TAJIHM の 兵庫の山めぐり <滋賀県の山
 
蛇谷ヶ峰    じゃたにがみね 901.5m 高島市(滋賀県)
 
 
1/2.5万地図 : 北小松・饗庭野
 
【2015年8月】 2015-76(TAJI&HM)
 
   朽木東小学校の近くより  2015 / 8

 兵庫県に住んでいると滋賀県は比較的近い距離と言えるが、その滋賀県はなんと言っても琵琶湖の存在が大きく、滋賀県の山に登ることを考えたときは、どうしても琵琶湖と結びつけて考えてしまうことになる。2015年8月も下旬になって急に滋賀県の山を登りたくなった。そこで琵琶湖の眺望も期待して選んだのが、比良山系の北端の山となる蛇谷ヶ峰だった。
 向かったのは2015年の8月28日のこと。姫路を6時に離れると、山陽道、名神高速と走って京都東ICで降りた。後はナビに従って京都市内を抜けると、国道367号線を北上した。少し残念だったのはこの日の空で、前日までの澄んだ空は消えて形のない雲が広がっていた。視界は薄ぼんやりとしており、近くの山も薄ぼやけてしか見えなかった。それでも北に向かうにつれ、少しずつ視界は良くなって空も青みが出てきた。ナビにセットした目的地は「いきものふれあいの里」で、朽木大野地区に入って国道を離れると、蛇谷ヶ峰の裾野へと入って行った。そしてナビが音声案内を終了したのだが、そこには何も建っていなかった。一瞬目的地を誤ったかと思ったが、そばに更地が広がっているのを見て、どうやら「いきものふれあいの里」は取り壊されたものと思えた。近くに車が数台止まっており、それに習ってこちらもそのそばに車を止めた。車道はその先も林道となって続いていたが、入口にはロープが張られていた。それを越えてハイキング開始とした。林道入口に蛇谷ヶ峰の文字は見えなかったものの、林道をそのまま進めば良いのではと思って歩を進めた。辺りはキャンプ地のようで、東屋も見られた。歩くうちに蛇谷ヶ峰の文字も現れたが、林道から右手に分かれたカツラの谷コースは通行禁止となっていた。そうなると真っ直ぐに歩いて北西尾根を登るコースを目指すのみだった。程なく「ニオイコブシの丘」の標識が現れて小径が分岐した。その小径でも蛇谷ヶ峰に向かえそうだったので、林道を離れて小径に入った。階段道を登っていると、「蛇谷ヶ峰展望台」 の標識も現れた。支尾根に出るとその展望台が現れたが、蛇谷ヶ峰は間近すぎて単に山肌を見ているだけだった。そこを過ぎると林道が右に見えて、林道に合流することになった。どうやらニオイコブシ(タムシバ)を見る道として、少し回り道をしただけのようだったが、タムシバの花が咲く季節でも無いので、林道を真っ直ぐ歩いた方が良かったようだった。すぐに林道は終点となり、そこから登山道が始まっていた。その登山道は階段になった所が多くあり、登るうちに次第に疲れてきた。コース途中にはベンチの置かれた所がときどき現れたので、それを見る度に小休止とした。周囲は雑木林が続き、自然な雰囲気の中を登れるのは良かった。蛇谷ヶ峰は標高902mと、比良山系の中では低いが、登山口との標高差は600mほどあるとあって、けっこう登りを長く感じた。コースには所々で標識が立っており、その位置の標高が示されていた。山頂まで500mとなって、標高も813mになったとき、右手からカツラの谷コースが合流した。その分岐点にもカツラの谷コースに崩壊地があって、「いきものふれあいの里」跡地に通じていないことが記されていた。813m地点を過ぎて漸く尾根の傾斜は緩んできた。程なく樹林帯を抜け出すと、左手にすっきりと琵琶湖が眺められるようになった。山頂に着くとそこは広い範囲で開けており、琵琶湖が一段と広く見渡せた。残念だったのは視界がうっすらとしていたことで、何とか対岸は望めたものの、その背後の山並みはモヤに溶け込んでいた。それでも南に比良の山並みを、西から北に変えては福井県境の尾根も眺められて、山頂展望は恵まれていた。その山頂に人影は無く静かなものだった。そして陽射しがあふれていた。その陽射しを受けて暫く立っていたが、木陰が欲しくなり、山頂で目立っていたアセビの木陰で一休みとした。そこで昼食をとった後、疲れから一眠りしてしまった。その間にハイカーが入れ替わり立ち替わり訪れて、山頂はまずまずの賑わいだった。その山頂が再び静かになったので身を起こした。時間は13時になっており、2時間近くを山頂で過ごしたようだった。下山は当初の考えでは往路を引き返すことにしていたのだが、カツラの谷コースを歩いてみたくなった。崩壊地を越せないようであれば真っ直ぐ下って柏集落に出て遠回りで駐車地点に戻るまでだった。そこで標高813mの分岐点まで戻ると、カツラの谷コースに入った。始めはいたって易しいコースで、往路コースと雰囲気的に変わらなかったが、尾根筋を離れてカツラの谷に下りると様子が一変した。その沢筋コースは道のはっきりしない所が現れたり、沢を何度も横切ったりしてけっこうワイルドなコースだった。足下に注意しながら歩くのだが、周囲の自然林を楽しむことも忘れなかった。その沢筋歩きも下るうちに歩き易くなって、また普通のハイキングの雰囲気となった。そのまま下れば柏集落に出るのだが、やはり早く駐車地点に戻れる「いきものふれあいの里」跡地への道に入りたくなった。その分岐点に着いて駐車地点を目指すと、そちらの登山道にはロープが張られており、そこにも崩壊地のあることが書かれていた。それでも崩壊の程度によっては先に進めるのではと淡い期待もあって、自己責任と肝に命じてそちらに入ることにした。崩壊がひどいようであれば引き返すまでだった。ロープを越して歩き出すと、暫くは易しく歩けた。そして小さな沢筋に近づいたとき、そこで道が崩れていた。それも大したことは無く適当に枯れ沢を渡って先に進んだ。そこだけなら通行禁止にするほどではなさそうに思えたが、いよいよ「いきものふれあいの里」跡地に近づいたとき、派手な崩壊地が現れた。斜面が大きく抉れており、登山道がどこに通じているのか定かでなかった。なるほど通行禁止になるはずだと思った。それでもその崩壊地を高巻きにすれば越せそうに思えて、崩壊地を迂回するように上を目指した。そして崩壊地を越したと思えたとき、林道が現れた。その林道を歩いて行くと、すぐに朝に歩いた林道に合流した。無事に駐車地点に戻って来られたが、普通に考えるとこのコースを歩くのは遠慮するのが正しいようだった。15時に駐車地点に戻ってきたので、下山は2時間近くかかったことになる。これで無事ハイキング終了となったのだが、このとき災難にあっていることに気付いた。それはヒルが足に貼り付いていたことで、パートナーも同様だった。どうやらカツラの谷でやられたようだった。このことを踏まえても、蛇谷ヶ峰登山は尾根コースを往復するのがやはり無難なようだった。
(2015/10記)(2020/8位)
<登山日> 2015年8月28日 9:31いきものふれあいの里センター跡スタート/9:46蛇谷ヶ峰展望台/9:53登山口/10:34あと1km地点/10:56〜11:05カツラの谷コース合流点/11:18〜13:05山頂/13:15カツラの谷コースに入る/13:36カツラの谷に下り着く/14:26立入禁止地点/14:50林道に出る/14:58エンド。
(天気) スタート時の上空は淡い青空で、周辺は薄雲が広がっていた。尾根の気温は24℃で、あまり蒸し暑さは無かった。山頂の気温は木陰で23℃だった。着いたときは陽射しを受けていたが、休むうちに雲が広がってほぼ曇り空に変わってきた。それでも北の空には青空が残っていた。視界は少しうっすらとしていた。
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「いきものふれあいの里センター」は無くなって
おり、更地になっていた そのそばに駐車とした
林道はまだ続いていたが、入口にはロープが張
られていた
辺りはキャンプ場になっており、東屋も建っていた
尾根コースを目指して林道を真っ直ぐに進んだ ニオイコブシの丘を通るコースが林道から分かれた  ニオイコブシの丘への小径に入った
尾根に出ると展望台があって蛇谷ヶ峰が眺められ
たが、近すぎて単に山肌を見ているだけだった
尾根を進むと右手に林道が見えてきた 先ほど
まで歩いていた林道と思われた
結局、また林道を歩くことになった
林道を100mほど歩くと登山口が現れた 登山道を登って行く 背後が眺められるときがあり、青空が広がっていた
丸太の階段道が続くようになった 周囲は自然林だった 陽射しを受けているときは、さすがに暑かった
所々でベンチがあり、疲れると一休みをとった 登るほどに樹林の雰囲気は良くなった 標高が670mとなった 山頂まで1kmだった
基本的に登山道は階段道で続いた 緑がまぶしかった 標高は813m、山頂まで500mとなった
ここに着いて琵琶湖がうっすらとした視界で眺
められた 中央に見えているのは竹生島
813m地点はカツラの谷コースの合流点だが、いき
ものふれあいの里には行けないとの看板があった
山頂まで500mだった 登山道は緩やかになった
琵琶湖が少しずつ広く良く見えるようになった 分岐点で右に向かう 山頂まで200mだった ごく緩やかな道で山頂に近づいた

 琵琶湖がすっきり
 と見えるようにな
 ったが、休まず山
 頂を目指した

 山頂が目前になっ
 た
山頂は広く開けていた 展望も良く、ほぼ360度眺め渡せた 山頂の二等三角点(点名・蛇谷ヶ峰)を見る

 山頂に立つと、東に
 琵琶湖の風景が広が
 っていた 但し視界
 がうっすらとしてい
 たのは残念だった
湖北を望む 左の写真に写る竹生島を大きく見る 対岸がごくうっすらと眺められた

 西から北にかけて
 もすっきりと眺め
 られた

 百里ヶ岳の左手に
 は、うっすらと青
 葉山が望めた


   青葉山を大きく見
   る
朽木市場の辺りを大きく見る 西のピークには反射板が建っていた 百里ヶ岳を大きく見る

 南に見えるのは比
 良山系の最高峰と
 なる武奈ヶ岳だっ
 た

    武奈ヶ岳を大きく
    見る
北の空は明るかった 山頂では2時間近く過ごして、漸く離れた 下山は往路を引き返した

 813m地点に着
 くと、カツラの谷
 コースに入った

 易しい尾根歩きだ
 った
このコースにもベンチが置かれていた 自然林が緑の壁紙を作っていた 尾根筋を離れて谷の方向に向かった
谷に下りてきた 谷筋の道は、けっこう荒れていた 道が不確かになるときがあったが、目印は続いた
谷の緑が美しかった 何度か沢を渡った 小さな滝を幾つか見た
カツラの谷の説明板が立っていた 沢筋を離れると、易しい道になってきた 水害で登山道の崩れている所があった
山襞なりに歩いて行く 真っ直ぐに下れば柏集落だった 右手に駐車地点に近づける道が分かれた
ロープが張られていたが、そのまま進むことにした  水害ですっかり崩れた所が現れた 何とか乗り越えると、スムーズに歩けたが
また崩壊地が現れた 迂回するように歩いたが その先は大規模に崩れて、すっかり地形が変わ
っていた 高巻きするしかなかった
慎重に上を目指して崩壊地を巻くと、突然のよ
うに林道に出た
朝に歩いた林道に合流した キャンプ地のそばを通る 駐車地点が見えてきた