2019年9月下旬に実施した北海道山行は旭岳登山をメインに計画を立てたが、旭岳に続いて登りたい山としてニセイカウシュッペ山を上げていた。北海道入りをしたのは25日のこと。その日は旭川市への移動のみで、山行初日の26日は幌加内町の三頭山を登った。快晴の日で何の問題も無く登山を終えた。そして天気予報では翌27日も晴れの予想になっていた。27日をニセイカウシュッペ山の登山日としていたので安心して27日の朝を迎えたのだが、旭川市内のホテルから見る空は雲が広がっていた。ただ次第に空は晴れて来るだろうと楽観視はしていた。ホテルで朝食をとった後、7時半にホテルを離れた。ところでニセイカウシュッペ山の登山口は標高1140mの位置にあり、そこまで十数キロの林道走行をすることになるのだが、入口近くにゲートがあり鍵がかかっているとガイドブックに記されていた。そのため北海道森林管理局に鍵番号を聞いて施錠を解く必要があるとのこと。そこで北海道入りした日に森林管理局に問い合わせてみると、今年は施錠していないとのことだった。ナビを上川町中越にセットしてレンタカーを走らせると、旭川市内を抜けて旭川紋別自動車道に入った。その自動車専用道を日東ICで離れて国道273号線に入り、中越地区へと向かった。中越地区が近づくとナビの目的地に着く手前でニセイカウシュッペ山の標識が現れて、スムーズに林道に入ることになった。標識は点々とあり、一度大きく右に曲がる位置で現れた標識には登山口まで11.4kmと書かれていた。その位置を過ぎた先でゲートが現れたが、電話で確認した通りに鍵はかかっていなかった。その先の長い林道走行は所々で大きな水溜まりや抉れた所が現れたものの、普通車でも無理せず進める程度の荒れ方だった。但し水跳ねを続けたことにより車は泥だらけになってきた。林道終点となる登山口に着いたのは、国273号線を離れてから40分後、ゲートの位置からだと35分が経っていた。林道の終点は広場のようになっておりそこに車を止めたが、既に1台の車が止まっていた。ニセイカウシュッペ山は多くのガイドブックで紹介されていることでもあるので、ここでは詳細は記さないので登山コースの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。登山道に関しては始めはごく易しい道で始まった。周囲は自然林で紅葉が始まり出したところだった。進むうちに道は細くなり、尾根筋をはっきり辿るようになった。ただ足下がぬかるむようになり水溜まりを避けながら歩いたが、靴はすぐに泥だらけになってきた。登山道としては少々歩き難いと言えたが、周囲は紅葉が見頃となってきて目を楽しいませてくれた。それは良かったが天気の方が予想とは違ってきた。西の空には青空が見えているものの上空は雲が広がっていた。そのうちに陽射しを受けるようになったのでこれで天気は良くなってくるのではと思ったが、左手に見えるニセイカウシュッペ山の西尾根にガスがかかり出した。当然山頂はガスに包まれているようだった。そのうちガスは薄れてくるかと思っていると、逆にガスは更に下がってきた。また陽射しも消えてきた。山頂まで3km地点を過ぎると右手に展望が現れて、雲を多く纏った大雪山が望まれた。その展望地の先でガス帯へと入り、視界は閉ざされた。いつしか木々の紅葉は終わっており、葉を落とした木々の中を歩いた。そのガスの中の登りで、先に登っていた夫婦の登山者とすれ違った。山頂まで1km地点を過ぎると山頂へとやや急坂登りとなったが、その急坂に雪を見るようになった。始めはごく僅かに見るだけだったが、登るうちにはっきりと登山道を隠す所も現れた。その雪の上に付いているトレースを踏んで登った。登山道の雪はあったり消えたりを繰り返し、そして山頂到着となった。山頂には雪は無く広く平坦に開けていた。但しすっかりガスに包まれていた。気温は4℃まで下がっており、しかも急風の世界でもあった。山頂の真ん中に二等三角点(点名・噛首辺)を見るも、そこは最高点では無く少し東の方が高かった。そちらへの小径があったので辿ると、そちらは雪原になっている所があった。三角点ピークに戻り、風が避けられる位置で休憩とした。どうも山の天気は難しいと思いながら休んでいると、急にと言った感じで辺りが明るくなり、そしてガスが薄れてきた。周囲が見えてきて、歩いてきた尾根だけでなく遠くは東大雪の山々までも望めた。ただそれも数分だけですぐにガスの世界に戻った。これで終わりかと思って下山に向かおうとしたところ、それを待っていたかのようにまた晴れてきた。今度は上空にはっきりと青空が現れ、南の方向だけでなく西も北も眺められた。但しこのときも数分間だけの出来事だった。その後も暫く待っていたが、ガスの薄れる気配が無かったため改めて下山に移った。結局山頂では寒い中、1時間以上過ごしていた。暫くはガスの中を歩いていたが、山頂から1.5kmほど離れるとガス帯を抜けることになり、また紅葉を愛でながら歩くようになった。その間も山頂はガスに包まれていたが、やはり薄れるときがあり一度山頂が現れるのを目にすることが出来た。尾根の紅葉を楽しみながらもやがて足下がぬかるむようになり、そちらに気を配りながら歩いた。いつしか晴れの中を歩いており、登山口に戻って来たときは快晴の空になっていた。
(2019/10記) |