TAJIHM の 兵庫の山めぐり <奈良三重県境の山> 
 
日出ヶ岳 (大台ヶ原山) 1695.1m 上北山村(奈良県)
大台町(三重県)
 ひでがだけ
1/2.5万地図 : 大台ヶ原山
 
【2007年8月】 2007-75(TAJI&HM)
 
   南隣の正木嶺より 2007 / 8

 近畿の尾根と言えば大峰に台高。この二つの山域は近いが、近畿の最高峰の八経ヶ岳を始めとして、大普賢岳に山上ヶ岳、釈迦ヶ岳と、標高もあり個性の揃った山の並ぶ大峰山脈にどうしても関心が向いてしまい、この方面に行くとなると大峰に行くことになってしまった。また台高はその中心となるのが大台ヶ原山だが、その山頂近くまで道路が通じており大型バスまで来るという観光地化された所であることに対して、山に静けさと登る喜びを味わいたいこちらとしては興味がなかなか湧いて来なかった。そう言う理由で台高は、高見山こそ樹氷に関心があって登っていたが、大台ヶ原山とは縁遠かった。その大台ヶ原山に関して2007年に入ってトピックとなる情報に接した。2007年の9月より西大台と呼ばれる地域が入山規制されることになるという記事だった。そこでどういう地域かと改めて地図を眺めてみた。一言で大台ヶ原山と言っても、その名は一帯の山をひっくるめての呼称のようで、一つ一つの山で眺めると最高峰の日出ヶ岳が代表格と言えそうだった。その日出ヶ岳は東大台にあって規制対象外だと分かった。また大蛇ー(だいじゃぐら)と呼ばれる名勝が東大台にあって、日出ヶ岳と共に周遊で楽しめることも知った。ここで百名山の一つでもある大台ヶ原山に漸く興味が湧いてきたものだった。そして興味が出たところでさっそく行くことにした。その行くことを決めた日が8月のお盆休暇の終わった直後の16日だったが、その週末となる2日後はどうやら快晴が期待出来そうだった。そこで18日の土曜日にはや実行と決めた。ただ8月は夏休み期間でもあり、人出の多いことが気になった。それと暑さの程も気にかかった。そこで行動としては朝の早いうちに登って昼には終わらすという強行軍で実行することにした。
 姫路の自宅を出たのは午前3時のこと。まだ深夜と言えそうな時間帯だった。これだけ早いと道は空いているもので、阪神高速も西名阪道もスイスイと抜けて行けた。名阪国道を針ICで降りた頃に空が明るみ出した。後は国道を370号線から168号線へと乗り継いで行った。そして6時前には大台ヶ原ドライブウェイを走っていた。その大台ヶ原ドライブウェイは道幅が狭くすれ違いに苦労しそうな所もあったが、登るほどに二車線道路となって走り易くなった。ただ急カーブがけっこう多く、また大台ヶ原の最高点に近いところまで登るため時間もかかった。漸く終点の大台山上駐車場に着いたときは6時45分になっていた。一応予定していた7時前には着くことが出来て一安心だった。駐車場は既に7割ほど埋まっていたが、予想したよりは少ないかと思えた。駐車場の標高は1570m。早朝なのでひんやりとしているかと思ったが、気温は20℃と、僅かに涼しさが感じられる程度だった。ちらほらハイキング準備の人を見かけたので、こちらも手早く準備してスタートとした。考えたコースはごく一般的な周回コースで、まず日出ヶ岳の山頂に立ち、そこより正木嶺、正木ヶ原、牛石ヶ原と歩き、大蛇ーへ。後はシオカラ谷を通って駐車場に戻って来るというもの。最初に日出ヶ岳へと向かうのだが、苔探勝路を歩いて少し回り道で近づくことにした。その苔探勝路はコンクリート舗装されており、遊歩道と言うよりも少し起伏のある公園の中をを歩いている風で、少々味気なさがあった。まだ早朝とあって森は薄暗く、別に苔を探勝するでも無く遊歩道を進んで行くと、日出ヶ岳への主コースに合流した。道幅が少し広くなった程度で、相変わらず緩やかな道で続いた。点々とハイカーが歩いているものと思っていたのだが、前後にほとんど人影を見かけない。程なく坂が始まったかと思うと、すぐに尾根に出た。そこに着いて一気に風景が明るくなった。近くに展望台があり、そこに立つと熊野灘が一望だった。大台ヶ原が海に近いことがよく分かった。その展望台からは山頂が近くに見えていた。山頂からも同じ展望が得られるだろうと、小休止をとっただけで山頂へと向かった。その山頂への登りとなったとき、木製の階段道が始まった。真新しいもので、それが山頂まで続いているようだった。登るほどに樹林帯を抜けて空が広くなって来た。真っ青な空には雲一つ無かった。素晴らしい快晴だった。心晴れ晴れとして登る先に現れたのは立派な展望台で、もう周囲には木立は見られなかった。そして着いた山頂には誰もおらずひっそりとしていた。賑わいのある山頂と思っていたのだが、意外なことだった。まずは山頂展望台に上がった。山頂に立ってうれしいのは展望の広がっていることだが、日出ヶ岳の山頂は期待以上の大展望だった。まさに360度の眺望で、しかも視界は澄み切っていた。まず目に飛び込んで来たのは西の大峰山脈で、釈迦ヶ岳から八経ヶ岳、大普賢岳と有名山がそろい踏みだった。北も台高の尾根が重畳と続いていた。南は東大台の尾根があり、東は熊野灘の風景だった。風はひたすら涼しく、朝の陽射しは柔らかかった。ただただこの山頂の開放感と静寂さを思う存分味わった。その山頂では30分ほど過ごしたのだが、その間に登って来た人は数人で、それもすぐに下りてしまう人が多かった。もっと山頂展望を楽しめばと思ったが、どうも山頂に対する考え方は人それぞれのようだった。次は南へと正木嶺を目指した。登って来た方向に戻る形で尾根を歩いて行くと、正木嶺への登りとなって再び木製の階段道となった。振り返ると先ほどまでいた日出ヶ岳の山頂が鮮やかに見えていた。ただその丸やかな風貌は、山頂と言うよりも丘のいただき程度にしか見えなかった。正木嶺も同様になだらかな山頂で、そこから正木ヶ原へと下り始めると、大台ヶ原の象徴としてよく写真で見る白骨林の風景が広がって来た。トウヒの立ち枯れ風景だそうだが、この日は視界が澄んでいるだけに大峰山脈が背景となって、まさに絵はがき写真の風景になっていた。この正木嶺では白骨林と共に目立ったのが鹿の多いことで、何度となく笹の中を横切って行くのを見かけた。正木ヶ原に下りると階段道は終わってほぼ平坦な道となって、更に軽いハイキングだった。本当に気楽な歩きのままに本ゴヤ嶺、牛石ヶ原と進んだが、牛石ヶ原は街中の公園を歩いているような雰囲気だった。その牛石ヶ原の先で道はシオカラ谷方向と大蛇ー方向の二手に分かれた。ここは大蛇ーに向かった。その大蛇ーの手前にも大きな岩があり、そこの展望の良さにつられて一休みすることにした。大峰山脈の大展望があり、十分に目の保養になった。その展望岩より今少し下った所が大蛇ーと呼ばれる岩場の景勝地だった。大蛇の名のままに細長く岩場が続き、その先は断崖絶壁になっていた。大台ヶ原のハイキングスポットになっているだけの十分に迫力のある風景だった。そしてそこもまた大峰山脈の展望台だった。歩き始めてから3時間ほどの間に何度も素晴らしい風景があり、最後も大蛇ーに出会えてもう十分過ぎる満足の思いになった。後は戻るだけだった。引き返す形でシオカラ谷への道に入った。相変わらず遊歩道歩きが続いたが、シオカラ谷が近づくと少し急な下りとなり、漸く山中を歩いている雰囲気となった。そしてシオカラ谷に架かる吊り橋を渡ると登り返しとなり、始めに150mほどを一気に登ることになった。そこがこの日唯一の足を使う所で、それまでが楽なハイキングだっただけに、しっかり汗をかくことになった。気温も上がっており陽射しも強かったが、それでも休まず登って行くとまた優しげな遊歩道となり、そして駐車場へと戻り着いた。駐車場は満車状態で、そこここに大勢の人が昼どきを過ごしていた。気温は26度となっており、山上もすっかり夏の暑さになっていた。
 朝の早いうちに登ったのは正解だったようで、本当に静かな大台ヶ原山を楽しめた。大方のハイカーが同じ順路で歩くこともあってか、山中で出会った人は20人ほどで、ほとんど人と出会わないままの静かなハイキングだった。しかも夏どきなのに、抜けるような青空と澄んだ視界にも恵まれた。それにしてもほんの思いつきのような計画だったのに、ちょっとうまく行き過ぎたのではと思いながら昼どきの大台ヶ原を後にした。
(2007/10記)(2010/9改訂)(2022/1写真改訂)
<登山日> 2007年8月18日 6:57駐車場スタート/苔探勝路を歩く/7:10本道に合流/7:48〜8:20日出ヶ岳/8:56正木嶺/9:06尾鷲辻/9:33〜58大蛇手前の岩場/10:02〜12大蛇/10:50シオカラ谷吊橋/11:20エンド。
(天気) 快晴が早朝より続く。朝の気温は22℃で、尾根では微風があり、適度な涼しさで快適だった。視界もくっきりとして申し分なし。気温は大蛇にいる頃まで22℃ほどで続いたが、駐車場に戻って来ると26℃を超えて、けっこうな暑さになっていた。
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駐車場のそばに見えた遊歩道に入って行った 苔探勝路はコンクリート舗装の遊歩道だった 朝の光が森を照らし出した
メインコースに合流した そちらも遊歩道だった 明るい木々の中を尾根へと登って行った 尾根に出ると展望台があった 山頂方向を眺めた
紀伊長島町の方向が眺められた 沖見高の先に重畳とする山並みを見る 熊野灘に浮かぶ小島を見る
山頂に近づくと、階段となった遊歩道が現れた 植生保護のための階段かと思えた 階段の先に展望台が現れた
真っ青な空の下に展望台は目立っていた 山頂の一等三角点(点名・大台ヶ原山)を見る 展望台に上がって登って来た南の方向を眺めた
展望台に立つと西に大峰山脈がくっきりと眺められた 南西から北西にかけてを広く眺める

大峰山脈の全景が
眺められた

稜線がくっきりと
して、本当にきれ
いだった
上の写真に写る釈迦ヶ岳を大きく見る   同じく八経ヶ岳を大きく見る 上の写真の大普賢岳を大きく見る
北には台高山脈が続いている 適当に山座同定を楽しんだ
上の写真の白鬚岳を大きく見る 上の写真の池木屋山を大きく見る 上の写真の鰔谷高を大きく見る
東から南東にかけてを望む 熊野灘が一望だった
釈迦ヶ岳の南につながる尾根を見る 展望台を下りて、正木嶺に向かった 正木嶺への登りで、日出ヶ岳を振り返った
笹原の西に大峰山脈を見る 正木嶺のピークが近づいて、再び日出ヶ岳を振り返った 正木嶺では鹿をよく見かけた

(←)
正木嶺一帯は立ち
枯れ風景が広がっ
ていた

 (→)
  その中を正木ヶ原
  に向かった
正木ヶ原の方向を見る 振り返って立ち枯れ風景を眺めた 正木ヶ原に来ると、ぐっと平坦になった
周囲は笹原の風景だった 日本庭園風の中を登山道は続いた 尾鷲辻の辺りを撮す
牛石ヶ原へと向かって行った 牛石ヶ原はプロムナードだった 石畳になっている所もあった
大蛇ーに向かうと、その手前に大きな岩があった 岩の上は絶好の展望台だった 望岩から北西を見ると中ノ滝が望まれた
展望岩の上から改めて大峰山脈を眺めた 左の写真に写る行者還岳を大きく見る
    
大蛇ーの上から大蛇ーを見下ろした 大蛇ーも大峰山脈の展望台だった 大蛇ーの下から上を見上げた
大蛇ーから下を覗くと不動返しーが望まれた 大蛇ーから南西方向を望む 大蛇ーからは引き返してシオカラ谷への道に入った
シオカラ谷への道は遊歩道だった パートナーが吊り橋に立ってシオカラ谷を眺めている シオカラ谷を見る
シオカラ谷からの登りが唯一疲れる所だった 駐車場が近づくと、また遊歩道の雰囲気となった 駐車場に戻ってくると、すっかり満車状態だった