TAJIHM の 兵庫の山めぐり <岐阜県の山 
 
小秀山    こひでやま 1981.9m 中津川市(岐阜県)
大滝村(長野県)
 
1/2.5万地図 : 滝越
 
【2006年10月】 2006-78(TAJI&HM)
 
   山上に出て第二高原付近より 2006 / 10

 御嶽山は注目度の高い山の一つだが、名古屋では断然一番の注目度ではと思える。冬の季節になると、濃尾平野の周辺を区切る山並みから、その白い姿が他を圧倒するように抜け出しているのが眺められる。また東海地方のほとんどの山からその姿を望むことが出来、東海地方の山を登る楽しみの一つになっている。その東海地方の中でも御嶽山の南西から南にかけて広がる山並みは阿寺山地と呼ばれており、いずれの山も御嶽山を間近で眺められる山として知られている。その阿寺山地の最高峰が小秀山である。この小秀山は日本二百名山にも選ばれており、単に御嶽山を展望する山と言うことだけで無く山上は高原状になって伸びやかな風景が広がっており、麓の乙女渓谷では滝巡りも楽しめるとあって、この地域では御嶽山に次ぐ人気の山になっている。ただ難点は登山時間が少々かかることで、ポピュラーな乙女渓谷キャンプ場からのコースでも標準登山時間が往復8時間と、健脚向きコースになっている。この小秀山を登るのであれば、晴天の期待出来る日であることはもちろんだが、乙女渓谷の紅葉の楽しめる秋の季節でと考えていた。
 それを実現したのが2006年10月下旬のこと。この日の天気予報は、午前が快晴で午後より天気は悪化するとなっていた。そこで出来るだけ早く登りだそうと、名古屋を出たのは早朝の6時前だった。中央道を中津川ICで降り、国道257号線を走って登山口となる乙女渓谷キャンプ場に着いたのは8時に間に合う時間だった。空は期待以上の快晴で、真っ青な空に雲一つ見えなかった。キャンプ場の駐車場には既に3台ほど止まっていたが、人影は見られなかった。キャンプ場からは二ノ谷から登る二ノ谷コースと、三ノ谷から登る三ノ谷コースがあり、この二つのコースは山上の高原に出る手前で合流している。この二つのコースを比較すると、二ノ谷コースは乙女渓谷を通るだけに時間がかかるように思え、そこで早く山頂に立てそうな三ノ谷コースを往路とし下山に二ノ谷コースを通ることにした。朝の冷気の中、三ノ谷コースを歩き始めた。車道をそのまま歩き続ける形で薄暗いキャンプ場を抜けると、車道は林道となって緩やかなまま白川沿いを続いた。林道を30分ほど歩くと登山口の標識が現れて、そこより山道が始まった。コースは三ノ谷とは少し離れた位置をジグザグ道となって斜面に続いていた。周囲は雑木林となっており紅葉が始まっていた。その登りは少し単調だったが、ひんやりとした空気の中を登って行くのは気持ちの良いもので、けっこう軽快に登って行けた。ただ樹林に囲まれているため展望は無く、ときおり木々が切れたときに近くの尾根が眺められる程度だった。その尾根が朝日に照らされて、明るく輝いていた。また登るほどに樹林にダケカンバが混じり出した。やがて登山道はトラバース道となり、その途中で鶏岩が眺められたりもした。そこを過ぎ、尾根登りとなって二ノ谷との合流地点に着いたのは、歩き始めてから2時間以上が経過していた。その合流点で不穏な立て札を見た。二ノ谷コースは崩壊地があって登山禁止のようなことが書かれていた。これには少々がっかりさせられたが仕方がない。まずは山頂を目指すだけである。それまでは比較的緩やかなままの山道だったが、その先で急坂が始まった。岩肌の目立つ尾根登りとなり、両手を使って登って行くと、周囲の木々は低くなり一気に展望が広がって来た。背後を振り返ると遮るものも無く、広々と展望が開けていた。その彼方に他より抜け出した山が見えたが、どうやら白山のようだった。その急坂を登って行くと、ひときわ大きな岩が近づいて来た。それがカブト岩のようで、そのカブト岩の一帯は岩場になっており足下に注意を要する所だった。その岩場を登っているときに北隣の尾根を見ると、その尾根越しに荒々しい山稜が覗いていた。その山頂は岩塊となって朝日に輝いていた。もう一目で御嶽山だと分かる迫力で、その大きさに御嶽山との距離の近いことを実感させられた。カブト岩の上に立って一休みとする。そこは極上の展望台で、改めて白山、御嶽山の展望を楽しんだ。そこを過ぎると尾根は緩くなり、山上の高原地が見えて来た。その先に御嶽山の山頂も見えていたが、はやその上空には雲が広がろうとしていた。まだ11時になっていないのに、早くも天気は変わろうとしているようだった。高原地は山頂までに第一高原、第二高原、第三高原とあり、それぞれの間には森となった小さなピークがあり、アップダウンを繰り返しながら山頂へと近づいて行った。もうのどかな高原歩きで、展望もあって楽しいハイキングだった。東を見ると恵那山が見えており、その北には中央アルプスも眺められたが、その中央アルプスの山稜にはもう雲がかかっていた。それにしてもそこまで来て出会ったのは下山者の3名のみで、全くのマイペースで登って来られた。そして山頂に立ったのは、歩き始めてから3時間半後の11時40分過ぎだった。山頂はさほど広くは無かったが、10人は適度に休める広さはあり先着者が3名ほど休んでいた。その山頂に着いて真っ先に飛び込んで来たのが、御嶽山の全姿だった。もう山頂は雲に隠されていたが、その大きさは圧倒的な迫力だった。まさに木曽の盟主と言える風格を持って聳えていた。暫し瞠目である。この小秀山の三角点そばには岩が点々とあり、その一つが絶好の展望岩になっていたのでその上で休憩とした。もう上空にも雲が広がっており、陽射しは消えたり現れたりを繰り返すようになっていた。陽射しが消えると少し肌寒さを覚えたが、山頂の気温は12℃はあり休む上での支障とはならなかった。この小秀山山頂は御嶽山だけで無く白山も見えるのだが、そちらの空はもう薄モヤがかって判然としていなかった。午後に入るとほぼ曇り空となったため、下山時間を考えて12時半に山頂を離れた。二ノ谷コースが通れないため下山は往路を辿るつもりで戻って行く。その途中の第二高原でのことだった。すれ違った夫婦と何気なく会話を交わすと、二ノ谷コースを登って来たと知らされた。崩壊地は大したことは無く、ただ急坂を慎重に登ればとのことだった。そこで予定通り二ノ谷コースで戻ることにした。なるほど「カモシカ渡り」と呼ばれる尾根は細尾根の急坂となっており、三ノ谷コースと比べてマイナーな感じは否めなかったが、危険と言うことも無くひたすら慎重に下って行った。急坂下りだけに一気に下ったこともあって、沢そばには分岐点から1時間少々で下り着くことになった。そこは夫婦滝のそばであり、雄滝が落差のある雄大な姿で眺められた。そこが乙女渓谷の奥詰めと言える位置で、そばまで真新しい遊歩道が作られていた。時間は15時が近づいていたが、後は遊歩道を歩くのみなので、夕暮れの色合いとなった中で、紅葉の始まった乙女渓谷の散策をのんびりと楽しんだ。
(2006/12記)(2010/7改訂)(2022/10写真改訂)
<登山日> 2006年10月28日 8:04スタート/8:38三ノ谷登山口/10:21二ノ谷・三ノ谷コース合流地点/10:42〜47カブト岩/11:03第二高原/11:25第三高原/11:41〜12:31山頂/13:18第一高原/13:38二ノ谷・三ノ谷コース合流地点/14:40夫婦滝の上部/14:53夫婦滝展望台/16:00エンド。
(天気) 朝は快晴。真っ青な空に雲はほとんど見られず。朝の気温は10℃と、冷え込みは少なかった。また風も無し。その晴れていた空が11時頃よりまず高峰にガスが現れ、そして南の空から薄雲が広がり始め、昼には上空まで薄曇りとなる。山頂の気温は12℃で、少し肌寒さを感じる風を受ける。午後に入ると空はほぼ薄曇りとなったが、それ以上に悪くはならず、ときおり晴れ間も覗いた。視界は良く澄んでいた。
<< Photo Album 2006/10/28 >>
キャンプ場の横を通る林道が三の谷コースへとつながっていた 林道を歩いて行くと、澄み切った空の下で小秀山から西に続く稜線が眺められた 林道を30分ほど歩いて三の谷コースの登山口に着いた
登山道を登り始めると、木の根が露わになっているところに出会った 登山道はごく普通の雰囲気だったが、つづら折りの道として長々と続いた 北に稜線が見えると、すっかり明るくなっていた 上空は快晴だった
つづら折れが終わって、登山道は緩やかになった 登山道はトラバース状になると、途中で鶏岩を見た 北の稜線もくっきり見えていた
二ノ谷コースとの合流点を過ぎると急坂となった 西に向かって一気に展望が広がった 左の写真に写る白山を少し大きく見る

展望が広がって北
を見ると、向かい
の尾根の背後に御
嶽山がくっきりと
見えていた

御嶽山を大きく見


(←)
山上に出る手前で
兜岩に出会う

 (→)
  兜岩で改めて御岳
  山を眺めた
山上に出ると、小秀山へと尾根が高原状で続いているのが眺められた 第二高原を歩く すっかりピクニック気分だった

気が付くと御嶽山
に雲がかかろうと
していた


第三高原を歩く

山頂まであとひと
登りだった

第三高原より東の
方向を眺める

中央アルプスの北
部は僅かな時間で
雲に隠されていた
小秀山の山頂に着いた 休むには適度な広さだった 山頂は御嶽山の最高の展望台だった 北にどんとばかりに見えていたが、その山頂は雲に隠されていた
山頂から恵那山の方向を眺める 山頂から中央アルプス南部の尾根を少し大きく見る
山頂より御嶽山の左手となる北西方向を眺める 山頂で休んでいる間に、雲は更に下がってきた
山頂より歩いて来た高原の方向を眺めた 少し西に離れた位置から山頂を眺めた 北向かいの尾根に光が当たっているのを見る
紅葉を始めた樹林を遠望する 下山を始める 上空にも雲が広がり出していた 山頂方向を振り返った

第二高原を過ぎて
樹林帯を歩いた

奥三界岳の良く眺
められる所があっ


第一高原付近より
南東方向を眺めた

左の写真に写る二
ツ森山と思える山
を大きく見る
優しげな道を戻る 南に前山を見る 下山時に、改めて兜岩を眺めた
カモシカ渡りを下り始めると南西方向に展望が開けた 山並みは墨絵の世界だった カモシカ渡りを下る途中で空を見上げた
カモシカ渡りを下りきると、孫滝のそばに出た 沢沿いを歩いて行くが、けっこう歩き難さがあった 子滝の前に出た
展望デッキに着くと夫婦滝の雄滝が見上げられた 展望デッキから先は遊歩道が作られていた 遊歩道のおかげで一気に楽になった
遊歩道から山肌の紅葉を見る 烏帽子岩はその名の通りの姿だった 振り返ると夫婦滝の二つの滝が遠望出来た
天狗岩が鋭い姿を見せていた 紅葉の中でも、この赤い色付きは目立っていた 「和合の滝」を見る
「ねじれ滝」を見る 急斜面も遊歩道のおかげで楽々下れた 渓谷美を楽しみながら登山口へと近づいた