2017年3月は雪山として氷ノ山を楽しんだが、2ヶ月後の5月は新緑の氷ノ山を楽しむことにした。前年に続いて2年連続で、コースも同じく坂ノ谷コースとした。国道29号線を離れて氷ノ山林道に入ると、新しい標識を見た。「坂ノ谷コース4km」「殿下コース8km」とあり、その後標識は1kmおきに立っていた。氷ノ山林道は路面が良くなったために通る車が増えたのか、前年と比較して轍の深くなっている所が多くなっていた。それでも車の底を擦るようなことは無かった。坂ノ谷林道の分岐点に着くと、数台の駐車スペースが作られており、既に2台の車が止まっていた。そこから坂ノ谷コース登山口まで300mの距離だった。登山口からのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。植林地を抜けた先から現れた自然林は新緑の盛りを迎えており、その優しげな緑色を愛でながらゆっくりと登った。大木のブナが若葉をたわわに茂らせている様は、一幅の絵を見ている思いだった。登るうちにネマガリダケが茂ってきたが、今年は雪解けが遅かったためか十分に立ち上がっておらず、登山道に被さり気味になっていた。所によってはネマガリダケを押し除けなければ進めなかった。雪解けが遅かったことはスズコ(ネマガリダケのタケノコ)にも影響しており、ようやく地表を割って先っぽを覗かせているところだった。自然林が終わってネマガリダケに囲まれた中を進んでいるとき、登山道に雪が現れた。三ノ丸に近い位置だったので、その先でもっと多く現れるのではと心配したが、三ノ丸に着いて山頂までが眺められると、残雪は僅かに見るだけだったので一安心だった。二ノ丸でも新緑を楽しんだが、その辺りは残雪が多く残っており雪の上を何度か歩いた。山頂に着いたのは坂ノ谷登山口に入ってから2時間後だった。小屋の前には10人ほどのハイカーがおり、まずまずの賑わいだった。山頂の避難小屋に入ってみたものの、やたらとハエがいたため外で休憩とした。快晴の空ながら視界はややうっすらとしており、蘇武岳の尾根は薄ぼんやりと見えていた。あまり風景を楽しめないようだったので、早めの昼食とした。そこに北側のコースから小学生集団が登ってきた。学校登山のようで切れ目なく生徒は登ってきて、その数は100人ほどとなった。先生も10人近くいたようだった。すっかり大賑わいとなった。昼食を終えると、その賑わいから離れるように下山とした。下山はすんなりと往路を戻った。三ノ丸に向かう人はほとんどおらず、すれ違う人も数人だった。三ノ丸を過ぎると、全く人影を見なくなった。自然林の中に入ると、再び新緑の様を愛でながら歩いた。昼を回って自然林の明るさは増しており、往路のときとはまた違った見え方で楽しませてくれた。駐車地点に戻ってくると、車は入れ替わっていたものの他に2台を見るだけだったので、坂ノ谷コースは静かな山を楽しむにはもってこいではと思えた。ところで新しく立てられた登山口の案内図をよく見ると、戸倉峠からの尾根筋に破線路が記されており新ルート調査中とあった。そこに登山コースが作られることがあれば、氷ノ山登山に楽しみが増えることになりそうだった。
(2017/6記)(2020/4改訂) |