TAJIHM の 兵庫の山めぐり <滋賀県の山
 
三上山  (近江富士) 432m 野洲市(滋賀県)
 みかみやま
1/2.5万地図 : 野洲
 
【2015年11月】 2015-103(TAJI&HM)
 
   野洲川大橋の近くより  2015 / 11

 三上山は近江富士とも呼ばれるように、富士山の形をした端正な山で、名神高速道を西から走っていると真正面から見ることがあって、目立つ山と言えそうだった。その三上山を2015年11月の快晴の日に訪れた。車は三上山にごく近い御上神社の駐車場を利用することにした。その日は平日だったので、駐車しても迷惑にならないだろうと考えてのことだった。また平日なら静かな登山を楽しめそうとも考えて三上山に近づいた。ところが御上神社に着いてみると、驚いたことに中高年グループがバス2台で来ていた。総勢100人ほどは居りそうで、その姿からして三上山のハイキングに来ているようだった。同じ登山道を歩きたくなく、裏登山道を往路とすることにした。その前に御上神社を暫し参詣して、グループとの時間を開けることにした。御上神社を離れたのは到着後20分が経ってからだった。すっかり静かになった駐車場を後にして国道8号線を横断すると、三上山登山道の案内標識が現れた。それに従うと野道を歩いて住宅地に近づいた。案内標識はその後もあり、しかも表登山道と裏登山道の案内もあって、すんなりと裏登山道に近づけた。山裾道を歩いて裏登山道の登山口に着くと、そこには数台分の駐車場があったが、既に埋まっていた。裏登山道には害獣避けゲートを通って入ることになった。裏登山道に入ると、そこはいかにも御上神社の杜と言った感じの鬱蒼とした樹林帯だった。古からの道だったが、急坂になると丸太の階段道になっていた。樹林帯の気温は18℃ほどで、さほど汗をかかずに登って行くと、20分ほどで尾根に出た。登る方向が東から北東へと変わって尾根歩きとなった。尾根は緩やかだったが、あと500m地点を過ぎると少し傾斜が増してきた。そのうちに急斜面を登るようになると、登山道も細々とした道になってしまった。階段の道が続くようになると、左手に「姥の懐」への小径が分かれた。その名に興味を持って寄り道してみると、大岩が重なり合って、その隙間が洞窟のようになっていた。登山コースに戻って急斜面登りを続けると、ゆったりとした道に合流した。山頂は目前だった。その山頂からは中高年グループの声が聞こえていたので、ひとまず近くで小休止することにした。緩やかな尾根道を山頂とは反対の方向に歩くと、「苔が谷」が現れた。そこは日陰だったのでもう少し先へと歩くと、小さな祠と鳥居が現れた。そこは「東龍王」で、そのとき気付いたのは、今歩いている尾根道が本来の裏登山道だと言うことだった。どうやら途中で裏登山道を外れてバリエーションルートを登ってしまったようだった。道理で急斜面に細い道が続くと思った。そのとき山頂のグループが下山を始めるのを待つぐらいなら、どこで道を誤ったか突きとめてみたいとの思いが湧いてきた。パートナーにその考えを言うと、祠のそばで待っているとのことだった。そこで単独で戻ることにした。裏登山道を下って行くが、いかにも参道と言えそうなゆったりとした感じで続いていた。急坂部には手摺りも付いていた。どこでコースを外れたのかはっきりしないまま下って行くと、山頂まで500mの地点まで戻ることになった。そこから改めて登り直した。そして分かったことは、裏登山道が右手に大きく曲がる位置で直進してしまったようだった。正しい裏登山道を登って祠に戻ってきたのは、祠を離れてから30分後だった。これだけ時間が経っておれば山頂は静かになっているのではと思いながら近づくと、大勢の子供の声が聞こえてきた。そして山頂が間近になったとき、幼稚園児と見られる何十人もの小さな子供とすれ違った。どうやら三上山は幼稚園児がハイキングで登ってくる山のようだった。山頂に着くと登山グループは既に去っており、また子供たちもいないとあって、山頂に残っていたのは8人ほどのハイカーのみだった。おかげで希望通りに静かな山頂になっていた。三上山の山頂は最高点の位置こそ樹林に囲まれて展望は無かったが、南西に面する側は露岩地になっており、そちらはすっきりと展望が広がっていた。足下には野洲川が流れ、その背後は金勝アルプスだった。そして右手となる北西方向には琵琶湖も覗いており、その背後の大きな山は比叡山だった。ほとんどのハイカーはその露岩地で休んでおり、こちらもその中に加わった。露岩地とあってまともに陽射しを受けることになったが、すでに11月とあって暑くは無く、風の涼しさが快かった。休む間にハイカーがぽつりぽつりと登ってきた。平日であることを考えると、三上山はけっこう人気のある山のようだった。山頂で風景を楽しみながら過ごしたのは30分ほど。下山は表登山道を下って行くことにした。鳥居の建つ位置が裏登山道と表登山道の合流点で、表登山道へと入った。始めに岩の目立つ急坂を下るが、適度に手摺りも付いており、無難に下って行けた。この表登山道は展望があり、琵琶湖の風景が眺められることになった。比叡山だけでなく、蓬莱山を始めとする比良の山並みが一望だった。暫く下ると裏登山道と同様に樹林帯に入って展望は消えた。やはり表登山道と名が付くだけに、裏登山道より道幅は若干広く、歩き易さも少し勝っていると思えた。階段部分が多くあるものは仕方ないが、やはり古くから歩かれてきた道としての落ち着きがあり味わいのあるコースだった。麓が近づくと灯籠が現れ、その先で害獣避けゲートを抜けると、住宅地へと入った。後は往路で歩いた道を逆になぞることになり、御上神社へと戻って行った。
(2016/6記)(2020/9改訂)
<登山日> 2015年11月4日 10:16御上神社駐車場スタート/10:25裏道コース登山口/10:47あと500m地点/11:01姥の懐/11:05裏道コースに合流する/11:31一度あと500m地点に戻る/11:54〜12:21山頂/12:59表道コース登山口/13:09エンド。
(天気) 快晴。空の色は薄く、雲は僅かだった。樹林帯の気温は18℃だったが、山頂では22℃まで上がっていた。風は弱く吹いており、快い涼しさだった。視界はまずまず良いものの、遠方は少しうっすらとしていた。
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平日でもあるので御上神社の駐車場に車を止めた 三上山に向かう前に、御上神社を訪れた 境内の散策を楽しんだ 奥に見えるのが本殿だった

 駐車場に戻ってき
 た 国道8号線を
 越えた先に三上山
 が望まれた

 国道8号線を渡っ
 て、三上山へと向
 かった
案内標識に従って歩いた 往路は裏道コースを登るべくそちらの道に折れた 山裾に近づいた
裏道コースの登山口に着くと数台分の駐車場を見た  裏道コースの登山口に入った
登山口の標識を見る 害獣避けゲートを通過する 始めは植林地を登った
登山道が二手に分かれたが、真っ直ぐ登って行く 裏道は落ち着いた感じで、良い雰囲気だった 周囲は薄暗い樹林帯となり、黙々と登った
尾根に出てきた そこからは北東へと歩いた 登山口から600m、山頂まで500mの標識
を見る
また陽射しを受けながら歩いた
気が付くと登山道が少し荒れ気味になっていたが
このとき既に裏道コースから外れていたようだった
急坂にもなってきて、とにかく登って行くと、
「姥の懐」の標識が現れた
「姥の懐」に寄り道した 洞窟になっていた
急坂登りを続ける ロープに掴まりながら登った 裏道コースに合流した 山頂から大勢の声が聞
こえたので、近くで休憩をとることにした
山頂とは反対方向に歩くと「苔が谷」と呼ばれる
所があり、そこの岩場からは少し展望があった
「苔が谷」から眺められたのは鏡山のようだっ
更に南東へと歩くと「東龍王」が現れた そこに着
いて、今歩く道が裏道コースであることが分かった
どこで裏道コースを外れたかを知ろうと祠の位置
にパートナーを残して一人で裏道コースを戻った
裏道コースはメインコースらしく緩やかで、手
摺りの付けられた所も現れた
結局、山頂まで500m地点まで戻って歩き直すこ
とになった

 そして分かったこ
 とは、裏道が右に
 折れる地点を真進
 していたことだっ
 た

 裏道コースで改め
 て山頂へと向かっ
 た
祠に戻って来ると、パートナーは読書をしなが
ら待っていた
山頂が間近になると、下山を始めた幼稚園児と
すれ違った
山頂に建っていたのは、御上神社の奥宮だった

 奥宮の背後が三
 上山の最高点で
 少し開けていた

 但し周囲を樹林
 が囲んでおり、
 展望は無かった

 

 鳥居の前が岩場
 になっており、
 展望地になって
 いた ハイカー
 は皆そこで休ん
 でいた
岩場に立つと金勝アルプスから比叡山までが一望だった
上の写真に写る阿星山を大きく見る 金勝アルプスの尾根を眺める 鶏冠山を大きく見る
大峰山の方向を大きく見る 千頭岳の方向を眺める 比叡山を大きく見る

 立つ位置を変える
 と、阿星山の東に
 続く山並みも眺め
 られた

 山頂で30分ほど
 休むと、表道コー
 スで下山の途につ
 いた
表道は適度な道幅で、手摺りも付いていた 自然な感じで歩ける所もあった 展望の岩場が現れた

 山頂で見るよりも
 広く琵琶湖が眺め
 られた

 上の写真に写る
 蓬莱山を大きく
 見る

 また手摺りに掴ま
 りながら下った
山頂まで200mの標識を見る ちかくにあったのが「割岩」だった 割岩は名のごとく大きく二つに割れていた
裏道コースと同様に良い雰囲気の登山道だった 丸太の階段が続いた 灯籠の並ぶ所が現れた
また階段を下るようになった 階段は麓が近づくまで続いた 表道登山口には害獣避けゲートが設けられていた
住宅地の一角に出てきた 裏道コースが合流すると後は往路で歩いた道だった  御上神社が見えてきた