前日は守門岳を目指したのだが、予想以上の暑さの中での登りとなり、コース半ばでギブアップしてしまった。この日は守門岳と変わらぬコースタイムの山を予定していたのだが、どうも無理ではと思えて登山対象を変えることにした。そしてガイドブック「新・分県登山ガイド 新潟県の山」から選んだのが新潟市南部の角田山だった。角田山の登山コースは主なコースだけでも7コースあるようだったが、暑い中で登るコースとしては最良ではと思えて選んだのが五ヶ峠コースだった。
この日も前日と同様の猛暑が予想されていた。ナビを五ヶ峠にセットして車を走らせると、案内標識もあってすんなりと五ヶ峠に到着となった。この日は平日ではあったが既に数台の車が止まっており、こちらが着いた直後にも2台が到着した。角田山は人気の山のようだった。その五ヶ峠コースは、山頂までの距離は3.1kmだった。登山コースに入ると始めは普通の山道の雰囲気だったが、すぐに遊歩道と言いたくなる良く整備された登山道となった。傾斜も緩やかでスムーズに登って行けた。良かったのは終始自然林に囲まれた中を歩けたことで、陽射しを受けることはほぼ無かった。一合目を過ぎた先で鞍部へと下って登り返すことがあったが、以後は緩やかな登りがずっと続いた。三合目の標識があり、五合目を過ぎると東屋が現れたので小休止とした。緩やかな尾根道を登ることに全く問題は無かったが、前日の疲れが残っているのか、30℃に近い気温の中をずっと歩いているうちに、徐々にバテ気味になってきた。そのため徐々に歩度は鈍った。山頂まで1kmとなったとき、左手から浦浜コースが合流した。続いて同じく左手から灯台コースが合流した。山頂まで750mだった。その頃にはときおり木々の隙間から日本海が望めた。あと500mの位置で現れたのは三望平で、そこ頃にははっきりバテの症状が現れていた。そのため山頂までに一度、長休憩をとることになった。それでも体力は回復せず、重たくなった体を無理やり動かして、漸くの思いで山頂に到着した。山頂は広く平らになっており、避難小屋も建っていた。ハイカーもちらほら見かけた。残念なのは展望が無かったことで、そこで木陰のベンチにころがって体力回復に努めた。木陰では弱いながらも涼しさを感じる風を受けた。少し体力が戻ったと思えたとき、山頂部の東端にある観音堂まで歩くことにした。緩やかな下りを数分続けると、広々と芝地が広がる広場が現れた。その広場を見下ろす位置に観音堂が立っており、広場は神社の境内と言えそうだった。そこに着いて漸く好展望を得られることになった。北西には日本海を、北から東には越後平野を広く眺められた。但しこの日の視界は濁っており、薄ぼんやりとした視界だった。平野部の背後に広がる山並みも薄ぼやけて見えていた。観音堂そばのベンチで改めて休憩をとった。その休憩を終えると山頂へと引き返した。そして往路の五ヶ峠コースで下山とした。その途中で木々の隙間から日本海が見えると、佐渡島もちらりと見えていた。視界は良くなったのか、ぼやけた感じは無かった。ガイドブックでは海岸線側からの灯台コースは好展望コースと書かれていたことを思い出して、佐渡島をはっきり見たく灯台コースを展望のある位置まで下ることにした。長くも歩かず展望は現れると期待していたのだが、なかなか現れなかった。標高300m辺りまで下っても展望地が現れず、ギブアップとした。ただすっきりとした展望ではなかったが、木々の隙間からなら青い日本海と佐渡島の一部が眺められた。北の方向で雲の中から山頂を見せているのは鳥海山ではと思われた。そのギブアップ地点から尾根コースに戻るのが難儀だった。少々休んでも体は回復せず、何度も休憩をとってようようの思いで尾根コースに戻ってきた。そこから登山口までまだ2.4kmあったので、緩やかな下りとは言え、更に何度か休憩が必要だった。当然、東屋では長休憩をとった。そのような状態での下りだったため、登山口に着いたときは、山頂を離れてから2時間40分が経っていた。駐車場には自分の車のみ残っていた。
(2025/8記) |