冬場になると備前地方の低山を登って瀬戸の海を眺めたくなるが、2013年の年末に向かったのは観音寺山だった。JR赤穂線備前片上駅の北に位置しており、海から少し離れるが少しは海が眺められるだろうと考えてのことだった。参考にしたガイドブックは「新ルート 岡山の山百選」で、そこに紹介されているルートを歩くことにした。すなわち東備ゴルフセンターのそばから始まるコースで観音寺山に登り、その後は東隣りの東観音寺山に立ち寄って一本松へ下るルートだった。ところが現地に着いてみると、国道2号線は車が多く、一本松へと下った後に国道沿いを歩いて駐車地点に戻るのはどうかと思われた。ただ車で行くことを考えると、それ以外ではピストン登山となるので、とにかく当初の予定通りに歩こうと東備ゴルフセンターにむかった。そのゴルフセンターのそばより林道が始まっていたが、入口にはゲートがあって一般車は通行出来なくなっていた。それは良いとして、そこに登山案内図が付いており、それを見ると観音寺山へは三つのコースがあることが分かった。そこで当初の予定を変更して、ゴルフセンターのそばからピストンで登るものの、往路と復路ではコースを変えることにした。また東観音寺山山頂は南北に長く、その両端に展望岩があるようだったので、どちらにも立ち寄ることにした。その前に車をどこに止めるかだったが、車道を少し戻った所にあった公園の一隅に止めることにした。そこからのハイキングの様子は下の写真帳でご覧いただきたい。往路コースは三の池コースで登り、復路コースは西の池コースとした。登っての印象で一番強う伊のは、季節柄か大量の落ち葉が登山道に積もっていたことだった。一般に瀬戸に近い山は常緑樹が多くあって落ち葉は大量とは言えないのだが、この観音寺山は常緑樹が多いようで、落ち葉がすっかり登山道を隠しており、ふかふかとした踏み心地を味わえることになった。そして観音寺山の山頂からは好展望が得られた。但し良かったのは東から北にかけてで、残念ながら瀬戸の方向はちらりと見えているだけだった。その瀬戸の眺めは次に立った東観音寺山(南展望岩)で叶えられた。海岸線からは10kmほど離れているため、少し遠い眺めとなったが、片上湾やと小豆島を望むことが出来た。その南展望岩に立ったときはちょうど昼どきでもあったので、その風景を眺めながら昼食とした。この日、残念だったのは雲の空だったことで、陽射しを受けている時間はあまり長くはなかった。陽射しさえたっぷり受けられたなら、展望岩はかっこうの憩いの場所になりそうだった。ところで東備ゴルフセンターからのコースだが、往路の三の池コースは道もはっきりして歩き易かったが、下山で歩いた西の池コースは途中で道がはっきりしなくなり、目印テープを追って下ることになった。また急斜面を下る所もあって、少しマイナーなコースだったと言えた。それを踏まえても、観音寺山は冬場にこそぜひ訪れたい山だと思えた。
ところで東観音寺山についてだが、現地の登山案内図では南北に長い山稜の全体を指して東観音寺山としていた。そうなると最高点は中央の340m地点となるが、「新ルート 岡山の山百選」では南展望岩を持つ320mピークのこととしていた。そこでどう扱うか迷ったが、観音寺山を眺めようと下山後に訪れた笹尾山の山頂からは、320mピークがはっきりと山の姿をしていたので、本に習って320mピークを東観音寺山と呼ぶことにした。
(2014/1記)(2021/2改訂) |