急な思い付きで鞆の浦の沖に浮かぶの仙酔島に行こうと決めたのは、2013年3月28日の夜のことだった。行くのは翌日29日で、宿を国民宿舎「仙酔島」と決めた。その決定後に島のことを改めて調べると、ハイキングとしてもけっこう楽しめる島であることが分かった。そこで宿に泊まった翌朝に島のハイキングを楽しむことにしたものである。
29日は晴れと思っていたのだが、朝の空は薄曇りから薄晴れ程度で、視界はけっこう悪く、遠くの風景は薄ぼんやりと見えていた。その中を広島県へと向かったのだが、当然行きがけの駄賃として、途中経路でのハイキングも計画しており、その日は岡山県の西端となる笠岡市で低山ハイクを楽しむことにした。その山は笠岡十名山に入っている四尋山と御嶽山の二山だった。そのハイキングを終えたのが14時前だった。それから仙酔島へと移動するのだが、神島にも立ち寄ったりしたため、連絡船乗り場から少し離れた駐車場に着いたときは16時が近い時間になっていた。その駐車場は市営になっており、そこに止めると国民宿舎「仙酔島」に宿泊の場合は無料になるとのことだった。仙酔島は目の前とあって、16時10分発の連絡船に乗り込むと、5分ほどで仙酔島に到着だった。料金も安く、往復で240円だった。仙酔島の宿までも船着き場から数分の距離で、後は翌朝のハイキングを楽しみに待つだけだった。
翌30日に宿をチェックアウトしたのは9時前。荷物は宿に預けてハイキング開始とした。この後のハイキングの様子は下の写真帳をを見ていただくのが分かり易いと思えるのでここには詳細は書かないが、歩いたコースはおおよそ次の通り。宿の前の砂浜を南へと歩いて海岸線遊歩道に入り、後は遊歩道を彦浦までずっと歩いた。彦浦からはまず烏ノ口展望台に立ち寄り、そこより引き返して彦浦に戻ってくると赤岩展望台へと向かった。展望台に立った後、ちょっと勘違いをして遊歩道を西へと歩いてしまったが、途中で山頂への道では無いことに気付いて引き返し、改めて山頂へと向かう遊歩道を登って行った。山頂の名前は大弥山。標高はたった159mながら海岸線から登ったので、まずまず登り応えがあった。山頂には展望台があり、鞆の浦の風景が一望で、仙酔島に来たときはぜひ登っておくべき場所ではと思えた。山頂で休憩した後は北への向かう遊歩道に入った。途中にあった小ピークが中弥山と小弥山だった。小弥山まで来たとき夕日岬の標識を見た。北の方向だった。その名は案内板には載っていなかったが、ちょっと興味が湧いて立ち寄ってみることにした。途中までは遊歩道の雰囲気だったが、海岸が近づくと一気にマイナーな道となり、ロープを伝って下るようになり、最後は海岸の岩場まで下りることことになった。どう見てもハイキングコースとは言えず、釣り場に行く道と言えそうで、ちょっぴり危険な場所でもあった。地図を見ると夕日岬は赤岬のようでもあった。そこからの展望は素晴らしく、鞆の海岸線が眼前に広がっていた。後は小弥山のそばへと戻り、下りを続けると渡船場のそばに下りてきた。ここに来て目の前に小さな丘を見たので、その丘もついでに登ることにした。丘には御膳山と名が付いており、遊歩道が巡っていた。散歩のような感じで丘の上の出ると、二カ所に東屋が建っていた。一つの東屋からは眼前に弁天島の風景が眺められて、この日のハイキングの総仕上げと言った感じだった。本当に仙酔島は風光明媚な所で、十分に満足した思いで鞆の浦へと戻って行った。
(2013/4記)(2020/9改訂) |