TAJIHM の 兵庫の山めぐり <鳥取県の山
 
六郎谷    ろくろうだに 659.5m 八頭町(鳥取県)
 
1/2.5万地図 : 稲葉郡家
 
【2011年5月】 2011-54(TAJI&HM)
 
   東麓を走る県道37号線より  2011 / 5

 新緑の山を楽しもうと毎年5月は鳥取の山に登ることを楽しみとしているが、2011年はちょっと変わった山名の六郎谷に向かった。ロクロウと言う名からして、木地師が使うロクロと関係があるのかも知れないと思えた。2009年に近くの遠見山を登ったときに、その六郎谷の姿が小さいながらもどっしりと眺められて、気になっていたものである。その六郎谷をどこから登ろうかと考えて、「稲葉郡家」の地図を開いた。距離的には東麓側の山志谷集落側から登れば良さそうだったが、山頂から北に延びている尾根が気になった。緩やかに真っ直ぐ延びており、新緑の尾根をゆっくり眺めるのに良さそうに思えた。ただピストンはしたく無いので、北尾根をずっと歩くのは下山時として、往路は北尾根の西を走る林道をアプローチとすることにした。その林道を途中まで歩いて、適当な所で北尾根を目指して支尾根を登ろうと考えた。
 この日の空は黄砂の影響なのかうっすらとしていたが、5月の風と言う言葉が相応しい爽やかな風が吹いていた。国道29号線を走って行くと、八頭町に入って富枝交差点で右折して扇ノ山方向へ向かう県道37号線に入った。その県道は途中で二手に分かれ、「ふる里の森」へ向かうのは林道で、県道は西へ折れて尾根を越えることになった。県道に入ると展望は良く、南に向かって東山の尾根が眺められた。尾根を越えると間近に六郎谷が見えるようになり、山志谷集落へと下って行った。山志谷集落を過ぎると県道282号線に合流した。今度は六郎谷の北麓を西へと走る。その県道282号線を、野町集落の標識を見て離れた。野町集落に入って行くと、集落の道は車1台がやっとの細い道だった。集落を抜けると車道は林道に替わって、野町川沿いを南に続いていた。対岸が六郎谷の尾根だった。下山を考えると林道を奥まで走るのは無意味だったので、道幅が広くなった所で車を止めて駐車とした。そして林道を南へと歩き始める。林道と野町川の間は狭いながらも水田になっており、田植えの準備が進められていた。次第に六郎谷の尾根と右手の尾根が狭まってきた。そして野町川に架かるニノ谷橋を渡って右岸側に出た。地図を見るとその辺りから始まる支尾根に取り付けば、スムーズに六郎谷の北尾根に出られそうだった。その辺りは急斜面になっていたが、無理やり登って行った。一帯は植林地だった。尾根を辿るようになっても尾根は急傾斜で続いた。その尾根の木々が登るほどに植林から自然林に替わってきた。そのときは少し雲の多い空だったが、雲間から陽射しが現れると、自然林が今が新緑の盛りとばかりに薄緑色の葉を輝かせた。ただ風が強く吹いており、絶えず小枝が揺らされていた。気温は17℃と少し低めで、風もあって少し涼し過ぎるぐらいだったが、急坂を登っているとあって適度な涼しさに感じられた。200メートルほど登ると、尾根の傾斜は一気に緩んだ。その辺りから下生えとしてクマザサが増えてきたが、そこも鹿の食害が進んでいるようで、多くの葉はかじられて枯れようとしていた。そのためごく普通に歩いて行けた。尾根は大きな木が多くあり、新緑として楽しむには十分だったが、どうも良く育っていると言うか木々に切れ目が無く、展望は現れなかった。その支尾根の傾斜が再び増して北尾根に合流した。林道を離れてから一時間近くが経っていた。もう山頂まで緩やかな尾根が続くのみ。尾根はササがあったり、植林地が現れたりするものの、概ね自然林に覆われており、明るい尾根だった。その自然林はやはり大ぶりの木が多いようで、たっぷりと新緑を楽しめた。ただ北尾根も展望は無かった。下生えが少ないのでスムーズに歩けたが、地表が広く現れている中にクマザサの痕跡を見たり、ウリハダカエデが育とうとしている様子を見ると、この北尾根は以前はクマザサにすっぽりと覆われていたのではと思われた。それが鹿の食害で植生が変わってきたものであろう。山頂が近づくとクマザサが見られるようになり増えてきた。それをかき分けて二等三角点(点名・山志谷)が置かれた山頂に着いた。そこはすっかり木々に囲まれており、展望は全く無かった。一帯が緩やかな地形と言うこともあって、尾根の途中かと思える雰囲気だった。但し、人の訪れの少ない山で感じる落ち着きはあった。ササの少ない所で休憩とした。山頂は風が少ないようで、休むにはちょうど良い涼しさだった。その涼しさの中で少しばかり横になって体を休めた。一段落したところで周囲を探ってみたが、植林地があったり自然林が広がっていたりと、どちらにしても展望は開けなかった。山頂で休んでいたのは一時間ほど。下山は予定通り北尾根をひたすら歩くことにした。この下山では尾根からの展望に注意することにした。やはり注意すれば見つかるもので、尾根を少し離れると木々の空いた所が現れて、北東方向に扇ノ山が望めた。その展望が得られたことで、後はひたすら尾根の緑を楽しんで下った。その尾根は植林と自然林が混じっていたのだがが、麓が近づいたとき、孟宗竹の竹林になったのは少し意外だった。やはり里山と呼ぶのが相応しい山と言えそうだった。そのまま竹林の中を歩いて麓に出るものと思っていると、また雑木林になった。そして尾根がはっきりしなくなった。北へと下って行くことだけを心がけて下って行くと、麓の田園風景が見えてきたとき小径に出会った。その小径を下って行くと、野町集落から東へ少し離れた田圃の一角に下り着いた。後は野町集落を抜けて、林道の駐車地点へと戻って行くだけだった。
 久々に情報の無い地図だけが頼りの手探り登山をしたが、自然な山の佇まいと、この季節ならではの新緑が楽しめて、十分に満足出きるハイキングとなった。それにしても人の訪れが少ない山は当然会う人はいなかったが、静けさだけで無くゴミ一つ無いことは、歩いていて気持ちの良いことだった。
(2011/5記)(2021/7改訂)
<登山日> 2011年5月14日 9:42林道途中の駐車地点スタート/9:52二ノ谷橋/9:55林道を離れる/10:30尾根が緩やかになる/10:48北尾根に出る/11:15〜12:20山頂/14:06北尾根を下ってふもとに下り着く/14:22駐車地点に戻ってくる。
(天気) 快晴、少し雲あり。風が強かったが、黄砂の影響があるようで、薄青空と言うよりも少し黄色く濁った空だった。視界もうっすらしており、遠くはモヤの中だった。気温は18℃ほど。風があるだけで無く湿度も低いようで、爽やかな空気感が快かった。
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田植え準備の進む
田圃を見ながら、
六郎谷の西を走る
林道を歩いて行っ


林道を南へと歩く
うちに両側から山
が迫ってきた
野町川に架かる二ノ谷橋を渡って右岸に移る 右岸を歩き出してすぐに山すそに取り付いた 尾根を辿るようになったが、けっこう急角度だった
   
急斜面は続く 植林に雑木が混じり出した 自然林の尾根に変わってきた 陽射しが現れると、一気に新緑が浮かび上がった
    
クマザサを見るようになったが、枯れかかって
いた
イワカガミの花を少し見た 急尾根を200mほど登ると一気に尾根は緩く
なった

植林も見られた尾
根だが北尾根が近
づいて再び尾根の
傾斜がきつくなる
と、自然林が囲む
ようになった

北尾根に出る

また緩やかな尾根
歩きとなった
枯れかかったササの中を歩いて行く ときどき植林が混じった クマザサの消えた所にウリハダカエデを多く見た
   
自然林に包まれて尾根を歩く 新緑がまぶしいばかりだった 山頂が近づいてクマザサが茂り出した
     
 北尾根に出てから
 30分ほどでの山
 頂到着だった 周
 囲はすっかり木々
 に囲まれていた

  山頂の二等三角点
  (点名・山志谷)
  を見る
        
三角点そばに立って新緑の木立を見上げる 少し離れた位置には植林帯もあった 低山らしくミツバツツジが咲いていた
     

 下山はひたすら北
 尾根を下ることに
 した 始めにクマ
 ザサをかき分ける

 この下山では展望
 を求めることにし
 た 山頂より少し
 下った位置でこの
 日漸く展望を得た

 北西の方向だった
    
 右上の写真の扇ノ
 山を大きく見る
 長々と緩やかな尾
 根が長々と続いて
 いる

    嶽山の奥に見える
    のは青ヶ丸の山頂
    のようだった
    
嶽山の西麓に見えたのは落岩集落だった 新緑の尾根歩きを続ける ときおり木立の隙間から北向かいの山が望めた
    
 下るうちに北向か
 いの尾根が眺めら
 れるようになる
 それは福地集落の
 背後の尾根だった

    立つ位置を変える
    と右に続く山並み
    が眺められた   
      
自然林の尾根歩きを続けることにする 緩やかな尾根がずっと続いた 北西が開けたときがあったが、うっすらとしていた
    
中腹を過ぎると植林が見られるようになった 急に竹林となって驚いたが、長くは続かなかった 麓が近づくと尾根は不確かになってきた
    
最後は急斜面になって、すとんと小径に下りた 下りた辺りはシャガの花がよく咲いていた ガマズミの花を見る
    
 小径を歩いて行く
 と畑地の一角に出
 た 左手に野町集
 落が見えている

  駐車地点に戻るた
  め野町集落へと入
  って行く