TAJIHM の 兵庫の山めぐり <岡山鳥取県境の山
 
釈山    しゃくやま 753.1m 津山市(岡山県)
智頭町(鳥取県)
 
1/2.5万地図 : 大背
 
【2009年10月】 2009-94(TAJI)
 
   桜尾山の中腹より  2009 / 10

 岡山鳥取の県境尾根は、東部では那岐山が断然の存在だが、釈山はそのごく近くにあって小粒ながら三角錐の端正な姿を見せている山である。この釈山を登ろうと考えたのは、ちょっとした思い付きだった。釈山の北には物見峠があり、その峠の北に位置する桜尾山を物見峠から登ろうとまず考えた。そのとき2万5千分の1地図「大背」を見ると、物見峠の南、峠にごく近い位置に釈山があるのを見た。その距離なら桜尾山を登る前に足慣らし程度に登れそうに思えた。そこで桜尾山に登るときにいっしょに登ってしまおうと、考えがすぐまとまった。
 向かったのは2009年10月10日のこと。この日は10年前までは体育の日であり、晴天特異日として知られていたが、それを証明するようにこの日の播州の空は快晴だった。物見峠には智頭町側から近づこうと、中国道を美作ICで下りた。国道53号線に入ると、那岐山が間近に見上げるようにして眺められた。その上空は雲が少し多い程度で、澄んだ青空が広がっていた。岡山鳥取県境の黒尾トンネルを抜けると、少し下りた所が智頭町の那岐地区だった。土師川沿いの車道を西へと走ると、車道はJRの線路を潜った先で二手に分かれた。左手の道は那岐山の登山口へ、右手を進めば物見峠だった。峠への道は車1台分の幅しかなかったが、舗装状態は悪く無くスムーズに走って行けた。物見峠が近づくと道幅はゆったりしてきて、駐車出来そうなスペースも散見出来た。そこで車は峠まで十数メートルほどの位置にあった鳥取側の路肩スペースに止めることにした。さてそこから釈山を目指すのだが、特に登山標識は無く、赤テープはあったがそこに小径は見えなかった。どこを登っても特に問題は無さそうだったので、赤テープの位置から草地の中に入り、尾根を目指して斜面に取り付いた。多少、灌木や雑草が煩わしかったが、木に掴まりながら登って行くと10分とかからず県境尾根に出た。そこには踏み跡程度の小径があり、どうも峠のどこかから続いているように見えたが、よくは分からない。その尾根の小径を南へと歩いて行った。周囲は植林地で、展望は無かった。進むうちに足下に雑草が増え出し、またクマザサも疎らながらも見られるようになった。次第に急坂となったが、涼しさに助けられて休まず登ると、東から来た尾根と合流した。相変わらず周囲は植林地だったが、合流地点は木々に切れ目があり、そこからは北東方向に篭山が覗いていた。篭山には陽が当たっていたが、その上空は雲が多く、よく見るとその右手遠くの扇ノ山辺りはガス雲が広がっていた。北の空は良くは無さそうだった。その北の空から黒い雲のかたまりがこちらへ流れて来ようとしていた。ひと息入れて山頂方向へと尾根歩きを再開した。もう尾根は緩やかだった。すぐに山頂が見えてきて、呆気なく山頂に着いた。先ほどの休憩を入れても30分とかかっていなかった。山頂はごく狭く、四等三角点が草に隠れようとしていた。その山頂は植林に囲まれていたが、南西方向が少し覗いており、見知らぬ山が一つそこに見えていた。もっとよく見ようとそちらに近づくと、急斜面の上に草ヤブになっていた。今少し高い位置なら展望を得られそうなので、そこでそばのヒノキに登ってみることにした。若木で枝がたくさん付いていたので、登るのは簡単だった。数メートルほど登ると、期待通りに一気に展望が開けた。那岐連山が大きく眼前にあり、南西遠くに見える高い山はその姿から泉山かと思えた。その頃には北の雲が那岐山まで流れてきており、その上空は暗かった。見ているうちに那岐山の山頂にはガス雲がかかるようになった。その風景を暫く眺めていたかったが、無理な姿勢で木に掴まっていたので腕が痛くなって、数分で木から下りた。これで足慣らし登山は終わったと、山頂を離れることにした。その前に三角点の雑草を取り除いた。県境尾根を戻って東尾根との分岐点に来たとき、一帯の疎らな植林を見て、ここなら桜尾山も眺められるのではと思えた。そこで東へと歩いて展望地点を捜すことにした。そして100メートルほど歩いたとき、期待通りに北向かいの尾根が眺められる所があり、桜尾山が明るく見えていた。と思う間もなく陽射しを雲が遮ってしまい、桜尾山は暗い姿になってしまった。まあ少し待てばまた明るい桜尾山が眺められるのではと、暫く待つことにした。ところが陽射しを遮った雲が意外と大きな塊で、しかも動きが遅いとあって、陽射しがなかなか現れなかった。結局、現れるまで30分ばかりも待ってしまった。明るい桜尾山を見られたのは良かったが、大きなロスタイムだった。県境尾根に戻って、急坂を足早に物見峠へと戻った。この下山では尾根の小径を峠まで歩いて行くことにした。どの辺りに下り着くのかと興味を持っていると、尾根は物見峠にはつながらず北西方向へと峠から離れ出した。そして小径も峠に下りることは無かった。仕方なく物見峠に近い位置で、尾根を離れて適当に下って車道に出た。下ると行っても10メートルほどだったが。下り着いたのは物見峠から岡山側に十数メートル入った位置だった。次は桜尾山だったが、一度駐車地点に戻ることにした。もう気持ちは桜尾山に向かっており、どの地点から再び県境尾根に取り付こうかと北の山裾を眺めながら、駐車地点へと戻って行った。
(2009/10記)(2021/10改訂)
<登山日> 2009年10月10日 9:47物見峠スタート/9:54県境尾根に出る/10:08〜12東尾根に合流/10:14〜41山頂/10:43〜11:27東尾根の展望地で休憩/11:39エンド。
(天気) 雲の多い空で、黒い雲が北から絶えず流れてきていた。但し、その合間には青空が広がった。気温は13℃と少し低めだった。風も少しあったが、冷たい風では無かった。視界は澄んでいた。
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物見峠に着くと地蔵さんが迎えてくれた 標識は無く、赤テープを手がかりに歩き始めた 尾根に出ると、植林に囲まれた中を進んだ
    

 東尾根との合流点
 手前は、少し急坂
 が続いた また雑
 草が少し煩わしか
 った

 東尾根に合流する
 と、もう山頂は目
 の前だった
    
釈山の山頂は狭かった 山頂の四等三角点(点名・古道)を見る 山頂の展望は悪く、南西がちらりと覗くだけだった
   
せっかくの山頂なので少しは展望を得ようと近くの木に登ると、一気に南から南西へと展望が広がった
     

 上の写真に写る矢筈
 山を大きく見る

     同じく泉山を大きく
     見る
    

 山頂を離れて東尾根の
 展望地で、北西に篭山
 を眺めた

     北向かいの桜尾山に陽
     射しが当たるのを待っ
     ていると、結局30分
     以上も停滞してしまっ
     た
     

 下山は物見峠へと向
 かう尾根をずっと辿
 ってみることにした

 尾根は物見峠が近づ
 いたときに逸れだし
 たので、結局、峠へ
 は適当に下ることに
 なった 下り着いた
 位置は、物見峠の岡
 山県側だった