TAJIHM の 兵庫の山めぐり <三重県の山
 
迷岳    まよいだけ 1308.7m 大台町・松阪市(三重県)
 
1/2.5万地図 : 七日市
 
【2008年1月】 2008-06(TAJI)
 
   仙千代ヶ峰より  2008 / 1

 2008年の正月山行は三重県中部の山を楽しんだが、最終日の5日は台高山地の中でもちょっとした人気の山である迷岳を目指した。コースとしてはごく一般的な北麓の飯高町森からのコースで、往路は尾根歩きとなる飯盛コースを、復路は谷側の唐谷コースを計画した。
 5日の朝の空は、少しうっすらとしていたが、まずまずの晴れだった。松阪市内のホテルを7時過ぎに離れ、国道166号線をひたすら走って行った。飯高町森で奥香肌湖へ向かう車道に入ると、程なく行く手に鋭い姿をした山が見えて来た。迷岳から派生する飯盛山の尾根で、その尾根を登ると思うと、身の引き締まる思いだった。その鋭峰を見ながらホテル・スメールへと蓮川に架かる橋を渡った。ホテルへの敷地には入らず外周路を奥へと進むとまた橋があり、その先に飯高洞窟美術館が見えていた。車をどこに止めようかと考えていたのだが、橋の手前に広い駐車場があり、そのそばにポストが立っていた。そのポストを見ると迷岳の登山ポストと分かったので、安心して駐車場に車を止めた。朝の気温は3℃だった。肌寒さを感じる中、登山ポストのそばから始まる蓮川の左岸道を歩き始めた。そのごく普通の野道を5分ほど歩くと、右手の山裾に登山道が現れた。目印が無いと通り過ぎてしまいそうだった。その登山道は飯盛山の尾根に向かって真っ直ぐに急角度で続いていた。周囲は植林地でひたすら登るのみ。空気は冷え込んでいたが、急坂登りで急激に温まった体にはむしろ快く感じられて、軽快に登って行けた。尾根に出てもその勢いのままに歩を進めた。尾根は始めは緩やかだったが、また急坂の登りとなった。いっそうの急角度で、木の根を掴んだり岩に手をかけたりまたロープを掴んだりと、とにかく手がかりになるものを助けに登って行った。振り返るとその急傾斜の様に下るにはちょっと危ない所に思えたが、登る分には面白い所だった。周囲は灌木林に変わっており、冬枯れの小枝を通して奥香肌湖が足下に見えていた。よく見ると背後の山並みのその奥に白い山が孤高のごとく覗いていた。高見山だった。その高見山が登るほどに姿を大きくしてきた。やがて急角度の所は過ぎて手を使わなくとも尾根を歩けるようになった。但し痩せ尾根には変わりなかった。その尾根にうっすらと雪が見られるようになった。雪の上に足跡が付いており、どうやら先行者が一人いるようだった。登るほどに雪の量は増えて、5センチほどになったところでスパッツを付けた。時計は10時を回っており、1時間半ほど歩いて来たことになる。周囲はいつしかシャクナゲ林となっており、その中を雪を踏みしめながら黙々と登って行くのも悪くなかった。シャクナゲ林が終わり尾根の木々にブナが見られるようになると、登山道はすっかり雪の下になってきた。その辺りで先行者を抜くと、後は雪面に足跡を付けるのは自分だけとなった。但し様々な動物や鳥の足跡は付いていた。唐谷コースとの分岐点を過ぎると雪の量は多い所で30センチほどとなり、ミニラッセルの状態になることもあった。ただ雪の少ない所もあるので、歩度が落ちるほどでは無かった。周囲はブナを主体とした裸木の自然林で、冬枯れの枝を通して周囲の尾根を見るのみ。山頂が近づくと斜度は増し、幹から幹へと渡りながら高度を上げて行った。そして歩き始めてから2時間と50分での山頂到着だった。そこは中央に山名標識と二等三角点(点名・迷ヶ岳)があり、小さく開けていた。そして周囲を自然林が取り囲んでいた。山頂は陽当たりが良いためか雪の量は少なく、地表が多く現れていた。まずはその上に腰掛けて一休みとした。少し冷たい風があったが気になるほどでも無く、落ち着きのある雰囲気の中でじんわりと登頂感を味わった。一息ついたところで周囲を眺めてみた。展望は良いとは言えなかったが裸木となった自然林の空いた所から、東に尾根続きとなる口迷岳が近くに見えていた。北西方向にも展望があり、梢越しに高見山が望まれた。その高見山の左手に樹間を通して白い山並みが覗いていた。気になったのでどうにか確認したいと手頃な木に登ってみると、それは明神岳から国見山へと続く尾根だった。いずれの山も迷岳よりも高いとあってすっかり白くなっていた。この展望だけでは飽きたらず、と言うよりも台高の核心部も眺めたく、少し尾根を歩いてみることにした。口迷岳方向に歩くことも考えたが、木々を通しての眺めでは西の方向が開けているように見えたので、そちらへ歩いてみることにした。雪も少なく歩き易いようでもあった。山頂に着いたときは陽射しが雲に隠されていたが、尾根歩きに移った頃より上空の雲は消えて、すっかり青空が広がっていた。明るい陽射しの下、冬枯れの木々の中を10分ほど歩くと、一気に視界が開けて来た。そこは伐採地なのか南面に木々は見えず、絶好の展望地になっていた。間近に鋭い姿を見せるのは古ヶ丸山のようで、南の方向に少し離れた台形の姿は、二日前に登った仙千代ヶ峰と思えた。そうなると南西遠くに見える大きな尾根は大台ヶ原の山並みということになる。期待通りの展望に出会えて、ちょっぴりうれしい気持ちでひととき目を楽しませた。その展望だけでなく周囲の木々の様も足下の苔の佇まいも優しげで、すっかり迷岳の雰囲気が気に入ってしまった。その満ち足りた心のままに再び山頂へと戻って行った。下山は予定通り唐谷コースを下ることにした。尾根の分岐点から唐谷コースへと入ると、尾根では無く山の斜面を下ることになった。その斜面に付いているはずの登山道はすっかり雪の下になっていた。もう目印テープを頼りに下るしかなく、コースを外れないように慎重に下ることになった。但しテープは適度に付けられており、見失うことは無かった。おかげでどんどん高度を下げて、20分ほど下ると雪の量は減って目印テープを頼る必要は無くなった。そのうちに沢音が聞こえて来ると、程なく沢そばに下り着いた。その沢を渡ったり沢沿いを歩くうちに雪はほとんど見られなくなった。そして沢は深くなって幾つか滝も見られるようになった。すっかり谷あいの風景となった中を下って行くと、赤く塗られた小さな鉄橋が現れ、二つめの鉄橋を渡った所でひときわ大きな滝と出会った。ガイドブックを開くと二ノ滝のようだった。水量豊かな二ノ滝をひととき眺めた後、ほんのひと歩きしたところが林道終点だった。後は林道を下って駐車地点へと戻って行くだけだったが、その林道からも南に三峰山の尾根を眺められたり、鋭い表情の飯盛山の尾根を眺めたりと、さほど退屈を感じることも無く下って行けた。そして迷岳登山にすっかり満足して帰路についた。
(2008/1記)(2021/12改訂)
<登山日> 2008年1月5日 8:28スタート/8:34飯盛コース登山口/9:08[630m]ピーク/10:35唐谷コース分岐点/11:18〜28迷岳/11:50〜12:15展望地/12:27〜40迷岳/13:05唐谷コース分岐点/13:58〜14:07林道終点(二ノ滝)/14:44エンド。
(天気) 晴れ。朝のうちは上空は青空ながらうっすらとしていた。また雲も多かったが、次第に空の青さは増して雲も少なくなって来た。気温は3〜5℃。山頂に近づいた頃より北風を受けるようになる。視界はまずまず良かった。
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飯盛コースのある塩ヶ瀬集落に近づくと飯盛山の
前衛峰が鋭い姿を見せていた
駐車場のそばに登山ポストがあり、そこより唐
谷川の左岸を歩き始めた
左岸路を5分ほど歩くと、山へ向かって上り
坂が始まった
       
最初に急坂の植林地を登って行く  木の根が露わになった所を見る 飯盛山では岩場を多く見た
   
右手に蓮ダム湖を見ながら登って行く  左の写真の奥に覗く高見山を大きく見る  登るほどに高見山の姿が現れて来た
   
尾根には次第に雪が現れた  木々を通して周囲の尾根を見る  唐谷コース分岐点を過ぎる
   
登るほどに尾根の木々にブナが増えて来た 雪上の小さな足跡はタヌキのようだった  山頂が近づいて南東方向に現れたのは口迷岳か
   
山頂に着いた 落ち着いた雰囲気だった 山頂の木々を眺める ブナの木が多かった  山頂から東に見える山は口迷岳かもしれない
  

 山頂から北西に
 高見山を見る

    高見山を大きく
    見る
  
山頂から西に木々を通して白い山並みが見えた 気になって手頃な木に
登ってみると明神岳の尾根だった(上の写真の左手)
左の写真の中央部を大きく見る
  
   
展望を求めて山頂から西へと尾根を下る 冬枯れの風景を見ながら進んだ 山頂方向を振り返る
   

 西に10分ほど歩く
 と伐採地なのかすっ
 きりとした展望地が
 現れた 南から西に
 かけて遮るものの無
 い展望が広がってい
 た

 上の写真の仙千代
 ヶ峰を大きく見る

     上の写真の古ヶ丸
     山の尾根を大きく
     見る
  
展望地の陽当たりの良い所は苔に覆われた地表
が現れていた
尾根の逍遙も楽しく山頂へと戻って行った 唐谷コースはすっかり雪に覆われていた 、目
印テープを頼りに下って行く
  
下るほどに雪は減って登山道がはっきりして来
唐谷コースでは何度か沢を横切った   登山道からは幾つか滝が見えたが、この滝が一
番大きかった 二ノ滝だろうか 
   

 林道に下り着く
 と南に大きな山
 並みが見えてい
 た 三峰山の尾
 根のようだった

  尾根を大きく見る
   

 右上の写真に写
 る修験業山と栗
 ノ木山を大きく
 見る

 林道を歩いている
 とき、左手に飯盛
 山の尾根が荒々し
 く見えていた