不老山は備前市の中心部に近くJR赤穂線の真北にある山で、名前としては趣があるのだが、いかんせん山としては小さかった。そこでこの山を目指して登るのではなく、西隣の医王山を登るついでに登ることにした。向かったのは2018年1月の第一土曜日で、澄んだ青空の広がる日だった。インターネットからの情報では南麓側にある忌部神社から登山道が始まっているようだったので、それを登ることにした。ところが先に登った医王山から不老山を見たとき、その西面が易しく登れそうに見えた。しかもその辺りは麓と尾根との標高差は150m程度しかなかった。そこで不老山への往路として西斜面を登ることにした。医王山から下山すると、一度鬼ヶ城池そばの駐車地点に戻った。そこから予定していた西斜面の取り付き地点までは僅かな距離だった。残念だったのは快晴だった空が見る見る曇り空に変わってきたことで、その上気温も下がってきた。どうやら北部の雪雲が流れてきたようだった。車道を離れて取り付き予定の山裾へと向かうも、その辺りに小径は見えなかった。それでも辺りは疎らな灌木林とあって適当に歩けた。斜面を登るようになっても同様で、木に掴まりながら登り易そうな所を探りながら登った。シダヤブに出会うことも無く、けっこうスムーズな登りだった。登るほどに西向かいの医王山がはっきりして見えてきたが、曇り空とあって薄暗い姿だった。尾根に着いたときは車道を離れてから24分しか経っていなかった。そこは山頂から見ると北隣の210mピークの辺りだった。尾根にはネットの情報の通り尾根道が付いており、赤テープが点々と付いていた。それを目印に山頂を目指して南へと歩いた。一度樹林帯を抜け出すと展望が広がった。西には医王山を、東には観音寺山が眺められた。南に見えている不老山へとまずは鞍部へと下った。そして登り返すと再び樹林帯に入った。尾根が緩やかになると程なく山頂に着いた。そこはすっかり樹林に囲まれており、山頂らしさは無かった。また山名標識は見なかった。それでも山頂に立ったことに満足して下山に向かった。下山は南へと尾根道を歩き続ける形で下った。やはり雑木に囲まれての展望が無いままの下りだった。ごく普通の里山道を歩く感じで下って行くと、麓が近づいたとき害獣除けの金属柵に阻まれた。その柵のゲートを抜けると、尾根コースとは別に柵沿いの道を見たのでそちらを下った。そして忌部神社のそばに出た。神社への道は尾根からの道もあったので、尾根コースを辿っていても神社の前に出られたようだった。忌部神社は物作りの神様が祀られているようで、辺りの古い土器を持ち去ると祟りを受けるようだった。もう市街地は近く、参道を歩いて町中へと入った。その辺りは備前焼の本場と言える所で、メイン通りに出ると両側には備前焼の店が並んでおり、そのギャラリーを眺めながら通りを西へと歩いた。伊部駅の近くを通ったときに分かったのは、駅前には無料の観光駐車場があるようだった。そこに車を止めて不老山に登っても良さそうだった。ギャラリー通りを歩いていると、急にお天気雨が降ってきた。その小雨に濡れながら不老川のそばに出ると、川沿いの小径を北へと歩いて鬼ヶ城池へと戻って行った。
(2018/2記)(2019/2写真改訂) |