岡山県の山で瀬戸の海を間近で眺めたいと思い、「駅から登る岡山の山100座」を参考にして決めたのが倉敷市児島の児島龍王山だった。この日は朝から素晴らしい快晴だった。ナビを龍王山の東麓側にある登山口辺りにセットして車を走らせた。山陽道を走って瀬戸自動車道に入り、岡山県側の最終ICである児島ICで降りた。ナビ通りに登山口辺りへと車を進めたのだが、細い道が入り組んでいる上に標識が無かった。適当な駐車スペースも無かったため、少し離れてはいたが市街地の中心部にあった大型スーパーの天満屋の駐車場に車を止めた。登山口からおおよそ600mほど離れた位置だった。児島龍王山は市街地から良く目立つ山でもあるので近づくのは容易だったが、東麓の味野地区は住宅が密集しており、細い道が多くあった。そのため行き止まりもあったりして、GPSを持っていたのだが登山口に近づけなかった。結局庭先にいた地元の人に教えていただき、何とか登山コースに入ることが出来た。その登山道の入口に標識は無かった。登山道は簡易舗装された道で、少し登ると車道に合流した。その車道は南へと向かう道で、すぐに終点となった。そのそばに見たのは駐車場だった。龍王山・観音様駐車場とあったので、そこまで車で来られたようだった。車道の先は小径があり、途中からは石灯籠も現れて参道の趣があった。参道の先に立っていたのは観音堂で、正月ということもあってか堂内では数人の参詣客が談笑していた。その観音堂の前は展望地で、児島市街が足下に広がっていた。観音堂から先は山道を登るようになったが、「西国三十三箇所観世音菩薩巡拝路」の道でもあったので良く整備されており、点々と西国三十三箇所の石仏を見た。つづら折れの道でもあったので易しく登れて、観音堂から20分とかからず山頂が見えてきた。龍王山の山頂は南北に長く、南端側には鳥居と龍王宮の石碑があった。その南端側は素晴らしい展望地で、多島海と瀬戸大橋、更に四国の山並みが一望だった。ベンチも置かれており、休むにも良い所だった。そこには三角点は無く、最高点となる北のピークで二等三角点(点名・味野)を見た。南北に長い山頂だけに西にも東にも展望があり、展望に関しては文句なしの所だった。この日は視界も澄んでいるとあって、山頂では40分ほど過ごしていた。下山は往路を辿るつもりだったが、途中で右手に小径が分かれると、そちらに入った。その道は観音堂への近道で、ほぼ階段道だった。観音堂からの下山でもまた途中で分かれた別の道に入って、味野地区の住宅地に下り着いた。味野地区からは二つの登山道があったようだった。後は遠くに見えている天満屋へと向かって行くだけだった。
(2022/1記) |