TAJIHM の 兵庫の山めぐり <鳥取県の山 
 
大ボウシ 1059.1m 若桜町(鳥取県)
 
1/2.5万地図 : 岩屋堂
 
【1999年5月】 No.1 1999-30(TAJI&HM)
 
    北西方向にある高山より  2003 / 4

 大ボウシは兵庫・鳥取の県境尾根にある波佐利山から北へと派生する尾根の一ピークであり、羽佐利(はさり)川の西の尾根として位置する。その大らかな名前の響きに興味を持って訪れたのは、1999年5月初めの薄晴れの日のこと。国道29号線を走り、戸倉トンネルを越えて鳥取県若桜町に入った。そして落折集落に入って、ハサリ林道入口近くに駐車とした。羽佐利川に平行するハサリ林道を歩き出すと、程なく補修作業中の箇所が現れ、そこを過ぎると道はヘアピン状に大きく曲がって、羽佐利川と交差した。川が右手となり次に左手となって少し行った辺りで、小さな沢が右手に現れた。まずは三角点ピークの南にある1050mピークを目指すことにしていたので、そのピークから北に延びている尾根を登ろうと、その沢筋を手がかりにすることにした。沢沿いに小径が見えたので、林道を離れてその小径を歩いて行く。ところが小径は堰堤を過ぎた辺りで消えてしまった。そこでその位置より尾根を目指して、左岸の急斜面に取り付いた。その取り付き地点にイバラが繁茂しており、ハサミで切り開いて登って行くが、徐々にしか進まなかった。それでも数十メートルほど登ると、イバラも少なくなって登り易くなった。間もなく尾根上に出るとイバラは無くなり、傾斜も緩くなってひと息つけた。周囲は疎らな雑木林で下生えも少なく、ゆったりとした気分で登って行けた。ときに巨木を見た。その楽な登りも主尾根に近づくまでで、次第にクマザサが増えてきた。目標としていた1050mピークに着くと、そこはすっかりクマザサの密集地だった。当然展望は無し。そこより北西に向かって大ボウシ山頂を目指す。一度下って登り返すのだが、一部でササの丈が低くなることはあったものの概ねクマザサ帯に雑木が疎らに混じる状態で、かき分けて進むしかなかった。踏み跡はほとんど見られなかった。展望は途中で氷ノ山が樹間を通して見えた程度だった。30分ほどで着いた大ボウシ山頂も、三角点周りが刈り払われているだけで、周囲はすっかりクマザサと雑木で、やはり展望は無かった。そこでクマザサをかき分けて今少し南へと移動してみることにした。すると急にササの丈が低くなって、展望が一気に開けた。そこで休憩とする。氷ノ山こそ見えなかったが、赤谷山から波佐利山、三室山への稜線が一望出来た。そしてこの大ボウシの尾根が波佐利山へとつながっているのが良く分かった。その休憩地は展望には満足できたが、風が通っておらず、陽が射して来るとけっこう暑さを感じた。じっとしていても、うっすらと汗がにじんできた。この後は1050mピークまで戻り、尾根をそのまま南に進んで1090m ピークへと向かった。この尾根が全くのクマザサの密集地帯で、途切れることは無かった。下り坂では少し楽になったが、 登り返すときは倒れかかっているクマザサを持ち上げるようにして進むので、かなり体力を使わされた。1090mピークに達した時は、本当にほっとする思いだった。そこもクマザサの密集地だったが、近くに幹周りが4m以上はある杉ともう一本の大木が絡みつくように伸びているのが見え、瞠目させられた。1090mピークより先に進む気力はもう残っていなかったので、そこより下山することにした。ピークからは北東方向に延びる尾根があり、その先がハサリ林道につながっていたので、その尾根を下ることにした。尾根はクマザサにずっと覆われており、雑木林に入っても下生えはクマザサのままで、結局最後までクマザサは消えなかった。林道に下り着くと、そこに羽佐利岩根森林小屋を見た。 後は山菜を摘みながら林道をゆっくりと戻って行った。
(2003/4記)(2006/12改訂)(2019/6写真改訂)
<登山日> 1999年5月8日 9:34スタ ート/10:00取付き点/11:23[1050m]ピーク/11:50〜13:00山頂/13:22 [1050m] ピーク/14:48〜15:00[1090m]ピーク/16:16林道出合/17:10 エンド。
(天気) 薄モヤが空全体にかかったような晴れだった。時に薄く青空が広がることもあれば、薄曇りとなることもあった。気温は高めで、風があれば涼しさを感じたが、風の無い所はけっこう暑くなった。視界は薄モヤがかっているものの、まずまず遠 くまで見えて いた。下山頃、陽が陰ると少し肌寒さを覚えた。
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山頂より少し南
に移動すると、
急にササの丈が
低くなって一気
に展望が開けた
        

上の写真に写る赤谷
山を大きく見る

上の写真に写る波佐
利山を大きく見る

三室山を大きく見る

氷ノ山はなかなか見
えなかったが、下山
時に北を注意して見
ていると、梢越しに
なんとか見ることが
出来た