二度目の櫃ヶ山に向かったのは2016年8月の猛暑の中だった。お盆休暇の一日を櫃ヶ山登山で過ごすことにした。12日のことで、朝から快晴の空だった。国道313号線を北上すると右手に足温泉が現れ、そこより少し進んだとき左手に櫃ヶ山登山口と書かれた大きな標識が現れた。そのそばに駐車スペースを見たので、そこに駐車とした。気温は既に32℃になっていた。その登山口からのコースは正面コースで、前回の往路と同じコースだった。櫃ヶ山を紹介したガイドブックでは必ずと言ってよいほど書かれているコースでもあるので、ここに詳細は記さず下の写真帳をご覧いただきたい。舗装路の坂道を歩きだすと、まだ人家が現れた。人家が終わると土道となり畑地を通ったりしたが、案内標識に従ううちに山中へと入って行った。有り難かったのは樹林の中を多く歩けたことで、麓は30℃を越えていても樹林帯は28℃ほどとあって、さほど暑さを気にせず登って行けた。道の傾斜は緩やかで、前日の大佐山登山よりも気楽と言えた。そのコースが厳しくなったのは五合目を過ぎて急斜面を登るようになってからで、そこはまともに陽射しを受けることになり一気に厳しい雰囲気となった。他の季節なら後ろに広がる風景を楽しみながら登るのだが、その余裕は無く早く木陰に入ろうと前方を見つめて登った。ときおり樹林に入って木陰に出会えたものの、陽射しを受けての急坂登りが何度かあり、櫃ヶ山の山頂に着いたときはバテバテになっていた。山頂は草地になって開けており、好展望地になっていた。ただその展望を楽しむ余裕は無く、少ない木陰を見つけると倒れ込むようにして休憩とした。昼食を済ませると暫くまた横になって、そのまま昼寝となった。それで漸く体力が回復すると、展望を楽しむことにした。この日はまずまず視界が良く、北は大山の姿が望めた。またその右手には蒜山三座も見えていた。東には三坂山を、また西に続く縦走路に入ると星山も望めた。山頂で50分ほど過ごすと、下山に移った。当初の予定では縦走路に入って大庭皿コースで戻って来ることにしていたのだが、短時間で下山したい思いになっており、往路のコースが木陰が比較的多かったこともあって、往路を引き返すことにした。陽射しを受ける急坂は、登りのときとは違ってただ足を下ろして行くだけなので、陽射しはさほど気にならなかった。この下山では七合目の近くにある銀嶺水に立ち寄ったのだが、水溜まりこそあれ水は流れていなかった。五合目を過ぎるとほぼ木陰を歩けるとあって、休まず下った。登山口に戻ってきたのは14時20分過ぎ。麓は35℃に迫る暑さだった。大汗をかいた体をさっぱりさせようと、近くにある湯原温泉へと車を走らせた。
(2016/10記)(2020/6改訂) |