TAJIHM の 兵庫の山めぐり <宮城県の山 
 
泉ヶ岳    いずみがだけ 1175m 仙台市(宮城県)
 
1/2.5万地図 : 定義
 
【2006年4月】 2006-30(TAJI)
 
   南東の根白石地区より  2006 / 4

 宮城県の山としてすぐ頭に思い浮かぶのは蔵王で、次は栗駒山だろうか。どうもあまり知識が無いようである。その宮城県の仙台市を仕事で2006年4月の22日から3日間の予定で訪れた。そのため土曜、日曜と休日が潰れることになったのだが、土日の仕事がうまく土曜日でかたづいてしまった。そうなると日曜日はまるまる自由時間で使えることになった。その日曜日の天気はと言うと、当初は雨の予想だったのだが、低気圧の移動が遅れているようで、どうやら晴れになりそうだった。そこで日曜日をムダに過ごしたくなく、ハイキングを楽しむことにした。幸い足としてレンタカーもあったので、仙台市近郊の山で考えることにした。土曜日の夜は早速書店向かって分県登山ガイドの「宮城県の山」を入手した。そして本をじっくり見て決めたのが、この泉ヶ岳だった。仙台市の北限にある山容の美しい山で、車なら1時間で行けそうだった。登山としては難しくも無く、簡単過ぎもせずと言ったところで、山頂からは展望も十分楽しめそうだった。
 23日の日曜は、快晴で朝を迎えた。視界は澄んでおり、ホテルの窓からは蔵王連峰がくっきりと眺められた。7時半にホテルを出ると、後はナビを見て目的地に設定した泉ヶ岳スキー場へと車を走らせた。仙台市内は桜がちょうど見頃とあって、目を楽しませてくれた。国道457号線を走り出すと、風景はのどかな田園地帯となった。そして行く手に富士型をした山が真っ青な空の下に見えて来た。山頂付近は白くなっていた。それはガイド本で見た姿と同じで、一目で泉ヶ岳と分かった。まずは泉ヶ岳南麓にある野外活動センターの広い駐車場に着いた。数台車が止まっており、ハイキングの準備をする人も見かけた。ガイド本ではそこを起点に暫く車道を歩き、表コース登山口より登って水神コースで下るルートが紹介されていた。こちらもその考えだったが、好天の空を見てこの泉ヶ岳は午前に楽しんで、足さえ問題なければ午後は別の山を登ってみようとの考えが浮かんできた。そこで手早く登ろうと、表コースをピストンすることにした。そうなると車は表コース登山口の駐車場まで進めて良いことになる。その表コースの駐車場に着くと、そこは10台ほどの駐車スペースがあり、既に3台の車が止められていた。ちょうど若い夫婦が3人の子供を連れて出発するところだったが、その姿は子供も含めて冬靴にロングスパッツを付けており、冬山スタイルだった。子供は小学校低学年までで、よく見ると父親は幼児を背負っており、4人の子連れとはご苦労なことである。こちらは突然の思い付きのため、3シーズン用の靴だけで、スパッツは持っていなかった。雪はあっても春の雪なので、潜ることは無いだろうと、スパッツの無いことは特に心配はしなかった。こちらも手早く準備して、すぐにスタートした。家族連れはすぐに追い抜いた。登山口からちらほら残雪は見られたが、コースが薬師沢に入ると一帯は植林地となっており、地表はほぼ雪に隠されていた。もう早くも雪との出会いである。雪で登山道が隠されており、雪面の足跡を追ってコースを辿ることになったが、一帯は平坦になっており、どこが実際のコースなのか分かり難くなっていた。足跡も消えがちで、歩き易い所を選んでいたのだが、途中で足跡の見えなくなっていることに気が付いた。また出会うのではと思いつつ進んで行くと、やがて谷は細くなり傾斜が増して来た。どうやらコースを外れて歩いていたようだった。地形図は持っていないので位置が掴めなかった。ここで引き返せば良いとは思ったが、どうもヤブ山を歩くことが多いためか、そのまま進んでもどうにかなるのではと思えて来た。左手の尾根はどうやら山頂に向かっており、しかも緩やかに延びている。そこでその尾根に向かって、ややきつい斜面を登ることにした。やはり雪に覆われていたが、掴まる木もあって無理せず登って行けた。そして尾根に出ると、そこは陽当たりが良いと見えて、雪は全く見られなかった。尾根道は見えなかったが、まばらな木々にクマザサがさほど密生もせず広がっているだけで、少しヤブっぽい程度だった。尾根が緩やかなだけに、クマザサを手で払い除けながらも気楽な感じだった。一度クマザサが消えたが、再び現れてクマザサこぎを再開したところで、間近に登山道のあることに気が付いた。南側から続いていたようだった。こうなると登山道を歩くのみ。一気に歩度が上がった。行く手に雪面が見えており、登山道が歩けたのはやはりそこまでで、その先は雪面歩きとなった。雪面にはトレースが付いており、雪は予想通り固く締まっており潜ることは無かった。スパッツの必要性を感じないのは良かった。トレースを追って歩を進める。辺りは雪面に裸木が点々と見えるだけで、すっかり雪山の様相だった。そこで下山者とすれ違ったが、漸く人に出会えたことになる。雪面に入っても暫くは尾根は緩やかなままだったが、途中から一気に急斜面になって来た。トレースがあると言っても、キックステップで登って行かなければならなかった。足元を見ると本当に急斜面で、滑ると10メートル以上は滑落しそうだった。ただ雪面を滑り落ちるだけなので、怪我の心配は無さそうだった。急斜面のおかげで、展望は一気に良くなった。南東方向に広がる平野部が海岸線まで続いているのが眺められた。その急斜面を登り切ると急に雪は減って、ほとんど地表が現れていた。少し歩くと岩がゴロゴロとしている平坦地に出た。休憩する人も見られて山名標識も立っていた。もうそこが山頂だった。その一隅に小さな祠を見たので近づくと、その裏手には二等三角点(点名・泉ヶ岳:標高1179.1m)が置かれていた。登山口から1時間15分で着いたことになるが、ヤブコギこそ少々したものの、どうやら最短距離で登って来たように思われた。山頂にあったコースの標識から、登って来た登山道は「かもしかコース」のようだった。その山頂は広く開けていたが、周囲の木々で展望は無かった。まずは一休みと腰を下ろそうとしたとき、近くの登山者の話し声で、展望地は北に有るようだった。そこで休憩はそちらでと、すぐに北の方向へと向かった。山頂はほとんど雪は見られないのだが、登山道はすっかりぬかるんでおり、けっこう歩くのに一苦労させられた。北へと100mも歩かないうちに展望が広がって来た。一帯の木と言えば低木程度で、クマザサが広がるのみ。視界を遮るものはほとんど無く西から北にかけてが一望だった。どの山も白い姿をしており、まだまだ冬山だった。四月の後半にしては本当に良く澄んでおり、どの山もくっきりと鮮やかだった。どうやら低気圧が近づくときにときおり見られる、嵐の前の静けさと言えそうだった。北に間近にあって大きな山は北泉ヶ岳。その左手に堂々と尾根を広げているのは船形山だろう。ちょうどそばに居た登山者が山に詳しく、見える範囲の山の名を色々と教えて頂いた。西に見える大きな山は蔵王とは分かったが、その北に目立っている山として神室岳に大東岳、面白山であることなど。また北では虎毛山に栗駒山が目を引いた。栗駒山は山上に浮かぶように白い姿を悠然と見せていた。遠い山では鳥海山が北泉ヶ岳に半分隠されながらも見えており、西方遠くには朝日連峰が本当に白い姿で尾根を連ねていた。目を凝らせば飯豊連峰さえ望まれた。冷たい風も気にならず、この雄大な風景に魅入られてしまった。しかしじっとしているうちに薄着の身体には風の冷たさが次第に応えてきた。そこで30分ばかりの時を過ごした後、素晴らしい風景に別れを告げた。この間に登山者は増えており、団体も含めて何十人もの人が山上に集まっていた。泉ヶ岳はけっこう人気のある山のようだった。下山は当初に予定していた表コースで下ることにした。このコースも山頂間近まで雪面になっており、かもしかコースに似ていたが、尾根の傾斜は緩やかだった。雪山は下るとなると楽なもので、しかも雪が締まっているためどこでも歩けた。雪面に裸木の雑木が点在する様を愛でながら、のんびりと下って行った。その雪面が終わると、けっこう急な下りとなって登りのきつさを思い出した。その下りでドーダン林を過ぎ、胎内潜りを過ぎた所で、スタート時に追い抜いた6人家族に出会った。既にスタート時からは2時間以上経っており、幼児を背負った若い父親は、少しばてぎみにも見えた。山頂には素晴らしい展望が待っていると告げて分かれたが、その先の距離を考えると、無理なのではと思えてしまった。やがて尾根を離れてトラバース気味に下り、沢へと下りて行った。その沢はスタート直後に歩いた所だが、道を誤った地点が分かった。雪面のコースは途中で右手寄りに曲がっているのだが、そこを真っ直ぐに進んでしまったようだった。ただ多少のヤブコギをすることになってしまったが、二つのコースを楽しめたと思えば、むしろ面白い登山が出来て良かったと思えた。そして登山口に戻り着いたときは、12時には十分に時間があった。幸い足に疲れは感じなかった。そこで快晴の宮城でもう一山楽しもうと分県登山ガイドを開いた。
(2006/5記)(2014/1改訂)(2022/6写真改訂)
<登山日> 2006年4月23日 8:45スタート/9:08尾根に出る/9:20登山道に合流/9:58〜10:45山頂/11:07ドーダン林/11:35エンド。
(天気) 朝から澄んだ青空が広がり、雲一つ見えない。ふもとの気温は12℃で冷たさは感じない。コースの始めから日陰には雪が残 っていた。ただ陽射しの当たる所には全く無し。その雪は山頂近くになって一気に増えて、まさに雪山の様相だった。その雪も山頂ではほとんど見られなかった。視界は東の方向こそ薄くモヤがかっていたが、高峰の並ぶ西から北は澄んだ視界が広が って、素晴らしい景観を見せてくれた。山頂の気温は10℃。西からの風が冷たかった。
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登山口に着くと、冬山スタイルのちびっこ3人を見かけた 他にも父親に背負われた幼児もおり、6人家族が出発するのを見送った 登山道を歩き出すと、すぐに雪が登山道を隠し出した
知らぬ間にコースを外れてしまったので、近くの尾根に出て、尾根歩きで山頂方向に向かった 尾根は陽当たりが良いのか雪は消えていた 軽いヤブコギで登って行く 登るうちに登山コースに合流した その登山コースもすぐに雪に隠されたため雪面歩きとなった
前方に山頂が見えてきた 背後に展望が広がってきた すっかり雪山の様相となって来た
背後の風景は、平野部が太平洋まで続いていた 麓の風景を見る 山頂に着いた 雪は少なく岩がゴロゴロしていた
山頂には小さな祠が置かれていた 祠の裏手に、二等三角点(点名・泉ヶ岳)を見た 三角点の位置から少し北に向かうと、展望地が現れた
北の山並みを眺める 澄んだ視界に雪山がきれいだった
上の写真に写る船形連峰を大きく見る 上の写真に写る栗駒山を大きく見る

(←)
船形連峰の左手に
面白山から大東岳
へと続く尾根を見


 (→)
  大東岳を大きく見
  る
(←)
朝日連峰を大きく
見る 以東岳から
大朝日岳へと続く
尾根は真っ白だっ

 (→)
  北泉ヶ岳の右奥に
  ちらりと見えたの
  は鳥海山のようだ
  った

蔵王連山の方向を
見る

山頂は雪の全く残
っていない所もあ
った
祠の位置に戻って来ると多くの登山者で賑わっていた 下山は表コースを下ることにした このコースも山頂近くは雪に覆われていた
下っていると、東の方向が眺められた 急坂になると陽当たりが良く、雪は見られなくなった 青い花を見た キクザキイチゲのようだった