2016年の5月12日は朝から澄んだ空が広がっていた。その空を見て漠然と氷ノ山へ行きたいと思ったのだが、平日とあってただ空を眺めるだけだった。それが翌日も快晴と分かると、一気に気持ちは氷ノ山に傾いてしまった。その氷ノ山も坂ノ谷コースを登りたいと思った。淡い緑に彩られた尾根をのんびりと歩きたかった。
坂ノ谷コースの登山口へは国道29号線から氷ノ山林道で向かうことになる。以前はけっこう悪路で、四駆車以外は車の底を何度か擦ることになったのだが、少しジャリを入れて補修されたようで、けっこうスムーズに走ることが出来た。但し、低速で走ってとの条件付きだったが。坂ノ谷林道が分岐すると、林道には入らずに分岐点の近くに駐車とした。空は快晴。前日と同様にほぼ雲は見られなかった。登山口までは5分の距離だった。そこから山頂までは三ノ丸経由で歩く訳だが、ごく一般的なコースでもあるのでその様子はここでは記さないので、下の写真帳をご覧いただきたい。この日は平日だったがぽつりぽつりと人を見た。登山者ではなく、スズコ採りに来ている人だった。今がシーズンのようだった。こちらはひたすら新緑の尾根を楽しんだ。まさに新緑としては見頃で、大木のブナが枝いっぱいに若葉を広げている様は美しいの一言だった。坂ノ谷コースはひたすら緩やかとあって、森の中を逍遙する気分で歩いた。その美しい森も殿下コースの合流点が近づくと、ネマガリダケが主体となって笹に囲まれた中をひたすら歩く感じとなった。三ノ丸で展望を楽しみ、そして二ノ丸を通って山頂へ。やはり快晴に誘われた人は多いようで、山頂は大勢の登山者で賑わっていた。この日は快晴で終始すると思っていたのだが、下山を始めて三ノ丸に近づく頃より少し雲が見られるようになった。上空に少し広がるくらいかと思っていると、三ノ丸を後にした頃よりどんどん雲は増えて、樹林帯に入る頃にはすっかり曇り空になっていた。そのため自然林は沈んだ色になってしまったが、その陽射しの無い中での新緑も美しかった。午後はそのまま曇り空だと思っていたのだが、それは一時的だったようで、登山口に戻ってきたときは、また青空が広がる空に戻っていた。
(2016/6記)(2020/7改訂) |