TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬
 
氷ノ山    ひょうのせん 1509.8m 養父市
若桜町(鳥取県)
氷ノ山三ノ丸 1464m 養父市・宍粟市
若桜町(鳥取県)
 
 
1/2.5万地図 : 氷ノ山
 
【2017年3月】 2017-29(TAJI&HM)
 
    《氷ノ山》  二ノ丸と三ノ丸の中間地点より  2017 / 3

 3月は残雪の山を登りたくなる季節だが、2017年は第一週に駒の尾山に向かった。その真っ白な山頂に立って同じく真っ白な氷ノ山を眺めたとき、次は氷ノ山に登ってみたいと思ったものだった。その駒の尾山でハプニングが起きた。それはスノーシューのゴムバンドが登山中に8本総てが切れてしまったことだった。そのため下山の途中からはツボ足で下ることになってしまい、けっこう難儀してしまった。帰宅すると早速修理することにしたのだが、使い古したスノーシューだったので高価なゴムベルトを買う気になれず、手作りで直すことにした。ホームセンターに向かうと荷役用のゴムベルトを購入し、それを適当な長さに切った。そのゴムベルトに皮加工用のポンチで穴を開けて何とか形を整えた。費用は500円ぐらいだろうか。何とか使える状態となったので、次の週末は予定通り氷ノ山に向かえることになった。3月第二週の土曜日で、選んだコースは雪山の氷ノ山としては一番易しいと思える舂米からのコースだった。
 瀬戸内の空は晴れていたのだが、北に向かうにつれて雲が増えてきた。新戸倉トンネルを抜けて鳥取県へと入り、若桜町舂米のわかさ氷ノ山スキー場に到着したときは10時を過ぎていた。その舂米の空も雲が広がっていたが、青空も見られた。天気予報では午後に晴れとなっていたので、それに期待することにした。スキー場はまだシーズン中とあってリフトは稼働しており、まずまずの賑わいだった。その様子を見てから駐車場所を求めた。スキー場のそばの駐車場は有料だったので、スキー場からは少し離れていたが無料の駐車場に駐車とした。スキー場に入り樹氷スノーピアで登山届けを出すと、リフト券を求めた。三ノ丸コースへのリフトは2回乗ることになり、一人500円だった。リフトに乗って左手前方の三ノ丸の尾根を見ると、真っ白だった。どうやら新雪があったようで、残雪期と言うよりも真冬の姿だった。頂上駅で降りるとスノーシューを履いた。トレースがあるかと少し心配していたのだが、雪山のシーズンとあってはっきりとしたトレースを見た。しかも良く踏まれていたのでスノーシューはほとんど潜らず、けっこう気楽に登って行けた。始めは植林地が主体の尾根で展望は無かったのだが、一度樹林が切れたとき、左手に真っ白な尾根が眺められた。赤倉山ははっきり見えていたが、氷ノ山の山頂はガスに隠されていた。樹林が自然林に変わってくると、どの木もすっかり霧氷の姿になっていた。青空の下で眺めたかったが、曇り空だからこそ残っていると言えそうだった。その美しさを愛でながら登った。尾根が緩んで主尾根に合流すると、ブナ林の中を歩くようになった。一段と美しい霧氷風景に足取りは軽かった。その樹林帯が終わると、なだらかな雪面が広がる風景となった。風を強く受けるようになり、その風に吹き飛ばされた雪でトレースは分かり難くなってきたが、前方に三ノ丸の展望台が見えていたので、方向を誤ることは無かった。歩くのは易しかったが、風の冷たさにまだまだ山上は冬であることを思い知らされた。三ノ丸の雪は多いようで、避難小屋はほとんど埋まっており、展望台のそばの山名標識は先端を覗かせているだけだった。三ノ丸で小休止することはせず、氷ノ山山頂を目指した。だだっ広い雪面の先にうっすらと山頂が見えていた。そしてトレースが続いていた。トレースを辿る限りは多くとも十センチ程度潜るだけだったが、トレースを外すと数十センチ潜ったので、出来るだけ忠実にトレースを辿った。ときおり風の止まることがあり、そうなるとけっこう気楽なスノーハイキングの感じになった。二ノ丸に着くと、そこの樹林もすっかり霧氷の姿になっていた。但し期待した天気の回復は見られず、上空は相変わらずガス雲が広がっていた。最後の坂も無理なく登れて、あまり疲れた感じもなく山頂到着となった。山頂はうっすらガスのかかる状態は変わっていないようで、周囲の山並みはほとんど見えなかった。一段と冷たい風があり、気温を見ると−3℃だった。そこで小屋の中で休むことにした。避難小屋の前には数人の登山者を見るだけだったが、中には10人以上が休んでいて、けっこう賑わっていた。小屋の中の気温は3℃程度だったので、あまり暖かいとは言えなかった。賑わいの中で昼食を済ませると、小屋の外に出た。そして冷たい風を我慢しながら、ときおり現れる風景を眺めた。山頂で休んでいたのは30分ほど。下山は氷ノ山越を目指して北の尾根に向かった。雪面に出来ていたトレースは夏道コース上では無く、以前の急斜面コース上だった。その急斜面に注意しながらコシキ岩に向かって下った。6年前の雪山登山ではコシキ岩の辺りの雪が凍っていたため通過を断念したのだが、この日は凍っている所は無く、はっきりとしたトレースを辿るだけだったので、無理なく通過出来た。コシキ岩を越すと後は易しい尾根歩きだった。ブナ林を歩くようになると、再び霧氷風景を楽しめることになった。ガス雲のおかげで午後に入っても霧氷は全く落ちずに残っていた。緩やかな尾根歩きとなって氷ノ山越へと近づいていると、少し青空が見られるようになった。そしてときおり陽射しが現れた。そうなると霧氷の美しさが増してきて、何度も足を止めることになった。そのまま晴れに向かうのかと思っていたのだが、氷ノ山越に着いた頃よりまたガス雲の広がる空に戻ってしまった。氷ノ山越からは尾根を離れて西斜面に入った。始めは急斜面が続くためスノーシューを脱いで下ったが、ときおりはシリセードで下った。そして緩斜面になると再びスノーシューを履いた。トレースのままにどんどん下ると、最後は氷山命水のそばに下りてきた。後は除雪された車道を歩いて行くだけだった。しかも下り坂だったので、疲れた足には有り難かった。スキー場に着くと樹氷スノーピアで下山を終えたことを連絡し、駐車場へと戻って行った。
(2017/4記)(2020/4改訂)
<登山日> 2017年3月11日 10:18スキー場の無料駐車場よりスタート/10:44リフト終点/11:46三ノ丸/12:40〜13:14山頂/14:19氷ノ山越避難小屋/15:18氷山命水/15:51駐車場エンド。
(天気) ガス雲の広がる空で、青空は少なかった。樹林帯の気温は−1℃。三ノ丸が近づくと、冷たさのある風を強く受けた。ときおり青空が現れたが、すぐにガス雲に隠された。山頂が近づくとガス帯に入ったのか、ときおりしか周囲が見えなかった。山頂の気温はー3℃。風がいっそうの冷たさだった。積雪はたっぷりあり。下山の途中より再び青空が現れるも一時的だったようで、すぐにガス雲の空に戻った。下山を終える頃はすっかり曇り空だった。
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スキー場から少し離れた無料の駐車場に車を止めた 車道を歩いてスキー場に向かった わかさ氷ノ山スキー場の建物が見えて来た

 スキー場で登山届
 けを出すとリフト
 に向かった


   まずはパノラマリ
   フトに乗った 雲
   の多い空だった
パノラマリフトの距離は1kmだった パノラマリフトを下りてチャレンジリフトへ 僅かな時間だったが、青空が広がった
チャレンジリフトに乗って頂上駅へ 霧氷の木が見られるようになった 頂上駅に着いた
頂上駅のそばから北を見ると、白い山並みが広がっていた 左の写真に写る陣鉢山と扇ノ山を少し大きく見る
スノーシューを履いて尾根歩きを開始した 尾根にはトレースが付いており、トレースを追って
歩いた
トレースは良く踏まれており、歩き易かった

 やや急坂だったが
 無理なく登って行
 けた

 左手に展望が現れ
 ると、氷ノ山の方
 向が眺められた

 氷ノ山の山頂には
 うっすらガス雲が
 かかっていた

 雪はたっぷりあっ
 たが、良く踏まれ
 たトレースのおか
 げで、けっこう気
 楽な登りだった
歩くうちに陽射しが現れた 周囲の霧氷が美しかった 主尾根に出ると一帯の自然林が総て霧氷になっていた
11時を回っていたが、雲の多い空とあって霧氷風景が楽しめた また陽射しが現れて、霧氷の姿が鮮やかさを持って眺められた

 青空の現れるとき
 もあったが、青空
 は広がらなかった
 

 樹林帯を抜け出し
 た

 大段へと続く尾根
 の方向を見る


  三ノ丸の方向には
  はっきりとしたト
  レースが続く

 強い風を受けるよ
 うになってトレー
 スは吹き飛ばされ
 た 粉雪で消え気
 味になっていた

  なだらかな雪原歩
  きが続く
この辺りはトレースがほぼ消えていた 前方に三ノ丸の展望小屋が見えてきた 展望小屋を近くで見る
三ノ丸の避難小屋はほぼ埋まっていた 三ノ丸のピークに近づいた 山名標識は先を覗かすだけだった
三ノ丸を離れて氷ノ山山頂へ うっすらと見えていた 近くの木は半分樹氷になっていた 山頂が少しはっきり見えて来た
二ノ丸に近づいた 二ノ丸の木々もすっかり霧氷になっていた 針葉樹は樹氷の姿だった

 ここでも霧氷風景
 を楽しみながら歩
 いた

 はっきりとしたトレ
 ースが続く
小さなピークを越して行く 杉林を抜けて行く 雪庇のそばを慎重に歩いた
山頂へと近づいて行く 周囲はガスが漂っていた ガスが薄れると。少し遠くまで眺められた 最後の登りにかかった
山頂の二つの小屋が見えてきた 下の展望小屋を眺める 山頂避難小屋に近づいた
避難小屋の前に立った 一等三角点(点名・氷ノ山)を見る 小屋は至る所に「エビの尻尾」が出来ていた

 ガスの漂う視界と
 あって展望は良く
 てもここまでだっ
 た

   概ね避難小屋の中
   で休んでいた
   下山は氷ノ山越に
   向かった

 トレースは夏道コ
 ースではなく、古
 い急斜面のコース
 に付いていた

 難所のコシキ岩へ
 と近づいた

 この日はトレース
 のおかげで、コシ
 キ岩のそばを無難
 に通過出来た

    前方に尾根の先が
    見えてきた
パートナーもコシキ岩のそばを通過し終えた 少し離れてコシキ岩を見る 後は氷ノ山越まで緩やかな尾根道だった
ガスの漂うときがった 忠実にトレースを辿った 足下に氷ノ山国際スキー場が見えていた
尾根の先を見る ブナ林を歩くようになった 霧氷の木立を越して陣鉢山を見る
僅かな時間だったが青空の現れたときがあった 霧氷の枝を近くで見る 前方に赤倉山を見る
南西には東山の尾根が見えていた 東山を大きく見る ブナ林の下りが続く
ブナはどの木も霧氷を纏っていた 赤倉山が間近に見えて来た

 鉢伏山がすっきりと
 眺められた


   突然陽射しが現れた
青空を背景に霧氷の木を見る 陽射しを受けて霧氷がぱらぱらと落ちてきた 氷ノ山越が近づいてきた
氷ノ山越の避難小屋に着いた 避難小屋の位置からは舂米集落の方向に向かった 始めは急斜面の下りだった
前方が開けたとき、そこに陣鉢山を見た スノーシューを脱いで下った 針葉樹林の中を下る
緩斜面となって再びスノーシューを履いた 振り返って仰ぎ見えたのは赤倉山だった 木々の間を抜けて行く
周囲は自然林に変わった 樹林を抜け出すと、前方に展望が広がった
「響きの森」と「氷太くん」の二つの施設が見えていた 振り返ると赤倉山に陽射しが当たっていた 雪原の真っただ中を下って行く
また樹林に入った 車道に下り着いた そこは氷山命水のそばだった
スキー場目指して車道を歩いて行く 「氷太くん」のそばを通った 前方にスキー場が見えて来た
スキー場に近づいたとき、北の山並みを見る スキー場に着くと、下山の報告をした 駐車場に戻って来た