二度目の賤ヶ岳も余呉湖の南岸側にある国民宿舎余呉湖荘のそばから始まる登山道を歩いて行くことにした。二度目なら北岸の辺りから大岩山経由で尾根歩きを楽しむか、琵琶湖側からのコースで登ってもよかったが、この二度目は急な思い付きからだった。2012年9月の中旬に湖北の山を目指したのだが、その目的の山は横山岳と七々頭ヶ岳だった。どちらも関西百名山に選ばれており、湖北では名の通った山だった。その両山から近い位置で泊まることにして決めたのが余呉湖の南岸側にある余呉湖荘だった。余呉湖荘と決めてからもまだ賤ヶ岳を登る気は無かったのだが、初日の横山岳登山を終えて宿に着いたとき、部屋からは余呉湖が眺められた。そのとき余呉湖を山上からも眺めてみたいと思った。そうなると賤ヶ岳が最適な訳で、すぐに賤ヶ岳に登る気持ちが固まった。30分ほどで山頂に立てる山なので、二日目に予定していた七々頭ヶ岳の登山開始を2時間もずらせば済むことだった。これが前回と同じコースで賤ヶ岳を登ることにした次第だった。
翌日は9月15日。ゆっくりと朝食をとってから宿を出た。車は余呉湖荘の了解を得て、そのまま宿の駐車場に止めて置くこととした。この日は前日よりも天気は良いようで、余呉湖荘の上空には青空が広く見られた。駐車場の西外れが登山口なので、何ともお手軽なスタートだった。その後は遊歩道のような登山道をずっと歩くだけであり、また多くのガイドブックで紹介されてもいるので、登山の様子は下の写真をご覧いただきたい。朝の山頂は快いばかりの風が吹き抜けており、ひたすら涼しかった。そして静かな湖面を見せる余呉湖を足下に見ながら、暫しのときを過ごした。ただ山上から見る風景としては、その余呉湖よりも青いばかりの水の色をたたえた琵琶湖の北岸の風景の方が印象が強かった。どうも上から見る余呉湖は小ぢんまりとし過ぎて、琵琶湖を見たときほどの伸びやかさが感じられなかった。時間はまだ9時過ぎとあって、山上には数人の人影を見るだけだった。おかげで観光客の中に混じってしまった違和感を感じずに済んだのは良かった。また改めて賤ヶ岳山頂の展望は一級品で、登って良かったと十分に思えたのも良かった。
(2012/9記)(2021/4改訂) |