2019年9月も前年に続いて北海道山行を計画した。今回のメインは北海道最高峰の旭岳で、それと併せて道北の北海道百名山を登ることにした。天気の状況を慎重に見極めて決めたスケジュールは、天気が一番良いと思われる28日を旭岳登山とし、その前後二日間を他の山の登山日とした。出発日は25日で、関空13時50分発のANA便に乗ると、新千歳空港には16時過ぎの到着となった。千歳市の上空は快晴だった。この日は移動のみで、レンタカーを借りると後は高速道をひたすら走り、旭川市内のホテルには19時半のチェックインとなった。すっかり暗くなっていた。
翌9月26日も快晴で朝を迎えた。この日向かう北海道百名山は旭川市に比較的近い山として、幌加内町の三頭山だった。登山コースは二つあり、政和コースは距離は6.6kmと長いが国道275号線の近くから登り始めるのでアクセスは楽だった。もう一つは林道走行で政和コースの五合目まで進んでそこからスタートとなる雨煙別コースで、林道は少々難路のようだった。山行初日から長時間歩行はしたくなかったが、レンタカーで移動することでもあり車のことを考慮して政和コースを登ることにした。ホテルでしっかり朝食をとってホテルを離れたのは7時半だった。登山口の近くには「せいわ温泉ルオント」があるので、ナビをそこにセットすると、旭川の市街地を抜けると道道72号線に入り、江丹別峠を越えて幌加内町に入った。そして国道275号線を北上して幌加内町の中心部を抜けると、あっさりルオントの前に出た。但し登山道はそこから始まっているのではなく、数十メートルほど戻った位置から始まる林道を少し入って、そちらに登山口標識を見た。そこからの登山コースについては北海道百名山でもある三頭山なのでネットで紹介記事が多く書かれていることでもあり、詳しいことはそちらで確認していただきたい。またおおよその登山道の様子は下の写真帳をご覧願いたい。政和コースの登山口の標高は210mで、五合目登山口の標高は580mだった。その間は概ねゆったりとした緩やかな道で、一合目、二合目、三合目と標識が立っていた。五合目は丸山分岐とも呼ばれており、そこを過ぎて本格的な登山道の雰囲気となった。五合目まででも紅葉を始めた木々を見たが、合目が進むに従い木々の色付きは増してきた。登山道としては尾根筋を巻くようにして歩くこともあれば小さなピークを越すこともあった。尾根の目立ったピークは655mピークで、そのピークには「見晴台」の標識が立っていた。ただ木々が育ったことによって山頂はすっきりとは見えなかった。それでも北東方向にも展望があったので見晴らしの名は損ねていなかった。655mピークで山頂まで2.4kmとあり、そこを越すと行く手に三頭山を望むようになった。なぜか七合目の標識は見なかったが、そこを過ぎたと思える辺りから本格的な登りが始まり、急坂には「胸突き八丁」の名が付いていた。そこより一段登って着いたピークが一頭山で、そこは九合目だった。三頭山は三つのピークからなっており、一頭山、二頭山、三頭山の名が付いており、山頂は三頭山だった。一頭山に着いて漸く山頂が望めることになった。山頂とはもう僅かな標高差しか無いとあって易しい尾根歩きとなった。チシマザサに囲まれた道を歩いて二頭山へ、そして山頂となる三頭山に着いたのは12時前だった。歩き始めてから3時間少々が経っており、意外に時間がかかったと思った。その山頂はそれまでとはがらりと趣を変えて草地の広がる優しげな風景で、長閑さが漂っていた。そこに快いばかりの風が渡っており、汗まみれの体が一気に癒された。これぞ登ってきた甲斐があったと思えた。展望も良く道北の風景が一望だった。その山頂で休むうちに上空には鱗雲が広がってきて陽射しが減ってきた。その空を見て下山に移った。下山は往路を戻るのみ。下りは楽とは言え、再び6km以上の長い道のりを歩くので、登山口に戻ってきたときはすっかり足はくたびれていた。その疲れを癒そうとすぐそばにある「せいわ温泉ルオント」に直行したところ、何と改修工事の最中で休止中だった。何とも残念だったが後は旭川のホテルへと戻って行った。
(2019/10記) |