大阪府河内長野市の名峰、岩湧山へ出かけたのは、秋も深まる2020年11月10日のことだった。その岩湧山へは河内長野市の滝畑ダムからのコースを登る予定で出かけたのだが、ダムに至る県道61号線に入るまでが一苦労だった。11月10日から阪神高速は大規模リニューアル工事が始まり、一部区間は通行止めの予定だった。それを知ったのは前日で、7時半に自宅を離れた。山陽道、中国道、近畿道と走って行くが、やはり近畿道の渋滞はひどく、予想より1時間以上多くかかって滝畑ダム湖の南端側にある登山口駐車場に着いた。その駐車場は有料で、そばの売店が管理していた。駐車料金を聞くと1000円と高かったが、他を探す気はなく駐車料金を払って車を止めた。但しその1000円には売店でのコーヒー一杯のサービスを含むとのことだった。その登山口からのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。駐車場のそばにはトイレがあり、その横から登山道が始まっていた。よく歩かれているコースのようで、荒れた感じは全く無かった。階段の部分も多くあり、無理なく登って行けた。一度林道と交差することがあり、その後は自然林の中の登りが続いた。自然林の紅葉はまだ始まったばかりだった。コースは途中のカキザコと名付けられた位置で、歩く方向は南から東へと変わったが、尾根筋歩きではなく尾根から少し離れた位置で尾根と平行するように歩いた。登るうちに植林地も現れたが、自然林に替わったり植林地に替わったりを繰り返した。この日は平日だったが、ハイカーは多いようで、足の遅いハイカーを途中から何人となく抜くことになった。登るほどに色付きの良い木を見るようになった。コースはダイヤモンドトレールのコースでもあり、その標石を何度か見た。またコースは良く整備されており、ときおりベンチを見かけた。途中で歩く方向が北となり階段道が続いた。尾根に出ると、そこに送電塔(南和泉線75番)を見た。その尾根筋を暫く歩いていると、植林地を抜けた先で突然のようにカヤトの丘が現れた。そこからが岩湧山のハイライトで、山頂を目指してカヤトの丘を登って行くことになった。この日は雲一つ無い快晴で、丘全体のススキが陽射しを受けて輝いていた。やや急坂の階段道を登って行くと、後方に展望が広がり出した。西向かいの大きな山は三国山で、南に見えるのは南葛城山のようだった。カヤトの丘の起点と山頂とでは標高差は100mほどあり、ずっとススキを見ながらの登りだった。登るうちに南西方向にも展望が現れて、そちらに見えていたのは大阪平野だった。その背後の六甲連山は雲が広がっているのか薄暗かった。山頂に着いたのは歩き始めてから1時間半後、丘の起点からは14分が経っていた。山頂は広く開けており、ベンチが多く置かれて休憩する場所としては悪くなかった。既に10人以上のハイカーが着いており、ベンチはほぼ埋まっていた。そのハイカーの多くは北東側から登ってくる岩湧寺コースで来ているようだった。空いていたベンチに座って休憩とした。気温は14℃と低めだったが、陽射しは十分に暖かいとあってのんびりと憩うことが出来た。山頂も好展望地で、大阪平野だけでなく、ここに来て金剛山と和泉葛城山の並ぶ姿が眺められた。その山頂広場よりも少し東の位置が若干高く、そこが最高点であり真の山頂だった。その最高点に立ってみると、そこに二等三角点(点名・岩湧山)を見た。その辺りにもベンチが置かれており、休憩場所になっていた。その山頂は西峰と呼ばれることがあり、東隣のピークが東峰だった。そこで山頂を越して東の坂を少し下ってみた。東峰との鞍部まで下りてみるとトイレが建っており、そこまで林道が来ていた。東峰までは歩かず鞍部から引き返して山頂に戻った。山頂で休んでいたのは1時間ほど。下山は往路を戻ることにしたので、再びカヤトの丘を歩くことになった。前方に三国山を見ながらカヤトの丘を下る雰囲気も悪くなかった。丘の起点まで戻ると、後はずっと易しい道を歩いて戻るのだが、勝手を知っているだけに気楽だった。昼を回っているとあってすれ違う人は少なく、静かな山歩きだった。ゆっくりと戻ったのだが、やはり下山は速く、74分で登山口駐車場に戻ってきた。上空は少し雲が増えていたが、まだまだ快晴と呼べる空だった。
(2021/10記) |