御嶽山は岡山県の笠岡市にある山だが、この山を登ろうと決めたのは、ガイドブック「新・分県登山ガイド岡山県の山」を見て、「瀬戸内の展望がすばらしい石仏の山」の言葉からだった。向かったのは2013年3月下旬の薄曇りの日だった。この日は広島県福山市の鞆の浦にある仙酔島に泊まる計画を立てていた。そこで道中でのハイキングとして御嶽山を登ろうと決めたものである。山陽自動車道を西へと走って、鴨方インターで下りた。そして国道2号線に出ると、ずっと西へと走って笠岡市に入った。目指すは鳥ノ江峠で、そこへの道として県道*432号線に入ろうとしたところ、県道は工事中で進入禁止になっていた。そこで遠回りとなるが県道47号線からまずは西大島地区へと入った。そこから鳥ノ江峠へと向かう予定だったが、鳥ノ江峠への案内表示が見えなかった。そこで地図をにらみ、これではと思える南の山中に向かう車道に入った。その途中で60代と思える地元の人に出会ったので、この道で大丈夫かと聞いたところ、鳥ノ江峠への道はこの道ではなく、西側の夏目地区からの道しかないようなことを言われてしまった。地図では通じていることになっているので、その人の言葉に従わず、そのまま車道を進んで行くことにした。車道は車一台ぎりぎりの幅しか無かったが、舗装路として続いていた。行き止まりになれば引き返すだけだとの気持ちで進むと、広い駐車場が現れた。そこが鳥ノ江峠で、立派なトイレの建物もあった。その広場の一角に御嶽山の登山口があった。それだけで無く、四尋山の登山口もあった。案内板を見ると、笠岡市では笠岡十名山が選定されており、御嶽山も四尋山も選ばれていた。地図を見ると、四尋山は御嶽山の西向かいにある229mピークのことのようだった。峠とは標高差は120mほどなので、御嶽山に登る前に足慣らしとして四尋山も登ることにした。その四尋山への登山道は急坂だったものの小さな山なので、15分で山頂に立つことが出来た。そして下山へ。結局、御嶽山に登る前に40分ばかり寄り道をしたことになって、漸く御嶽山登山を始めることにした。御嶽山へは山頂まで林道が通じているが、その林道とは別に登山道(観音道)があり、それを登って行くことにした。いかにも参道と言った趣の道で、道そばには石仏も見られた。周囲は自然林が囲んでおり、足下は落ち葉が道を隠していた。ごく緩やかなその参道を30分近く登ると鳥居が現れて、その先に小ぶりな御瀧神社が建っていた。登山道は神社の左手に続いており、道なりに進んで行くと、斜面をつづら折れに登るようになり、最後は広場のような所に出た。そこは林道の終点でもあり、またベンチも置かれて南に向かって展望場所にもなっていた。その瀬戸の方向だが、この日はモヤのきつい視界で、何ともぼんやりとした海の風景となっていた。その広場のそばの僅かに高くなった所が山頂だった。山頂には龍王神社が建っており、その前にはベンチがあって休めるようになっていた。そのベンチに座って、少し早かったが昼休憩とした。その休憩場所からも少し展望があり、西の方向に神島が眺められた。先ほど山頂に立っていた四尋山も足下に見えていた。この御嶽山には二等三角点(点名・大島)が置かれているが、龍王神社のそばには無く、東に100mほど離れた場所にあった。昼食を済ませた後、三角点にも立ち寄ってみた。地図を見ると、御嶽山の山頂は東西に平坦な地形になっており、龍王神社の位置と三角点の位置とではどちらが高いかは地図からでは判断できなかったが、龍王神社の位置の方がごく僅か高いのではと思われた。その山頂を離れて、下山は石砂林道を下って行くことにした。舗装路になっており、下り始めて現れて程なく現れたのが素晴らしい展望地で、この御嶽山の名所になっている幻虹台だった。案内板があり、笠岡諸島が一望出来ると書かれており、なるほどその通りに前面に島々が並んで、なかなか絶景だった。その幻虹台を後にして林道での下りを続けていると、右手に観音道に向かう小径が分かれたので、その小径へと入った。そして観音道に合流すると、後は観音を歩いて登山口へと戻って行った。
(追伸)
この日の御嶽山ハイキングで残念だったのは視界が濁っていたことだった。そこで翌日に改めて幻虹台を訪れた。但し、車で幻虹台のそばまで来てだったが。翌日の天気は穏やかな晴れながら視界はやはり春霞がかかっていたが、前日よりは幾分良くなっており、幻虹台からの笠岡諸島の展望をまずまず楽しむことが出来た。
(2013/4記)(2021/3改訂) |