白猪山は三重県中部、松阪市街の南西に位置するが、この山を登ったのは2017年8月のお盆休暇だった。但しこの山を目指して三重県に出かけたのではなく、目的は鈴鹿の山だった。余裕を持って登ろうと、前夜は四日市市内に宿泊とした。その前日ではこの日は晴れが予想されていたのだが、朝の四日市市の空はすっかり曇り空で、しかも黒い雲だった。鈴鹿の山はと見ると、その黒い雲に隠されていた。それでもすぐに天気は回復するだろうと楽観視して鈴鹿の山に向かったのだが、菰野町に入る頃には小雨となり、鈴鹿スカイラインに入る頃には大雨になっていた。これでは暫くは天気は良くならないだろうと思えて、鈴鹿の山は諦めることにした。そしてガイドブックの「新分県登山ガイド三重県の山」を開いて三重県中部辺りの手頃な山から選んだのが白猪山だった。すぐに移動を開始し、四日市ICより東名阪自動車道に入った。渋滞はしていたものの鈴鹿ICを過ぎるとスムーズに走れるようになった。伊勢自動車道に入る頃には雨は止んでおり、西の山並みがすっきりと望めた。これなら白猪山は晴れの中で登るのではと思えた。松阪ICで降りると後はナビに従って走り、大石町に入った。程なく白猪山の登山標識が現れたので、それに従って枝道に入った。すぐに大きな案内図の前に出たので、それをじっくり見ると、どうも白猪山にはけっこう登山コースがあるようだった。その登山コースの中から選んだのが夏明コースだった。もう11時が迫っていたこともあり、一番簡単に登れそうに思えて選んだものである。その夏明コースの登山口を目指したのだが、夏明地区は細い道ばかりで迷路のようになっており、適当に走ると国道に戻ってしまった。改めて北へと走って高みを目指すと、うまく夏明コースの登山口が現れて一安心だった。その先に駐車場があり、すんなりと車を止めることが出来た。そこからのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。このコースは多くの人に歩かれているのかコンクリート舗装されており、標識も的確に付いていた。但しずっと樹林に囲まれての登りで、展望は現れなかった。助かったのはこの日の気温が低めだったことで、樹林帯の気温は24℃ほどだった。おかげでバテ気味にならずに登って行けた。山頂が近づくと石尊大権現が現れてそこに立ち寄ったが、コンクリート舗装は参道としての意味合いがあったのかと思えた。その石尊大権現の先で樹林帯を抜け出した。上空は登り始めたときは雲の多い空だったが、青空が広がって晴れた空に変わっていた。近くに二の峰と呼ばれる小さなピークがあり、そこは芝地になっていた。ちょっと立ち寄って見るとまずまずの展望地で、南の方向が眺められた。その二の峰で昼休憩をしようかと思ったが、木陰が無いためすぐに山頂を目指した。また樹林帯に入り、再び抜け出すと緩やかな斜面が広がる風景となった。前方のピークが山頂ではなく、右手の方向が緩やかな上り坂になっていた。そちらに休まず歩くと、開けたピークに着いた。そこが山頂だった。山頂は先ほどの二の峰よりも展望があって南の風景だけでなく北には鈴鹿の山並みも眺められた。どうやら鈴鹿の雨は止んでいるようだった。展望がある上に木陰もあって休むには良い所だった。しかも涼しいばかりの風もあり、夏場には何とも贅沢な気分になれた。白猪山に登って良かったと言うのが正直な気持ちで、昼食をとったり展望を楽しんだりと、40分ほど山頂で過ごした。そして下山はすんなりと登ってきた夏明コースを引き返した。その下山ではコース途中で沢に通じる小径に入った。往路で気になっていた小径だったが、沢に出てみると小ぶりな滝に出会った。おかげで暫し滝を眺めて涼味を味わうことが出来た。
(2017/9記)(2020/4改訂) |