TAJIHM の 兵庫の山めぐり <奈良県の山 
 
額井岳    ぬかいだけ 812.3m 榛原町(奈良県)
 
1/2.5万地図 : 初瀬
 
【2005年4月】 2005-22(TAJI&HM)
 
   榛原町を走る近鉄沿線より  2005 / 4

 兵庫、大阪方面から奈良中部の曽爾高原や南部の大峰、台高に向かうには、榛原町を抜けて行くのが便利だが、榛原町に入ったときに目にするのがこの額井岳である。山域としては室生火山群に属するらしいが、大和富士とも呼ばれるだけあって気品のある姿で町の北に佇んでいる。2005年の五月連休は自由な時間が取れるのは前半のみだったので、久々に大峰の山を訪れる計画を立てた。ただ近畿圏の山とは言っても播州との距離はけっこうあるので、前夜泊かよほど早朝に発たないとその日のうちに大峰の山を登るのは難しいことだった。そこで道中に手頃な山はないかと考えて思い付いたのが、この額井岳である。以前より榛原の町を通過するときは、この端正な額井岳の姿を見るのが楽しみだった。
 4月29日は連休の初日だった。早朝発ちすることもないと姫路を7時過ぎに出たのだが、心配したとおり西名阪道で渋滞に巻き込まれてしまった。渋滞は香芝ICから始まり、のろのろ運転が長々と続いた。漸く流れが良くなったときはもう都祁村に入っており、下りる予定の針ICは目前になっていた。針ICから額井岳は近かった。香酔峠を越して南麓の額井集落へと入った。この額井岳への登山は、ガイドブックでは尾根続きとなる東向かいの戒場山とのセットで紹介されており、十八神社からの周回で3時間程の手頃なハイキングコースになっていた。しかし、この日は大峰へ向かう道中の足慣らしと考えていたので、もっと簡単にと、南麓の十八神社からからのピストンで登る考えだった。その十八神社に近づいたときは11時が近くなろうとしていた。神社のそばにはっきりとした駐車場は無かったが、車の通行に支障がないほどの路肩スペースがあり、そこに3台の車が止まっていた。もう1台分のスペースがあったので、そこに駐車とした。陽は十分な高さで、気温はと見ると25℃だった。もう初夏と言える暑さだった。眼前には棚田が広がっており、水が張られて田植えの準備が出来ていた。ガイドブックでは山頂まで45分とあったので、昼には着けるだろうと歩き始めた。コースは神社の前を通り、北西方向に山中へと向かった。ガイドブックを車に忘れて歩き出してしまったが、標識が適度にあり何ら問題なく登って行けた。山道となって登りにかかると、一帯は植林地が広がっていた。その植林だがどの木もひょろ長くて鉛筆杉、鉛筆桧と呼んでも良さそうな貧弱さだった。どうも無理な植林に思えた。その登山道は適度な道幅で緩やかなのだが、少々歩き難さがあった。道に石や小岩が多く、足元に注意して登らなければならなかった。ただ麓こそ暑さを感じたが山中の木陰は涼しく、暑さを感じず登れたのは良かった。20分ほどの登りで尾根に達すると、そこからは向きを北東に変えて山頂を目指すのみだった。少し傾斜がきつくなったが、辺りは雑木林となり明るさが出てきて、漸く登山をしている雰囲気になった。その尾根登りも10分も続ければ、もう山頂は目前だった。45分はかかると見ていたのに、30分での山頂は少しもの足りない感じだったが、とにかく着いてしまった。そこは少し雑然とした感じで、中央に休憩小屋、そのそばに小さな祠、その先は杉林が広がっていた。そして南の榛原の町に向かっては、展望台が作られていた。少々雑然とした感じを受けたのも、10人ほどの団体が居たためかもしれず、程なくそのグループが去ると他に一組のペアが居るだけで、急に落ち着きのある山頂に見えてきたのは不思議である。山頂は麓と違って強い風が吹いており、肌寒さを覚えるほどだった。それでも気温としては21℃で、まずは快適な温度と言えた。静かになった山頂で展望を楽しもうと展望台に立ってみると、モヤのきつい視界で風景は薄ぼんやりとしていた。強い風も、このところの連日の好天で濁った空気を追い払わないようだった。それと多少黄砂の影響があるようだった。足元に広がる榛原の町とその背後の低山こそまずまず見えていたが、台高の山々や大峰の山々はすっかりモヤに溶け込んでいた。ただ展望台を離れて目を西に向けると、向かいの貝ヶ平山の尾根は良く見えていた。その風の強い山頂で肌寒さを感じながら昼食を手早く済ませた。そしていっときを過ごした後、登ってきた道を戻って麓へと下りて行った。
(2005/5記)(2018/2改訂)(2022/3写真改訂)
<登山日> 2005年4月29日 10:51スタート/11:12尾根着/11:21〜12:05山頂/12:33エンド。
(天気) 快晴ながら淡い青空だった。山頂の気温は21℃ほどで、風が強く吹いていた。濁った視界で遠くは判然としなかった。
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登山コースは十八
神社の前を通って
いた 神社の方向
を見る

足下には田植えを
待つ棚田が広がっ
ていた

別の角度から十八
神社の方向を眺め


神社の石段を少し
上がって南の風景
を眺めた

尾根に出ると山頂
に向かってやや急
坂が続いた

尾根に着くと西向
かいの貝ヶ平山が
望めた
山頂には杉の古木があり、そのそばに休憩小屋を見る 休憩小屋のそばに四等三角点(点名・額井岳)を見る 南に向かって展望台が設置されていた
展望台から南の風景を見る モヤのきつい空だったが榛原の町とその背後の山を見る 山頂からは、西向かいの貝ヶ平山をすっきり見ることが出来た