妙見山を大きく見る
南から西にかけてを眺める 大山もはっきり眺められた
大山の方向を大きく見る 手前には三国山を中心に1200m前後の尾根が広がる 大山を中心に更に大きく見る
東から南にかけてを眺める こちらは少しうっすらとした視界だった
上の写真の須留ヶ峰の尾根を大きく見る 上の写真の一山を中心に大きく見る
植松山の東に広がる山並みを見る 山頂の三角点を見る
小屋では二階の西窓のそばに寝場所を確保する 二階からも好展望が広がる 北東方向の蘇武岳から妙見山へと続く尾根を眺める

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 起きて外を見ると雲
 が多かった上に視界
 もうっすらしていた


  少しずつ朝日の周り
  が明るくなってきた
 
三ノ丸の方向を見ると、そちらも雲は多かった 外に出ると雪面はうっすら凍っている所もあった 暗い空を背景に目の前の雪面に朝日が当たる

 南西を見ると東山
 と鳴滝山に朝日が
 当たっていた

  北の空も扇ノ山、青
  ヶ丸、仏ノ尾が朝日
  を受けていた
赤倉山の手前を見ると氷ノ越の避難小屋が見える 鉢伏山の西に続く高丸山は真っ白な姿だった 上の写真の青ヶ丸を大きく見る
強風に雪煙が舞う 千本杉の方向を望む 少し離れて山頂を見る
シュカブラの出来た雪面を見る 三ノ丸の方向を望む 左の写真の赤谷山を大きく見る
山頂を後にする 夏道は歩かず、北面の急斜面
下って行く
まずはコシキ岩を目指す コシキ岩さえ越せば
後は問題ないのだが
コシキ岩はすっかり雪に包まれていた 新雪の
下は古い雪が氷になっており危険な状態だった
氷ノ越コースは諦めて山頂に戻った 改めて三
ノ丸を目指す ガスのかかる中、山頂を離れた
前方の三ノ丸を目指して、前日に付けた自分の
トレースを辿って行く
上空を速い速度でガス雲が流れるので、陽射し
は現れたり消えたりを繰り返した
風に飛ばされた雪でトレースは隠され気味だった 雪庇に陽射しが当たっていた 山頂を振り返ると、ガス雲が湧いていた
 
二ノ丸を過ぎると緩やかな尾根が三ノ丸まで続く 前日に付けた自分のトレースが模様になっている この模様も前日の足跡だった 風のいたずらだった

 強い風に上空の雲は
 どんどん消えて行く


    この雪面もちょっと
    変わった模様になっ
    ていた
三ノ丸のピークが目前になる 展望台に上がって氷ノ山を見る すっかり快晴になっていた

 展望台の上から南の
 方向を見る そちら
 の視界は前日よりも
 うっすらとしていた
上の写真の三室山を大きく見る ブナ帯の方向から何人もの登山者が登ってくる ブナ帯の雪はすっかり落ちていた
ブナ帯から西へと続く尾根を見る 雪のないブナの姿も悪くなかった

 ブナ帯を過ぎて右手
 に氷ノ山を見る

    氷ノ山の左下に見え
    るコシキ岩を大きく
    見る そこを越せず
    にこちらに回ってき
    たことになる
トレースの付いた急坂をどんどん下る リフト頂上駅に着いたが、リフトは登り専用だ
った
右手の植林帯に入って、急坂下りを続けた
リフトの中間駅を見る スキー客は少なかった 下る途中でも氷ノ山は眺められた 出来るだけゲレンデに出ないように林の中を下った

 下るほどに陣鉢山
 が立派な姿で眺め
 られた


   足下にレストハウ
   スが見えてきた