2021年1月2日は岡山市近郊の低山を楽しもうと小旅行に出かけた。この数日間は日本海側は雪、瀬戸内側は晴れの天気が続いており、この日も同様だった。山陽自動車道から見る北の空は雲が広がっていたが、上空から南は快晴だった。岡山自動車道に入り、程なく現れた総社ICで高速道を離れた。ナビは鬼ヶ城山のビジターセンターにセットしており、ごくスムーズに走ってビジターセンター前の鬼ノ城駐車場には10時前の到着となった。急坂を走ってきたので、駐車場の位置で標高は350mあり、鬼ヶ城山山頂とは50mも違わなかった。その鬼ヶ城山の周囲には小さなピークが幾つかあり、一番近いピークは西向かいにあって犬墓山とちょっと変わった名が付いていた。その犬墓山の登山口も駐車場のそばにあり、登山道は犬墓山の山頂を通って岩屋観音堂まで通じていた。ごく近い位置でもあり、その山頂から鬼ヶ城山の姿が眺められるのではと考えて、先に犬墓山を訪れることにした。登山口に入ると登山道はごく普通の山道として、適度な傾斜で続いていた。良い感じのまま登って行くと、山頂が近づいたとき右手に岩場の展望地が現れて、期待通りに鬼ヶ城山がすっきりと眺められた。その展望は後でじっくり楽しもうと、すぐに山頂に向かった。僅かな距離で山頂に立つと、そこに三等三角点(点名・阿曾)を見るも、周囲は樹林が囲んでおり展望は無かった。一息入れると引き返して岩場の展望地で休憩とした。ビジターセンターに向かっていたときは快晴の空だったのだが、はや北から雲が流れてきており雲の多い空に変わっていた。そのため陽射しの消えているときの方が長くなっていたが、陽射しが現れると鬼ノ城山の姿がすっと浮かび上がった。この展望に満足して駐車場に戻ると、いよいよ鬼ノ城山のハイキングを開始した。いざコースに入ると、登山の要素は全く無かった。描いていたイメージと大きく違っており、ただ丘の遊歩道を散策する感じで、単に公園の散策をしていると言っても過言ではなかった。ハイキング姿の人は少なく、犬の散歩をしている人もおれば、幼児と並んで散歩している人もいた。展望台に立ち更に山頂となる休憩舎に立って展望を楽しむと、もうそれ以上散策する気は消えてしまった。まだ11時を回った時間でもあったので、別の山を登りたい気持ちが起きてきた。そうなると山頂を踏んだことでもあり、鬼ノ城山ハイキングを切り上げることにした。そこであっさり歩いてきた道を引き返した。但し展望デッキには寄り道したが。駐車場に戻って来ると、車に残していたガイドブック「岡山県の山」を開いて手頃な山はないかと調べると、同じ総社市に福山があることが分かった。午後はその福山に登ることを決めると、鬼ノ城山には何の未練もなく駐車場を後にした。結局、鬼ノ城山で過ごしたのは80分だけだった。
(2021/2記) |