TAJIHM の 兵庫の山めぐり <長野県の山
 
大川入山   おおかわいりやま 1908.3m 阿智村・平谷村(長野県)
横岳         よこだけ 1574.6m
 
1/2.5万地図 : 浪合
 
【2015年7月】 2015-70(TAJI&HM)
 
   《大川入山》  横岳の近くより  2015 / 7

 信州百名山の一つ、大川入山に向かったのは2015年7月の最後の日だった。暑い季節なので朝の早い時間帯に登りたかったが、姫路から長野県阿智村までは400km近くあるとあって、自宅を未明の4時前に出たものの、登山口がある治部坂高原に着いたときは9時になっていた。高速道の走行中に夜が明けたわけだが、朝の空は濁っていた。全体に白っぽい空で、視界は悪いの一言だった。近くの山でもうっすらとしか見えなかった。その空が長野県に近づく頃には青空も見られるようになったが、視界がうっすらしていることに変わりはなかった。どうやらアルプスの展望は期待出来ないようだった。但し天気予報は曇り時々晴れで、雨の心配は無さそうだった。中央道を園原ICで離れると、県道89号線、国道256号線、国道153号線と走って治部坂高原に着くと、治部坂高原スキー場の前、登山口に通じる林道が分岐する位置にあった駐車場に駐車とした。車は他に一台見るだけだった。そこから林道を歩き出すと、6分ほど歩くだけで登山口標識が現れた。そこから登山道が幅広の道として始まった。暫くは緩やかな道で、小さな沢を渡ると沢沿いを歩いた。程なく沢から離れることになり、斜面を登ることになった。周囲は雑木林だったが、笹が目立つようになってきた。尾根に出ると、その尾根は横岳に続く尾根だった。始めは緩やかだったものの、木の根が多く現れており、歩き易くは無かった。次第に急坂になってくると、ロープの付いている所も現れて、そのロープを掴みながら登った。その急坂の途中で木立の切れ目が現れて、遠くにきれいな三角錐の姿をした山が眺められた。どうやらその山が大川入山のようだったが、どう見ても2時間はかかりそうに思えた。急坂は暫く続き、漸く緩んだ先で少し高くなった所が横岳のピークだった。気温は23℃と高くなかったが、夏場に急坂を登ったとあって少しバテ気味になっており、木陰で10分ばかり休んで息を整えた。その先は緩やかな尾根歩きが続いた。横岳と大川入山の手前にある1670mピークまでは距離にして2km以上あるのだが、最大標高差は110mでしかなかったので、ごく気楽な尾根歩きだと言いたいのだが、小さなピークが幾つかあり、上り下りを繰り返していると、けっこう足が疲れてきた。大川入山の姿はときおり見えていたが、当然ながら徐々にしか近づいて来なかった。それでもこの尾根は笹とシラビソ林が作る風景が何とも優しげで、心を和ませてくれた。道の踏み心地も良く、春秋ならずっと気楽に歩けるのにと思えた。所々で小休止をとり、1670mピークを越えて大川入山との鞍部へと下りて、そこでも小休止とした。そこから山頂までは標高差が280mあり、それまでと変わって俄然上り坂が続くことになった。そこまででけっこうバテていたが、気力を絞って休まず登った。幸いなことに思っていたほど急坂続きでも無く、つづら道で登る所もあってきつい感じでは無かった。樹林を抜け出すと、周囲は笹の風景となった。山頂が見えて来ると、ガスがかかろうとしていた。どうやらガスの山頂になりそうだった。振り返ると、横岳から続く尾根もガスに隠されようとしていた。朝から視界が悪かったこともあって山頂展望には期待していなかったので、ガスはむしろ涼しくなる材料として捉えた。おかげで山頂に着くまで休みを取らずに登ることが出来た。山頂は適度な広さで開けており、ベンチが置かれて休むには良い所だった。この日の登山者は少なく、途中で二人組の下山者とすれ違っただけで、山頂も人を見なかった。まずはベンチの上に寝ころんで、よれよれになった体を休めた。その後は改めて地表にレジャーシートを敷いて、その上で暫し昼寝とした。その昼寝の間にガスは消えて、陽射しを受けるようになった。それは天気の回復ではなく、単にガス雲が切れて青空がいっとき覗いただけだった。山頂にはパノラマ写真が置かれており、視界の良い日には中央アルプスだけでなく北アルプスも南アルプスも見えるようだったが、ガスが消えても見えるのは近くの尾根のみだった。山頂で休んでいたのは80分ほどで、下山は往路を引き返した。この復路で気を付けたのは尾根の途中にある四等三角点を見ることだった。三角点は横岳と大川入山との中間にあるのだが、小さなピークが続くため、往路ではどのピークが三角点ピークなのかはっきりしないまま通り過ぎていた。そこで下山では地図を頭に描いて歩いた。そして1670mピークの先にある1680mほどのピークが二つ並ぶ所まで歩いて、東側のピークで四等三角点(点名・もみじ平)を見た。後はシラビソと笹が作る優しげな風景の中を、マイペースを心がけて歩いた。それにしても横岳まではやはり長いと感じた。小さなアップダウンを繰り返してようよう横岳に戻ってきたときは、またもやバテ気味になっており、ベンチの上にごろりとなって暫し体を休ませた。後は惰性の感じで下り坂を歩き、国道153号線そばの駐車場へと戻ってきた。山頂での休憩を除くと6時間ほどのハイキングになっており、夏場では少々厳しかったと言えそうだった。下山を終えると飯田市の方向へと戻り、昼神温泉に立ち寄った。「湯ったりーな昼神」は立ち寄り湯で、広い湯船にじっくりと浸かって疲れた体をほぐすことに努めた。
(2015/11記)(2020/7改訂)
<登山日> 2015年7月31日 9:03駐車場スタート/9:09登山口/9:16小橋を渡る/10:14〜24横岳/11:03あと2km地点/11:49あと1km地点/12:17〜13:36山頂/14:01あと1km地点/14:33点名・もみじ平/15:11〜20横岳/16:22エンド。
(天気) ガス状の雲が広がっていたが、青空も少し見えていた。樹林帯の気温は22〜23℃だった。登るほどに青空は減ってきて、山頂に着く頃にはガスが出てきた。そのガスも山頂で休むうちに消えてきた。但し、上空はガス状の雲が広がったままだった。山頂の気温は22℃で、弱いながらも涼しい風が吹いていた。視界は悪く、近くの尾根もうっすら見えるだけだった。
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大川入山の登山口に通じる車道の入口に駐車場があった そこに車を止めて歩き始めた 車道はすぐに林道に変わった
林道が二手に分かれると、右手の道に入った すぐに登山口が現れて、登山道に入った 登山道は幅広の道で始まった
次第に道幅は細くなってきた 沢に架かる小橋を渡る 沢を離れて尾根を登るようになった
尾根上には木の根が這っており少々歩き難かった 木の根が這う状態は暫く続いた 易しく歩けるようになったと思っていると
急坂を登るようになった 木立の切れ目から北に見えたのは大川入山だった 急坂を登りきって登山道は緩やかになってきた
 北に展望が開け
 て、大川入山の
 右手が望めた

  更に右手となる
  北東方向の尾根
  が眺められたが
  うっすらとして
  いた
周囲はシラビソ林となり優しげな道を歩くよう
になった
ノリウツギの花を見かけた 緩やかな登りでピークに近づいた

 最初に着いたピー
 クが横岳だった

 横岳の三等三角点
 (点名・横岳)を
 見る
横岳を離れる 大川入山まで3.6kmだった ササに囲まれた登山道を歩いて行く すぐに次のピークが見えてきた
ダケカンバのそばを通って次のピークに近づいた 次のピークも開けていたが、展望は良くなかった 木立の切れ目から大川入山が覗いていた
緩やかな尾根歩きが続いた ときおり陽射しが現れて、森を明るくした 小さなアップダウンが続いて次第にバテ気味に
なった
あと2km地点に着いて小休止をとった まだ緩やかな尾根歩きが続く 前方に大川入山を望めることがあった
一面ササの中を鞍部へと下った 登り返すとあと1kmとなった 鞍部に着くと、周囲が見えるようになった

 上り坂となって振
 り返ると、今歩い
 てきた横岳からの
 長い尾根が見え
 ていた

 山頂まできつい
 登りかと思って
 いたが、つづら
 道もあって、休
 むこともなく登
 って行けた

 ここでもノリウツ
 ギの花をよく見か
 けた

 木立が減って笹の
 広がる風景となっ
 た
周囲にガスが漂うようになった 山頂の西斜面は広く笹原になっていた 左手前方に山頂が見えてきた
振り返るとガスが広がっており、視界を閉ざし
ていた
ガスの漂う中を山頂に近づいた 山頂が目前になった
山頂に着いたときは歩き始めてから3時間以上
っていた 周囲はガスで何も見えなかった
二等三角点(点名・大川入)を見る パノラマ図があり、視界が良ければ日本アルプ
スが見えるようだった

 山頂で昼寝をしてい
 る間にガスは消えて
 上空には青空も覗く
 ようになっていた

 改めて山頂を眺めた
北西にうっすら見えたのは恵那山かと思えた 恵那山を少し大きく見る 下山は往路を引き返す
前方に展望が広がってきたが、午前と変わらず
薄ぼんやりとしか見えなかった
右手の笹原に光が当たると、笹原が光って見え
道そばで見かけたのはヨツバヒヨドリのようだ
った
これから向かう横岳までの尾根を眺めた 左の写真に写る蛇峠山を大きく見る
鞍部へと下る途中で山頂を振り返った この花はトリアシショウマのようだった 鞍部を通過する
シラビソと笹に囲まれて、上り坂となった あと2km地点を過ぎる 程なく四等三角点(点名・もみじ平)を見た
優しげな風景を見ながら、なだらかな尾根を戻
った
チャタマゴタケを見かけた 前方に見えてきたピークは横岳かと思えた
青空の広がるときがあり、陽射しを受けて歩いた 陽射しを受けて明るくなった樹林の中を歩いた 下山と言えども小さな登りが何度かあって疲れてきた
前方に見えてきた小ピークは横岳だった 横岳が近づいた 横岳に戻ってきた 10分ほど小休止をとった
横岳を離れると、登山口まで1.7kmだった ホタルブクロを見かけた 急坂を下っているとき、大川入山を振り返った
急坂が終わると、木の根が這う尾根を下って行く 登山口に戻ってきた 駐車地点に近づいた