馬着山は島根半島の東端に近い山。その東端には美保関灯台があり、そこは観光スポットでもあって広い駐車場が作られている。その駐車場の位置に馬着山の登山口があった。自宅を7時に出発すると中国道を山崎ICから佐用JCTまで走ると、その後は無料区間の鳥取道、山陰道を走ったので、格安の通行料金で境港市に入った。後は境水道大橋を渡って島根県に入ると、美保関灯台がある地蔵崎園地までは僅かな距離だった。ゆっくり走っても11時に駐車場に到着となった。鳥取県に入ったときは小雨が降る空模様だったが、その空がどんどん良くなり、米子市に入る頃には快晴と呼べるまでになっていた。平日とあって駐車場には2台の車を見るのみだった。駐車場は展望台にもなっており、南東方向に大山が大きく眺められた。但し、大山は山頂部を雲に隠されていた。馬着山のハイキングに入る前に、美保関灯台への遊歩道にに入って灯台散策をすることにした。遊歩道は自然探勝路と名付けられており、大山に灯台、そして日本海の風景を楽しめることになった。20分ほどの散策を終えて駐車場に戻って来ると、おもむろに馬着山の登山口に入った。登山道は幅が広くゆったりしており、全くのハイキング道だった。すぐに案内標識が現れて、そこへは灯台からのコースがあるようだったが、それらしき道は見当たらなかった。そのコースはヤブに戻っているようだった。その位置から山頂方向に向かい出したとき、大きな物音が聞こえた。それは箱罠に捕まったイノシシが罠にぶつかっている音だった。親子三匹だった。それを横目に登山道を進んだ。尾根をずっと歩いて行くが、ひたすら緩やかな道だった。終始樹林に囲まれており、ほぼ木陰に中を歩いた。この日の気温は低めで、快いばかりの涼しさの中を歩いた。樹林は常緑樹が多いようで、緑濃い道だった。その樹林にほぼ切れ目が無く展望の無い尾根歩きだったが、ときおり木々の隙間から北に日本海、南に美保湾を見た。小さなアップダウンはあるものの、ほぼ緩やかに登って馬着山の山頂に着いた。三角点の無い山頂ながらベンチが置かれており、山頂らしさはあった。そのベンチの位置からは日本海側に展望があり、ごくうっすらとながら隠岐の島が眺められた。山頂の手前にも展望の得られる所があり、そこにもベンチが置かれていた。そこからは南の方向に中海が眺められた。山頂では涼しい風の下で昼食をとった。馬着山からは今少し尾根を歩こうと、西に向かった。その下る途中で大山を見ることがり、大山の雲は消えて全姿を現していた。尾根が一度緩やかになったとき、そこに三等三角点(点名・美保関)を見た。更に下ると道は十字路になり、そこを左に下れば仏谷寺に出るのだが、そこは直進した。上り坂となり小さな社(御穂社)が現れて、その先に広がっていたのは五本松公園だった。広々とした公園で、大きな休憩舎が建っていた。そこに立つと大山の雄大な姿が眺められた。五本松公園にも三角点が置かれており、四等三角点(点名・五本松)だった。そこまでガイドブック「分県登山ガイド 島根県の山」の紹介コースをほぼ歩いており、ガイドブックでは五本松公園からは県道2号線に下りて、車道歩きで地蔵崎園地に戻ることになっていた。車道を長々と歩くのは楽しいとは思えず、往路コースを引き返して駐車場に戻ることにした。再び尾根歩きをすることになったが、午後に入っても涼しさは続いており、気楽な尾根歩きだった。再び馬着山の山頂に立つと、後はほぼ下る一方だった。緩やかな坂は下りとなっていっそう易しかった。そしてほぼ登山口に近づいたとき、例のイノシシが捕らわれていた箱罠に猟銃会の人が来ており、骸となった三匹のイノシシの処分が進められていた。駐車場に戻ってきたのは14時半。改めて明るい大山を眺めてから帰路についた。
(2024/6記) |