◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <上信越の山> ★ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
草津白根山 くさつしらねさん | 449.3m | 草津町・嬬恋村 (群馬県) |
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1/2.5万地図 : 上野草津 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2005年9月】 | 2005-61(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
四阿山より 2005 / 9 |
「日本百名山」を読むと、緑濃い本白根山(もとしらねさん)と、湯釜の美しさと火山そのものの荒涼とした風景を見せる白根山とを総称して草津白根山と呼んでいるようだった。ところでこの山を地図を見ると、確たるピークは見えず、小さなピークが点々としていた。白根山側では湯釜の西にある2160mピークが最高点のようで、本白根山側は2165m三角点ピークの北東にある2171mピークが最高点と見られた。但し、白根山のピークも本白根山の三角点ピークも火山性ガスの危険のため立入禁止となっており、2171mピークへは登山道は見当たらなかった。つまりは草津白根山のハイキングは、遊歩道で達せる2150mピークが最高点となるようだった。この高度のことだけで見ると、草津白根山の北西近くにある横手山が2305mと、草津白根山のどのピークよりも100m以上高かった。つまりは草津白根山はピークを踏むことによって達成感を持つ山でなく、山上風景をハイキングとして楽しむ山のようだった。この草津白根山に2005年9月中旬の暑さの残る季節に訪れた。前日に四阿山を訪れており、それに引き続いての山行だった。 9月18日は朝から素晴らしい快晴で、空には雲一つ見えなかった。前夜は中野市に近い渋温泉郷に泊まったのだが、ゆっくりと朝を過ごしたため、宿を離れたときは8時半を回っていた。そこから草津白根山へは国道292号線をただ走るだけだった。この国道292号線は志賀高原、草津白根山を横切って群馬県の草津温泉へと通じる国道で、以前は山岳部分は有料だったが、平成4年に無料となり、また道路も改良されて素晴らしい高原ドライブルートになったとのこと。その通り高度を上げるほどに森の緑は鮮やかになり、志賀高原辺りからは、ダケカンバに白樺が美しい森を作っていた。その森と湖沼が点在する風景が続いた。そして高度は更に上がって、横手山のそばの渋峠では標高2172mとなり、国道としては日本の最高所と表示されていた。草津白根山のどのピークよりも高い位置だった。峠の展望は素晴らしく、2000m台の山並みが一望だった。そして宿を離れて1時間かかって草津白根山の駐車場、白根レストハウス駐車場(有料¥410)に着くと、もう満車に近い状態だった。連休中の好天とあって多くの人が出かけて来たようだった。駐車場のそばから白根山の湯釜への遊歩道が始まっているのだが、そちらを見ると湯釜の縁は人でいっぱいで、遊歩道も数珠つなぎの人だった。そこで湯釜見物は後にして、まずは本白根山に向かうことにした。国道を横切るとすぐに逢ノ峰への登山道が始まった。この逢ノ峰をエスケープする道もあるのだが、まずは逢ノ峰のピークに立つことにした。遊歩道として整備されているだけに、すぐに階段道になった。足元には弓池の風景が広がっていた。13分ほどで逢ノ峰の山頂に着いた。山頂には休憩舎が建っていたが、休むことなく下山に向かった。この下りは草地に真っ直ぐな道が付いており、ごく気楽な坂だった。辺りを眺めると本白根山を目指登山スタイルの人をちらほら見たが、ほとんどが家族連れでトレッキングでは無くハイキングを楽しんでいた。逢ノ峰から鞍部に下り着くと、そこに車道が来ていた。その車道を越した先でコースは二手に分かれていた。左回りで歩こうと、登り返す形で始まる右手の遊歩道を進むことにした。緩やかな上り坂だったが、程なく傾斜は無くなり、笹地に木道が続く風景となった。上空には白い雲が見られるようになっていたが、快晴に変わりは無し。木道は笹地の中を暫く続き、周囲は雑木林とあって展望は無かった。それが変化したのは空釜(からかま)の縁に着いたときで、樹林帯を抜けて一気に視界が開けた。火山らしく赤茶けた風景で、空釜を挟んで向かいの尾根は岩肌が荒々しかった。その空釜を離れると、今度は緑の美しいなだらかな山上の風景が広がった。そしてそこに遊歩道が巡らされていた。涼しい風に美しい山、草津白根山はハイキングに楽しい所だった。とりあえず近くのピークに立とうと、空釜の南に見えた岩肌のピーク(2140m)に向かった。そこは展望地で漸く一休みとした。南には浅間山、西に四阿山、遠方は薄モヤがかっていたが、南東遠くには榛名山の山並みも眺められた。その2140mピークで改めて地図を眺めると、そこより西に見えている間近のピークが遊歩道としての最高地点と分かった。一休みしたところで、一端遊歩道の左回りは止めて遊歩道最高地点に向かった。遊歩道にハイカーは多かったが、オーバーユースと言うことも無く、むしろこの山としては適度な賑わいに思えた。遊歩道歩きは気楽なもので、のんびりと歩いて2150mピークに着いた。もう昼どきとあって、昼食風景があちこちで見られた。そこに立って周囲を眺めると、北東側のピークが一段高く見えた。どうやらそこが草津白根山の最高地点のようだったが、そこに立つにはヤブコギが必要のようだった。但し国立公園内であり、むやみに植物を踏みつけて向かうわけにはいかないので諦めることにした。。西に見える丸いピークも遊歩道最高点よりも高く見えた。そちらは三角点ピークのようだった。そこは地図では立入禁止と記されていた。ただ今も立入禁止かと気になったので、そちらに向かってみた。するとやはり登山道はあるものの、入口にロープが張られて立入禁止と書かれていた。そこを通り過ぎると遊歩道は万座温泉へと下り出したが、また展望は良くなって、笠ヶ岳や横手山など志賀高原側の風景が広がっていた。ベンチも置かれており、また静かなこともあって、そこで昼休みとした。その頃には空の雲は増えており、北の空はほぼ曇り空に変わっていた。その北の空の雲が次第に南下していた。そのとき三角点ピークに目を向けると、何人かの人が登山道を歩いているのが見えた。どうやら注意書きを無視して山頂から戻って来ているようだった。注意書きには火山性ガスの危険と書かれていたが、今居る所もその三角点ピークの辺りもどうもあまり変わらないように見えたので、こちらも自己責任で三角点ピークを踏むことにした。但しパートナーは残して単独で向かった。三角点ピークへの道に踏み込むと、遊歩道とははっきり雰囲気が変わった。ハイマツが両側から道を塞ぐように被さっており、足元を確かめながら進まなければならなかった。中間辺りで裸地が現れて展望が広がったが、またハイマツ帯に入り、山頂の三角点はそのハイマツに囲まれた中にあった。展望の無い山頂だったが、遊歩道のピークに立ったときには感じられなかった、一つの山のピークに立ったという達成感がその山頂で感じられたのは不思議な感じだった。そして何となく草津白根山に満足した気分になってきた。そこで下山することにした。遊歩道に戻ると、左回りの続きをしようと最初に立った2140mピークへと戻った。2140mピークを過ぎると北東に向かうようになった。上空はすっかり曇り空で、右手に見える鏡池も沈んだ風景だった。その先は長く下りが続いたが、道は遊歩道の雰囲気は無くなり、歩き難さもあって往路として歩いた西のコースと比べてマイナーな感じを受けた。また展望もロープウェイ駅に近づくまで良くはなかった。この本白根山ハイキングを終えた後は、観光客に混じって湯釜見物に向かった。午前に見た人の賑わいは変わっておらず、遊歩道は相変わらず人で数珠繋ぎ状態だったが、駐車場から10分も歩けばもう湯釜の縁に着くことになった。湯釜の水は淡い水色で濁っており、よく表現されるエメラルドグリーンと言うよりも、アクアマリンと言った方が近いように思われた。但し、その日の光りによって見え方が違うのかも知れなかった。それにしても怪しい色合いで、やはり多くの観光客を引き付けるだけの魅力を持った火口湖だった。 (2005/10記)(2024/4写真改訂) |
<登山日> | 2005年9月18日 | 昼までは快晴の空で、視界もよく澄んでいた。気温は昼どきで25℃。昼に近づくにつれ上空の白い雲は増えてきた。午後は北の空の黒みがかった雲が上空まで広がってきた。厚い雲では無くガス雲のようで、ときおり陽射しが広がった。湿度は低く、木陰は涼しかった。 | |
(天気) | 9:45駐車場スタート/9:58逢ノ峰/10:47[2140m]展望地/11:25〜12:19遊歩道最高点(途中11:40に三角点ピークに立ち寄る)/13:23ロープウェイ駅/14:00〜17湯釜見物/14:27エンド。 | ||
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