TAJIHM の 兵庫の山めぐり <岡山県の山
 
妙見    みょうけんさん 266m 備前市・瀬戸内市
玉葛    たまかずらやま 267.0m 瀬戸内市
龍王山      りおうさん 210m 備前市
 
1/2.5万地図 : 片上
 
【2016年2月】 2016-13(TAJI&HM)
 
   笹尾山より  2015 / 12

 2015年の年末に片上湾に近い笹尾山を登ったおり、その素晴らしい山頂展望で気になったのが妙見山と玉葛山の並ぶ姿だった。その両山を登りたいと思った。下山後に調べると、玉葛山へは北側から登山道があるようで、よく登られているようだったが、妙見山に関する情報は得られなかった。但し、二つの山の中間を林道が尾根越えで通じており、その林道から分岐した支林道が妙見山の近くまで延びていたので、妙見山も登ることは可能と考えた。
 向かったのは2016年2月の第一土曜日で、笹尾山登山からおおよそ40日後のことだった。ブルーラインを走って鶴海ICで降りると、尾根の北側を走る県道39号線に入った。そして八坂集落まで来ると県道を離れて山裾に近づいた。ところが高下集落内にも山裾にも適当な駐車場所が見つからなかったので、東鶴山小学校の近くまで車を進めて、農地の一角に駐車場所を求めた。まずは妙見山を目指して農道を東へと歩いた。右手前方に見える丸みを帯びた山が妙見山だった。高下集落に入ると、尾根越えの林道に通じる南へと向かう車道に合流した。そしてその細い車道で山裾に向かった。集落を抜けると山裾となり、辺りは墓地が点在していた。そこを抜けて南へと登ると、車道は自然と林道の様相になった。林道はダート道で、つづら折れになっていたため、緩やかに尾根に向かった。墓地の位置から15分ほど登ると尾根に出た。その辺りはミカン畑になっており、林道は二手に分かれていた。右の道は南の方向へと下り坂になっており、左手の道が妙見山に近づく道だった。その左手の道に入ると一気に荒れてきた。車道としてははっきりしていたが、通る車が少ないようで、笹ヤブになっていた。ヤブコギまでにはならなかったが、膝で押し退けるようにして歩いた。ときに易しく歩ける所も現れたが、胸丈まで茂っている所も現れて、やはり悪路と言えた。妙見山が近づくと別の林道に合流した。そちらは舗装路で、辺りはミカン畑だった。舗装路を北へと歩いて妙見山に近づいた。道の傾斜がきつくなると林道は終わったが、その先から山道が始まっていた。始めはヤブになっていたが、古びた小屋の横を通り過ぎた辺りからに普通に歩けるようになった。急坂だったため、登るほどに背後に瀬戸の風景が広がってきた。小豆島が正面だった。尾根が緩むとほぼ平坦な感じとなり、程なく山頂に着いた。山頂と言っても三角点は無く、山名標識も見当たらなかった。一帯はほぼ同じ高さだったので、僅かに高い所を山頂と思うことにした。展望も無かったので、一息入れただけですぐに引き返した。急斜面の位置まで戻って来ると、前方に瀬戸の風景を見ながら下った。その瀬戸の方向以外にも西の方向も眺められ、稜線の先に見える丸みを帯びた山が玉葛山のようだった。再び荒れた林道を歩いて鶴海集落からの林道との合流点まで戻ってきた。そこから玉葛山に向かう予定だったが、辺りに尾根に出られそうな小径は無かった。林道を少し南へと歩いてみたが、そちらにも小径は無く、鶴海側にも無かった。そこで地図に示された備前市と瀬戸内市との境界尾根を伝って行くことにした。適当に斜面に取り付いて雑木の中へと入った。玉葛山までの距離は800mほど。はじめは雑木の隙間を伝って何とか歩けていが、途中から俄然灌木ヤブとなった。小枝を払ったり、その下をかい潜ったりして進んだが、やっかいなことにイバラが多かった。また油断するとシダヤブに突っ込むこともあった。また笹ヤブ帯もあって、ヤブに慣れていないと歩き続ける気力が途中で折れるのではと思える感じでヤブは続いた。ときおり山頂が望めたので、向かう先を誤ることは無かった。直進すれば谷筋に下りることになるので、頭の中に地図を描いて境界尾根から逸れないように歩いた。歩くうちに木立が疎らになって歩き易くなることもあったが、長くは続かなかった。もうこのまま山頂間際までヤブコギかと思い始めたとき、突然のように登山道に出会った。北からの道で玉葛山の正規コースではと思えた。後は楽々と歩いて山頂に向かった。山頂手前は急坂になっていたが、長くも続かず山頂到着となった。玉葛山の山頂は一見雑然ととした感じに見えたが、祠が置かれた位置を過ぎて南へと向かうと、広く開けた所が現れた。そこは南に向かって遮るものは無く、絶好の展望地だった。正面の小豆島だけでなく、左手に日生諸島が広がり、他にも虫明湾や間口港が足下に見えていた。その美しい風景を見ながら昼休憩とした。これで二つの山を登る目的は達したので、一時間ほどの休憩を終えると下山に向かった。下山は登山道をひたすら歩いて北麓に下りることにした。北へと斜面を下り出すと、始めに展望があって北の山並みが眺められた。熊山、笹尾山、観音寺山と、おなじみの山が前方に広がっていた。下るうちに周囲は樹林帯となり、展望は閉ざされた。後は淡々と登山道を下って行く。途中で道のはっきりしない所が現れるも、目印テープがあって点々と付いていたので、コースを外れることは無かった。そのまま麓に着くだけかと思っていると、登山道の分岐する所が現れて、そこに立派な標識が立っていた。分岐した登山道は龍王山(りおう山)に至るようで、そこに展望台があるようだった。地図を見ると、りおう山は無名の210mピークのことだった。そこでりおう山に寄り道することにした。そちらへの道は階段状に整備されており、遊歩道と呼べそうだった。分岐点から5分ほどで210mピークに着くと、一帯の木々は伐られており、そこにぽつんと展望台が建っていた。その為、周囲が総て見渡せた。展望台に立つと更に展望は広がって、まさに360度の眺望だった。おかげで備前市南部の山並みを、思いっきり眺めることが出来た。後は主コースに戻ってどんどん下ると、舗装路に下り着いた。そこから右手に歩いたところ、鶴海荘で行き止まりとなったので、引き返して西へと歩いた。別の車道に合流して北へと向かうと、正面に見えてきたのは東鶴山小学校だった。県道39号線に出ると、駐車地点までは300mほどの距離だった。
 それにしても、この下山では何度も「りおう山」の標識を見たので、地元では玉葛山よりも龍王山の方が親しまれているようだった。この日は妙見山を登ったことによって厳しいヤブコギをすることになってしまったが、玉葛山に絞って登るのであれば、龍王山との組み合わせで易しく登れて素晴らしい展望ハイキングを楽しめるのではと思えた。
(2016/3記)(2020/6改訂) 
<登山日> 2016年2月6日 9:42スタート/9:53墓地そばより林道に入る/10:08林道分岐点/10:23妙見山方向への林道に合流/10:37妙見山/11:06林道分岐点に戻ってくる/11:27林道を離れて市境尾根へ/12:33登山道出合/12:38〜13:33玉葛山/13:59〜14:10龍王山/14:35県道に出る/14:43エンド。
(天気) 晴れ。雲は少なかった。麓の気温は9℃ほどだったが、妙見山の山頂は5℃だった。玉葛山は陽射しを受けており、10℃ほどあった。風を受けなかったため、ぽかぽか陽気だった。視界は少しうっすらとしていた。りおう山では冷たい北風を受けた。その頃には空の半分まで雲が占めるようになっていた。
<< Photo Album 2016/02/06 >>
駐車地点を離れて農道を東へと歩いた 北に神田山から明地山へと続く尾根を見る 東に真っ直ぐ歩いて高下集落に近づいた
高下集落を抜けて山裾に 山裾に着くと、墓地を見かけた 墓地そばを通って尾根越えの林道に入った

 登るうちに朝日を
 受けるようになっ
 た

    尾根が近づくと、
    左手に妙見山が眺
    められた

 尾根に着くと林道
 は二手に分かれた


   妙見山方向に向か
   う林道を進む

林道を笹が囲むようになった 前方に妙見山を見ることがあった 軽い笹のヤブコギが続く
笹ヤブを抜け出して歩き易くなった 妙見山が近づいて、別の林道に合流した 妙見山の方向へと歩いた 右手はミカン畑だった
すぐに林道は終わってその先は荒れた登山道だった 登山道は笹に覆われておりヤブコギとなった 小屋のそばを通る
ヤブが終わると、急坂となってきた 背後に展望が広がって、瀬戸の海が眺められた 尾根が緩んできた
山頂が近づくと、ほぼ平坦な地形となった 登
山道は易しい道になっていた
妙見山は三角点が無いので、最高点と思える所
を山頂とした
展望が無かったのですぐに山頂を離れた 歩い
てきた道を引き返す
急坂を下るようになって前方に展望が開けてきた 手頃な木に登ると、南から西にかけてが遮るものもなく眺められた

 上の写真に写る
 小豆島を大きく
 見る

 上の写真に写る
 玉葛山を大きく
 見る
急坂下りを続けた 林道まで下りてきた また笹のヤブコギで玉葛山の方向へと戻った
林道の合流地点まで戻ってきたが、玉葛山に向
かえそうな小径は見当たらなかった
林道を南へと歩いて玉葛山の東側に出たが、登
山道は無かった
林道を北へと歩いたが、やはり登山道は無かっ
た 結局、境界尾根を登ろうと適当に樹林の中
に入った
当然小径は無く、歩けそうな所を探しながら登
った
シダの茂る所を歩く シダの丈が低く無理なく
歩けた
前方が開けたとき、玉葛山の山頂が確認出来た
笹ヤブが現れた イバラが混じって厳しかった 中間地点となる鞍部まで歩いてきた 笹ヤブコギが続く
今度は灌木のヤブコギが続く 突然、登山道に出会った 楽々と山頂に近づけた

 玉葛山の山頂に着
 いた 山頂はスス
 キが茂っていたり
 して、少し雑然と
 した雰囲気だった

 山頂の三等三角点
 (点名・玉葛)を
 見る

 上の写真に写る通
 り、山頂には祠が
 置かれていた

 山頂から少し南に
 移動すると、そこ
 は展望地になって
 おり、休むには良
 い所だった
南に向かっての展望で、正面に小豆島が眺められた 少しうっすらとした視界だった 左の写真の中央に写る間口港を大きく見る

 上の写真の左手には
 日生諸島が眺められ
 た
山頂に戻って少し北に下ると、北東方向が眺められた 左の写真に写る観音寺山を大きく見る
上の写真の左手を眺めると、熊山が望めた 妙見山をすっきり眺めようと手頃な木に登ったところ、大平山も眺められた
上の写真に写る熊山を大きく見る 上の写真に写る笹尾山を大きく見る 下山は登ってきた登山道のままに下ることにした
急坂を過ぎると易しく歩けるようになった 緩やかな上り坂もあった 道が少しはっきりしない所は目印テープを追った
淡々と登山口まで下るだけだと思っていると 途中で龍王山への登山道が分岐した 丸太の階段道で龍王山に向かった
龍王山が近づいて緩やかな落ち葉道となった 龍王山山頂が目前になると、展望台が見えてきた 山頂に着いて展望台を見上げる
山頂の樹木は伐られていた おかげで展望台に立つと素晴らしい展望に出会えた 西から北、東へと180度を眺める

 上の写真の右手を見
 る 東から南にかけ
 てだった

 上の写真の右手を見
 る 南から西にかけ
 てだった

 片上湾の方向を少
 し大きく見る


   夕立受山に陽射し
   が当たっていた
前山を大きく見る 四辻山を大きく見る 山頂の一角には皇紀二千六百年の石碑が建っていた
龍王山の山頂を離れて歩いてきた道を引き返し
分岐点まで戻ってくると、メインコースの下り
に入った
下るほどにゆったりとした道になってきた

 登山口が近づい
 て平坦な道を歩
 くようになった

 登山口に出てきた
車道を東へと歩くと、老人ホームの鶴海荘で行
き止まりとなった
引き返して西へと歩いた 広い道に合流して北へと向かうと、鶴海東小学
校が見えてきた

 県道に出て溜め
 池のそばを歩い
 ていると、溜め
 池越しに龍王山
 の姿が眺められ
 た

 県道を離れて農
 道に入ると、駐
 車地点は近かっ
 た