TAJIHM の 兵庫の山めぐり <京都府の山
 
由良ヶ岳    ゆらがたけ 640.0m 宮津市・舞鶴市(京都府)
1/2.5万地図 : 丹後由良・西舞鶴
 
【2010年9月】 2010-79(TAJI&HM)
 
   東麓の由良地区より  10/9

 「由良の戸を渡る舟人・・・・」と百人一首に読まれている由良は、由良川の河口のそば、左岸に広がる町。その由良の町が近づいてくると、西に間近く二つのピークを持った山が、すっくと立っているのが眺められる。それが由良ヶ岳で、関西百名山の一峰であり、また丹後由良駅から登れる山でもあるので、人気の山となっている。2010年9月の最初の週末は、好天に誘われて若狭の地に向かった。そして4日の土曜日に登ったのは小浜市街に近い百里ヶ岳だった。鯖街道を歩けることに魅力を感じのことで、山頂近くのブナ林は美しく、楽しいハイキングとなった。ただ残暑の厳しい盛りに6時間近くのハイキングをしたため、けっこう足がくたびれてしまった。その夜に求めた宿は舞鶴市内だったので、翌5日は舞鶴市近郊の手頃な山を登ろうと考えた。そこで新・分県登山ガイド「京都府の山」を参考にして決めたのが、由良ヶ岳だった。標高は600mを僅かに越える程度であり、比較的短い時間で登れそうなため、疲れた足には程良い山ではと思えた。また山上から海が眺められるのも魅力だった。
 5日の日曜日も前日に続いて快晴だった。舞鶴市内のホテルを離れたのは8時半のこと。国道27号線、175号線と走り、念仏峠を過ぎて県道568号線に入った。由良川の右岸道路を走って八雲橋が近づくと、北西方向に大きな山が望まれた。由良ヶ岳と思われたが、その姿は双耳峰では無く三角錐の形で見えていた。八雲橋を渡って左岸道路となる国道178号線を北上する。宮津市に入ると北近畿タンゴ鉄道の丹後由良駅の標識が現れたので、その丹後由良駅を目指した。駅が近づくと、なぜか路上駐車の車が多く見られるようになって、ちょっと通行の妨げになるほどだった。それが駅前に出ると、閑散としていた。駅の北側に広い駐車場があり数台の車が止まっていたが、その車の止まり方から、どうやら無料のように思えたので、こちらもそこに駐車とした。由良ヶ岳が西の空に、すっきりとした双耳峰の姿で大きくそびえていた。その上空はきれいな青空だった。その由良ヶ岳へは線路から見ると海側を走る車道を暫く線路と平行して歩くことになるが、そのとき路上駐車の原因が分かった。道路の北側には由良小学校が建っており、ちょうどこの日が運動会だった。少し眺めていると大人を含めてのマラソンがあったりして、町をあげてのイベントのようだった。その小学校の側を通り過ぎて今少し歩くと十字路があり、そこに立つ標識で左手に折れた。道は正面に見える由良ヶ岳へと真っ直ぐ向かっていた。歩いて行けば自然と登山口に着くはずだった。もう辺りは住宅と畑だけとあって、陽射しを遮るものが無いので、まともに陽射しを受けることになった。まだ9時を過ぎた時間だったが、もう気温は32℃まで上がっていた。線路を渡った先より山裾となって緩やかな上り坂が始まった。安寿荘と国民宿舎のそばを通り過ぎると、右手に登山口標識が現れた。その手前はちょっとした広場になっており、数台の車なら止められそうだった。但し、そこには一台の車も止まっていなかったが。登山道に入ると、すぐに一合目の標識が現れた。周囲は雑木林が囲んでいた。登山道は緩やかで歩き易かったが、林の中もけっこう暑く気温は29℃より下がらなかった。たちまち大汗をかいての登りとなった。また登山道は緩やかに続いているものの、道がえぐられたようになってきた。地質が花崗岩質のためかも知れなかった。登ることは優しいのだが、暑さに次第に体がだるくなってきて、歩度が鈍ってきた。そのため合目の標識が現れるたびに一休みとした。周囲の木々は登山口から雑木林で続いていたが、五合目が近づくと植林帯を登るようになった。そして斜度が増してきた。相変わらず気温が高い上に風が無く、何とも暑い登りだった。六合目を過ぎると、雑草が茂ってヤブっぽくなった所も現れて、それも煩わしかった。七合目はこのコースの一つのポイント。近くに「一杯水」の水場があると標識があったので、そちらに行ってみると涸れていた。ガイド本では「したたり落ちている」と書かれていたので、ちょっと残念だった。その辺りまで登ると少しは風が出るようになっており、ほのかな涼しさを感じるものの、気温は高いままなので気休め程度だった。その先も急斜面は続き、周囲にササが増えてきた。その中をあえぎながら全身汗みずくとなって登って行く。山稜に漸くの思いで着いたときは、登山口から1時間半が経っていた。何度も休憩していたので、ちょっと時間がかかったようだった。その九合目にはベンチが置かれていたので、そこでも一休みとした。その位置で標高は580mだった。南東へ500m歩けば東峰のピークで、北西へ1300m歩けば西峰のピークに立てるようだった。先に距離のある西峰に向かうことにした。もう緩やかな尾根歩きだった。優しげな自然林の中を歩いて行く。良い雰囲気だった。気温も尾根に出てからは27℃まで下がっていたので、そのことも楽に歩く助けとなった。その雰囲気の中を歩いていると、突然左手が明るくなった。そこに見えたのは林道で、この稜線に接した位置が終点になっていた。漸くの思いで着いた稜線に林道が来ていたのかと、ちょっと違和感を覚えたが仕方がない。その先も程よい道が続いていたのだが、小さなピークを越すとササが道を塞ぐようになり、ヤブっぽくなった。暑い中でササを払っていくのは、やはりしんどいことだった。ヤブの状態が多少良くなったとき、左手に展望が現れた。「岩場のひろば」とあり、そこからは若桜の海が眺められた。その位置より少し登った所が西峰のピークだった。ごく狭い範囲で開けており、ベンチが置かれていた。そのベンチがちょうど木陰になっていたので、まずは腰掛けて火照った体を木陰を渡る風で暫し涼ませた。そこには三角点があるだけで無く、由良ヶ岳の最高点でもあるので、山頂の形態が整えられており、北に見える風景の俯瞰図も置かれていた。そこで一息つくと、展望を楽しむことにした。ところが前面のササが茂ったのか、図のようにはすっきりと見えなかった。そこで近くの標識の上に立ってみると、足下には天橋立も眺められて、ほぼ俯瞰図通りの展望となった。涼しい風のおかげで疲れは薄れたようで、20分ほどの休憩で西峰を切れ上げた。次は東峰を目指した。九合目標識のある分岐点に戻り、そして南東へと歩いて行くと、傾斜が増したとき、登山道は二手に分かれた。急坂のままに登るコースと、緩い坂のままつづら道となっているコースだったが、早く山頂に着こうと、急坂コースを登って行く。つづら道コースとはときどき接しながら、10分も登ればもう山頂は近くなった。そして樹林帯から抜け出るようにして、陽射しのあふれる東峰山頂に出た。その東峰には広い範囲で樹木が無いため、陽射しがまともで一気に暑くなった。ほんの僅かある風に涼しさはあったが、じっとしているだけで汗が出てきた。但し、展望は素晴らしかった。山頂の一段高くなった位置に虚空蔵菩薩を祀った石の祠があり、そのそばに立つとそれこそ360度と言える展望だった。眼下には由良川と由良の町のの風景があり、その先は若狭湾だった。南から西、北へと丹後の山並みが続く。そちらはうっすらとした見え方だった。暑ささえ無ければ腰を下ろして、この東峰でも暫し休みたいところだが、何としても暑かった。35℃はありそうな暑さで、さすがに長居は出来なかった。15分休むのが限度で、下山とした。ところで一つ気になったことがあった。それはガイド本ではこの東峰の高さは585mとされているのだが、北西に見える西峰の方が低いように思われた。せいぜい同じ高さぐらいで、ガイド本に書かれているように50m以上東峰が低いとは思われなかった。そのことは後ほど調べるとして、足早に東峰を後にした。せっかく西峰で回復した体も、東峰の暑さでまたぐったりとしてしまった。但しひたすら下る方向なので、足の下りるままに下って行った。急坂が多いだけにどんどんと下って行ったが、その下山中に持っていた飲料をほぼ飲みきってしまったため、途中からのどの乾きが辛くなってきた。それをがまんしながら休まず下ると、下山は速かったようで、東峰から登山口までは一時間とかからなかった。早く下りられたのは良かったが、もう体はとにかく水分を求めていた。時間は13時を過ぎたばかりとあって、麓の由良の町は炎天下だった。その中を早足気味に歩いて丹後由良駅に戻り着くと、たまらずペットボトルを買い求めた。そして一口で一本を飲みきってしまうと、再び汗がどっと噴き出てきた。ごく気楽な登山を楽しもうとの考えで登った由良ヶ岳だったが、この暑さは予想外で、前日の百里ヶ岳よりも苦しかったのではと思えた。そして今一度登るなら、涼しい季節と言わず、寒い冬にでも登って、改めて山頂展望を楽しみたいものだと思った。この何とも暑かった由良ヶ岳だったが、その暑さの中でも10人を越えるハイカーと出会っていた。やはり人気のある山のようである。
 帰宅後、東峰について調べてみた。国土地理院の地形図を見ると、東峰ではと思える位置に、名前は無かったが、等高線で640mまである小さなピークが載っていた。ガイド本の新・分県登山ガイド「京都府の山」で東峰としている585.1mの三角点ピークは、640mピークから更に南西の位置にあり、九合目の分岐点からでは1km以上は離れた位置に載っていた。九合目で見た標識に東峰までは500mと書かれていたことからも、585.1mの三角点ピークが東峰で無いことが分かる。地図の無名の640mピークが九合目から500mほどの位置なので、そちらが東峰であることが正しいようである。また640mの等高線内に虚空蔵菩薩のある一段高い位置があるので、やはり東峰の方が西峰よりも数メートルは高いようだった。
(2010/9記)(2021/8改訂)
<登山日> 2010年9月5日 9:18丹後由良駅スタート/9:32登山口/10:00〜05四合目/10:35〜41七合目/10:51〜54九合目(分岐点)/11:10〜30西峰山頂/11:46分岐点/11:55〜12:10東峰山頂/12:41四合目/13:04登山口/13:19ンド。
(天気) 快晴。すじ状の雲が少しあるのみ。朝から暑い日で、陽射しの下では32℃になっていた。登山道に入って木陰の中を登り出しても、気温は29℃までしか下がらなかった。始めは風も無く、ひたすらむっとする暑さだったが、登るほどに弱いながらも風が出てきた。西峰は木陰があり、涼しい風もあって、気温も27℃まで下がっていた。それが東峰は陽射しを遮るものは無いとあって、直射光の下でひたすら暑かった。山頂からの視界は、ややうっすらとしていた。下山を終えて、ふもとに戻ってくると、まさに炎天下。気温は35℃近くになっており、9月と思えぬ暑さだった。
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丹後由良駅のホームからも良く見えていた 由良小学校の前を通る ちょうど運動会だった 国民宿舎に向かうとき、由良ヶ岳を正面に見る
国民宿舎の横を通ると登山口前の広場に着いた 登山道に入る 始めは道がえぐれたようになって歩きにくかった
えぐれた道は暫く続いた 次第に歩き易くなってきた 展望は悪かったが、木立を通して東峰が望まれた
四合目に着く 標高は270mだった 四合目のそばに炭焼窯跡があった 木立に囲まれた中の登りが続く
五合目手前より植林地を登るようになった 七合目の一杯水は涸れていた 尾根が近づくと、急坂な上にヤブっぽくなった
稜線に出る そこは九合目だった  九合目には丸太のベンチがあって一休みとする まずは西峰を目指す 道はごく平坦だった
歩くうちに周囲の自然林が良い雰囲気になった モミジの広場を通る 巨木はヤマモミジだった なぜか稜線そばまで林道が来ていた
小さなピークを越すとササヤブになった所を通
った
「岩場の広場」からは舞鶴湾の方向が眺められ
漸く西峰のピークが近くなった

 由良ヶ岳西峰のピー
 クに着いた 狭いな
 がらも開けていた

     俯瞰図が置かれてい
     たが、その宮津湾の
     方向はけっうササに
     隠されていた
少し高い位置から北西を眺めると、俯瞰図通りの展望が得られた 丹後半島最高峰の高山方向を眺める
上の写真の天橋立を大きく見る 三角点は二等三角点 ここを最高峰としていた 九合目に戻ってくる 次は東峰を目指す
登山コースは急坂の手前で二手に分かれた 急坂コースを登ると、すぐに山頂が近づいた 山頂が目前になると一気に木立が見られなくなった
山頂は草原だった 一気に暑い陽射しを受けることになった 一段高い位置に上がると虚空蔵菩薩が置かれていた 北西に西峰が見えている
虚空蔵菩薩の前に立って北から東にかけての展望を見る 中央の町並みは由良地区
由良小学校で運動会の続いているのが眺められた 由良川に架かる鉄道の由良川橋梁を見る 槙山の電波塔の彼方に青葉山を見る
南西から西、そして北西までを広く眺める うっすらとした視界だった
杉山と赤岩山が重なって見えていた 西峰の方が何となく低いように思えた 虚空蔵菩薩を正面から見た
九合目に戻って、登山口へと往路を辿る 下山途中、木漏れ日が作る蔦の影を見る 下山は、休まず下った
国民宿舎の横を通るとき、前方に海が見えた 炎天下を駅まで戻るのは厳しかった 丹後由良駅に着いたときは、喉はからからだった