◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <北海道の山> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
宗谷山 そうややま | 172.0m | 稚内市(北海道) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 宗谷 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2005年9月】 | 2005-60(TAJI) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北西向かいのピークより 2005 / 9 |
2005年9月13日の朝は、稚内市内を離れて国道238号線を宗谷岬へと向かった。この日は13時の稚内空港発関西空港行きANA1798便を待つだけだった。そこで午前の時間を近くの小山でつぶそうと考えた。地形図を持っていないため道路地図が頼りだったが、宗谷岬の辺りを見ると、三つほど山の記号が記されていた。その中の丸山と名前の記された山に注目して向かったものである。宗谷岬が近づくと、岬に幾つも風力発電の風車が立っているのが見えて来た。いわゆる宗谷岬は宗谷丘陵と呼ばれる丘になっており、その丘に立っているのである。この日は曇り空だったが、前日の大雨で視界はきれいに洗われており、風車群がくっきりと見えていた。宗谷集落を過ぎて最北端に近づくと、宗谷丘陵への道が国道から分かれた。道路は立派な二車線の舗装路で、丘の上へと登って行く。丘の上に出ると、どこまでも丘が続いており、風車群が間近に見えていた。東にはオホーツク海が広がっている。ときおり雲が割れて陽が洩れると、丘は光り輝いて鮮やかな風景となった。目的の丸山はと見ると、近くに丸い形をした小さなピークが見えた。どうみても丸山のようだったが、そのピークには何かの施設が建っているのが気にかかった。近づくとそれは自衛隊の施設のようで、一帯は立入禁止となっていた。諦めざるを得ない。そこで別の山を考えようと、改めて地図を見ることにした。オホーツク海側の萌間山は少し遠いように思えたので、無名だったが丸山の近く、宗谷湾に近いもう一つの山を目指すことにした。一度国道238号線に戻り、宗谷集落から始まる車道に入った。集落はすぐに切れて宗谷厳島神社の前に出た。その先も車道は続いていたが、もう林道と言えるもので車1台分の幅しか無く、両側から草が被さるように茂っていた。その道に入ると道はすぐに二手に分かれ、右の道にはゲートが付けられていた。その先にNTTドコモの無線中継所があるようで、その管理道路のようだった。無名のピークはその方向なので、ひょっとしてそのピークに無線中継所が建っているのではと思われた。そこで車を引き返して神社の前に止め、そこより無線中継所に向かって歩き始めた。前日までは北海道の九月にしては蒸し暑さも感じていたのだが、この日は涼しく、神社辺りで気温は17℃と登る分には快適な気温だった。道は狭いながらも舗装路で続いており、ひたすらなだらかだった。周囲はクマザサが広がっている。登るほどに周囲は伸びやかさのある丘の風景となり、振り返ると宗谷集落が見えていた。ただ上空は曇り空のままで、強い風が絶え間なく吹いていた。道はやがて砂利道となったが、所々で舗装路になることもあった。道には電柱が立っており、その電柱の先が進行方向となるので、どちらに向かっているのか分かり易かった。やがて無線中継所が前方に見えてきた。ただどうも丘のピークに建っているようには見えなかった。ともかく無線中継所を目指して行く。その無線中継所よりも、丘には幾つもの風車が立っており、その風車風景の方が圧倒的に目立っていた。ただ強い風の割には風車は回っておらず、もっと強い風でないと動かないのかもしれない。その風車風景に目を奪われるが、東には丸山も見えていた。無線中継所が近づいた所で、北の方向の丘が高いことが分かった。そちらへも道が分かれており、ひょっとしてその丘に三角点があるように思われたので、無線中継所への道を離れて、その丘への道へと入った。もう車道では無く幅の広い野道だった。その道の中程近くに風車が立っており、そのそばに車が1台止まっていた。風車の根元の扉が開いており、点検でもしているようだった。そこへは別の道が来ており、よく見ると丘には風車点検の道路が張り巡らされているようだった。そこより一登りした所が丘のピークだったが、水道設備が有るだけで三角点は見られず。またピークに立ってみると山頂の雰囲気は無く、単なる高い地点というだけだった。但し展望は良かった。西にはノシャップ岬までが一望だった。その地点より無線中継所の方向に向き直ると、無線中継所の右隣にこんもりと小さなピークが見えた。一帯の地形はひたすらなだらかな丘なのだが、そこだけは山と呼んでも良さそうな形をしていた。そのピークのそばにも風車が立っており、道がピークの近くまで付いているのが見えた。もう時間的にもそのピークに着くまでが限度と思えたので、そのピークに立ってこの散策を終えることにした。引き返して無線中継所へと続く道に戻り着く。約20分のロスタイムだった。そして無線中継所へ。無線中継所はフェンスで囲まれていたが、そこに着いて右手に見えるピークへの道の無いことが分かった。間にはクマザサが広がるのみである。ここまで来て諦めることもないので、そのクマザサに分け入った。腰丈までなのでムリヤリに進んで行けたが、この宗谷に来てヤブコギするとは思ってもみなかった。ただピークまでの距離が短いので、数分でクマザサを抜けて車道に下り着いた。この車道は風車群を結ぶ道のようだった。その車道よりピークへと向かう道が分かれていた。その道はホタテの貝殻を砕いたチップで覆われており、白い道になっていた。オホーツク海側でよく見かける道である。その道を歩いて風車そばまで来ると、道はそこで終わっていた。その先は草原のみだった。その草原を歩いてピークに向かう。そしてピーク目前となって再びクマザサに突っ込んだ。そのクマザサに覆われたピークの中央にぽつんと大きな三角点を見た。目的通り山頂に立てたことになる。その三角点があまり大ぶりなのでよく見ると、一等三角点と記されていた。なにげなく登った小山に一等三角点のあったことを驚くとともに、出会いの不思議さにも驚く思いだった。ともかく無事ピークに立てて一安心である。ピークに立って一段と風が強くなったが、じっくりと周囲を眺めた。視界を遮るのは何も無く、正に360度の眺望が広がっていた。宗谷丘陵には幾つもの風車が立っていたが、上空は曇り空で薄暗い風景だった。北は宗谷海峡へと丘は続き、その先は青い海だった。その青い海をよく見ると、そこに平べったく青い島がくっきりと見えていた。もうその方向の島と言えばカラフトしかない。偶然一等三角点の山に立ったことに不思議な思いだったが、その山頂からカラフトを眺めていることは感動する思いだった。よほど視界が良いのか白い丸粒が二個見えていた。どうやらレーダーと思えた。風の強さをこらえながら、暫し青い島を眺めていた。ただ長居も出来ず、10分ほどで山頂を離れた。再びクマザサを漕いで無線中継所へ。そして後は車道を歩いて駐車地点へと戻って行った。この帰路でもカラフトを眺めてしばしば立ち止まっていた。戻り着く頃には上空にはすっかり青空が広がっていた。この後はわずかな時間、宗谷岬を訪れた。しかしそこから見えたカラフトは波の上に小さな島が幾つか並んでいる風にしか見えず、丘の上から見た感動は受けなかった。 後日、この無名のピークを調べてみると、点名・宗谷山とあり、点の記の調査コースも無線中継所の道を歩いていた。地形図無しながら本当に偶然とは言え、うまくピークに立てたものである。 (2005/9記)(2013/12改訂)(2021/11改訂2) |
<登山日> | 2005年9月13日 | 9:27スタート/10:02水道設備ピーク/10:24〜34山頂/11:14エンド。 | |
(天気) | 雲の多い空で、風が強かった。気温は17℃ほど。雲は雨雲では無く、雲の薄い所からは青空が覗いていた。視界は前日の雨で汚れが落とされたのか、クリアだった。山頂に着く頃は上空はまだ雲が広がっていたが、北の空は青空が広がっていた。下山を終える頃は、上空にも青空が広がっていた。山頂では強い風が絶え間なく吹いていた。 | ||
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