TAJIHM の 兵庫の山めぐり <岡山県の山
 
矢筈山    やはずやま 756.3m 津山市(岡山県)
 
1/2.5万地図 : 加茂若桜
 
【2012年9月】 2012-88(TAJI&HM)
 
   福善寺(加茂町河井)のそばより  2012 / 9

 矢筈山を登りたいと思ったのは、岡山鳥取の県境にある釈山に登ったおりで、山頂から名の通りの矢筈の姿を見てからだった。後で調べると岡山100山にも選ばれており、その山頂には城跡(矢筈城)が広がっているとか。その矢筈山の登山にはJR因美線の利用が便利なようで、二つある登山口一つは千磐神社のそばから始まるが、知和駅が近くにあり、もう一つはまさに美作河井駅のそばだった。そこで往路は千磐神社からのコースを登り、下山は美作河井駅へと下って、JR因美線を美作河井駅から和知駅まで一駅間乗ることにした。向かったのは2012年9月の第四土曜日。まずは国道29号線を走って、山崎ICを目指す。例年なら彼岸花が満開なのだが、残暑がずっと続いていたため、漸く花が開き始めたところだった。中国道は津山ICで降りる。始めに国道53号線を走り、途中から県道6号線に入った。加茂川沿いを北上する。少し雲が多いかと思えるものの、まずまずの晴れだった。長らく残暑が続いていたが、少しは秋らしさが感じられる空気感だった。加茂町知和に入ると、県道は因美線をまたいで山側を走るようになり、すぐに神社が現れた。それが登山口のある千磐神社だった。そばに広い駐車場があり、そこに車を止める。登山道は駐車場の一角から始まっていた。登り始めると一度神社のそばに出て、そこに登山口の標識があった。その先ははっきりとした山道だった。植林も混じる中を登って行くと、程なく西側に展望が広がった。向かいの山並み遠くには角尾山も望めた。足下には知和の集落と実った稲田の風景が広がっていた。また樹林に入って、後はひたすら西尾根を登って行く。尾根の気温は22℃ほどだったが、まだ湿度は高いようで、けっこう汗をかきながらの登りだった。始め周囲は植林が多かったが、登るうちに雑木林に変わってきた。40分ほど登って大きな岩に出会うと、その先で地形は緩やかになり、漸く山城跡に入ったようだった。腰郭跡、郭跡と通って行くが、それぞれ山城跡らしく平坦になっており、そこが感じの良い雑木林となって風情があった。前方には矢筈山の山頂が木立を通して鋭角の姿を見せていた。暫く城跡が続いた先で一度下り坂になり、そして急坂を登って行く。けっこう足の疲れる所だった。また城跡らしき所に入って行くと、山頂が近いと思われたとき三の丸跡が現れた。その一段上が二の丸跡で、ここで左手から美作河井駅からのコースが合流した。まだ先が一段高くなっており、一登りとばかりに上がると、広々と平らに開けた所に出た。矢筈山の山頂(本丸跡)だった。もうそこより高い所は無かった。いかにも本丸があったと思える所で、一角には案内板も立っており、山城としての往時の姿が描かれていた。何とも高い所に城を作ったものだと感心させられた。山頂には木立が少なかったが、その少ない木立の陰で昼休憩とした。山頂は涼しい風が抜けており、十分に汗を鎮めてくれた。昼食を済ませて一息つけたところで、山頂からの展望を楽しむことにした。良く見えていたのは南東方向で、那岐連山が裏側から見る形で眺められた。他にも北に大ヶ山の尾根も眺められ、まずまず満足と言える展望が得られた。その矢筈山山頂からは美作河井駅へと下って列車に乗る予定だったが、因美線を走る鈍行は僅かで、津山行きは朝の8時51分発の次は13時20分発だった。それに乗る予定をしていたので、下山は1時間はかかるだろうと見て、12時過ぎに下山を開始した。美作河井駅へのコースは、始めは自然林の広がる中をゆったりと歩いていたのだが、少し下ると植林地の急坂が始まった。もうどんどん下ると言った感じで下って行く。展望は無く、ひたすら下ることに集中した。最後は沢沿いを歩くようになって、因美線へと近づいた。その因美線が目前となったとき、線路そばに昔に除雪車の向きを変えるために使われた転車台が残っており、ちょっと珍しいと思った。線路沿いを東へと歩き、沢に出会うと小橋を渡った。そして線路の下を潜って線路の北側に出た。そこより戻る形で西に歩くと美作河井駅だった。駅に着いたのは13時にまだ7分あった。山頂から駅まで50分ほどで歩いてきたようだった。そのため駅では30分ほど待つことになった。因美線はローカル線とあって、乗った列車はたった一両だった。乗客は3名のみ。わずか一駅間だけだったが、加茂川の風景が眺められて、列車で戻ってくるのも悪くないと思った。和知駅で降りると、駅前の道を東へと歩く。県道に出ることも無く和知集落に入り、集落内から始まる千磐神社への参道を歩いて駐車地点へと戻った。列車に乗ることを加えたことで、矢筈山登山はちょっとした山旅が出来た気分になれたのは良かった。
(2012/10記)(2021/4改訂) 
<登山日> 2012年9月22日 9:52千磐神社スタート/10:30〜37大岩/11:10三ノ丸/11:16〜12:05山頂/12:38沢沿いの広い道に出る/12:53美作河井駅/13:20美作河井駅発/13:25知和駅着/13:41千磐神社エンド。
(天気) 晴れ。雲は少し多かった。尾根の気温は22℃ほど。少しは涼しさが感じられたが、まだ蒸し暑さがあって、けっこう汗をかきながらの登りだった。山頂の気温は23℃。山頂では涼しい風を受けた。視界はうっすらとしており、遠方ははっきりしなかった。
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県道を走っていると、右手に千磐神社が現れた 神社のそばは広い駐車場で、その端から登り始めた 一度、神社のそばに出た その位置が登山口だった
先にパートナーが登り出す 植林地の中を登山道が続く 植林から抜け出して、開けた所に出た

 西に広く展望があ
 り、遠くは角ヶ仙
 も望めた

  再び植林へと入って
  行く
神社から500m、山頂まで1900mと書かれていた 周囲の木立が自然林に変わってきた 自然林に囲まれて、階段の道を登る
大岩のそばを通る コースの中間点より城跡の領域に入った ここは「堀切」と書かれていた
城跡は雑木林になっており、風情があった 大きなキノコを見た カラカサタケかも知れない 「郭跡」を通る
一度、下り坂があった 鞍部は城門跡だった 上り坂になると尾根は緩んで再び城跡へと入った 前方に木立を通して山頂が見えている
階段の道を登ることもあった 平坦な所が現れた 三の丸跡だった 三の丸跡の先で一段高くなった所が二の丸跡だった
二の丸跡からは北に加茂町阿波地区が望めた 二の丸跡の先は少し急坂になっていた 山頂が目前になる

 山頂に着いた そこ
 は本丸跡で広く開け
 ていた

    山頂の東寄りに四等
    三角点(点名・矢筈
    山)を見る

 山頂に立って、北
 から東にかけてを
 眺める
大ヶ山を大きく見る 桜尾山を大きく見る 釈山を大きく見る

 南東から南にかけて
 を眺める 那岐連山
 が望めた
那岐山から滝山に続く尾根を大きく見る 大釈山の尾根の右手後方に天狗寺山を見る
西に泉山を見る 北西に角尾山を見る

 山頂を東側から眺
 めた

    北東側の足下に加
    茂町河井の家並み
    を見る
   
山頂では50分ほど過ごして、下山を始める 二の丸跡に戻って美作河井駅へのコースに入った 下り始めたとき、木立を通して桜尾山を見る
こちらの尾根の城跡があり、馬場跡を通る 周囲は自然林が広がっていた 尾根を離れて斜面を下るようになった
植林地の急斜面を下って行く 足下に注意しながら急坂を下る 斜面はずっと植林地で、その中を登山道が続く
沢そばに下り着いて、沢沿いの道を歩くように
なった
前方に線路が見えて来ると、左手に祠が現れた 単なる祠かと思ったが、そばに若宮神社と案内
板があった
因美線の手前に珍しい転車台を見る 美作河井駅のホームが見えている 駅に出るのに大回りをすることになった
東へと歩いて行くと、小橋を渡ることになった 小橋を渡ると登山口と転車台の標識が立っていた 駅舎のある方向へと、線路の下を潜った
線路の北側に出ると、駅舎の方向に歩いた 13時前に美作河井駅に着いてしまった 美作河井駅のホームを眺める
13時20分発の列車がホームに入ってきた 僅か5分の乗車で知和駅に着いた 列車を見送る 知和駅を出て、駅舎を眺めた
駅前の道を知和集落に向かって歩いた 前方に矢筈山を見る  知和集落に入ると、千磐神社への参道を見た