2016年5月に氷ノ山を坂ノ谷コースで登ったのは、新緑を十分に味わいたいためだった。樹林帯は期待通りに新緑色で染められており、それを見ながらの楽しい登山となった。そうなると紅葉期も楽しみたくなった。その期待を持って向かったのは2016年10月の最終日曜日のことだった。
朝の空は少し雲が多いものの快晴と呼んでも良さそうで、天気は申し分なかった。10月半ばまで暖かい日が続いたためか、国道29号線から見える周囲の山肌はまだまだ青々としていた。そのため氷ノ山の紅葉も進んでいないのではと危惧されたが、植林帯を抜けて自然林が広がり出すと、まだ緑のままの木も見られたものの、落葉の進んでいる木もあり、全体としては見頃ではと思えた。そして一番期待していたブナもすっかり黄葉しており、これも見頃になっていた。ブナの大木がすっかり黄色に染まっている姿は圧巻と言えた。その紅葉の様子は下の写真帳でご覧いただきたい。樹林帯を抜けると気持ちを登山モードに切り替えて山頂を目指した。この日の空気はひんやりと快く、登山としても最高の日だった。視界も良く、澄んだ空の下に山並みがくっきりと見えていた。その好天に誘われた人は多いようで、山頂に着いたのは10時半と早かったのだが、もう大勢の人で賑わっていた。その山頂で30分ばかりの休憩をとると、往路を引き返して再び坂ノ谷コースに入った。午前はときおり雲が陽を遮っていたが、昼となって上空に雲はほとんど見られなくなり、樹林帯はすっかり明るくなっていた。おかげで朝に歩いたときよりも、いっそう鮮やかな紅葉を楽しむことが出来た。
(2016/11記)(2020/7改訂) |