TAJIHM の 兵庫の山めぐり <岡山鳥取県境の山 
 
大倉山  (大滝の山) 1060.3m 智頭町(鳥取県)
西粟倉村(岡山県)
 おおくらやま
1/2.5万地図 : 坂根
 
【2018年8月】 No.2 2018-113(TAJI&HM)
 
   袴ヶ仙より  2013 / 4

 岡山鳥取県境に位置する大倉山は兵庫県にも近いとあって、兵庫側からそのなだらかな山容を眺めることが出来て、一度登ってみようと2000年に岡山県西粟倉村から登っていた。そのときは山名を知らず、後に岡山県側では「大滝の山」と呼ばれていることを知った。その大滝の山が鳥取県智頭町では大倉山の名で呼んでいることを知り、更に智頭町が作成した登山パンフレット「ちづあるき」では登山コースも紹介されていた。そうなると鳥取側から登って再度山頂に立ちたい気持ちが強くなってきた。
 それを実行したのは2018年8月の第一週のこと。この年は7月から異常気象と呼べそうな猛暑の快晴が続いており、この日の空も雲がほとんど見られない青空が広がっていた。鳥取自動車道を志戸坂トンネルを抜けた先で離れると国道373号線を北へと走った。智頭町中原に入ると県道7号線に入り、その県道が右手峠へと大きく曲がるとき、通行止めの標識を見た。どうやら7月始めの大雨でその先で土砂災害が発生しているようだった。災害は右手峠辺りと思えたので、かまわず車を進めた。そして何事もなく大倉山トレッキングコースが始まる林道起点まで車を進めることが出来た。林道起点辺りは車を止めるスペースが無かったので、今少し車を進めて右手が広くなった所が現れると、そこに車を止めた。「ちづあるき」には「初心者も安心のコース」と書かれていたので、気楽な気持ちで歩き出した。但し気温は既に30℃まで上がっていた。駐車地点から林道起点までは2分。林道に入ると真っ直ぐ南東へと向かうことになった。周囲は植林地でごく緩やかな上り坂だった。林道は舗装されており、まだ車を進めても何ら問題は無さそうだったが、林道を起点から歩こうと決めていたので、気にせず林道を進んだ。10分ほど林道を歩くと右手に支林道が分かれた。そこに標識があり、支林道の方向が登山コースとなっていた。他にも標識があり尾根コースと沢コースに分かれるようだったが、意味がよく分からなかったので支林道を歩いて行くことにした。その分岐点の近くに広場があったので、そこまで車を進めても良さそうだった。支林道も緩やかな道だったが、程なく舗装路から未舗装路に変わると少し荒れてきた。林道上に雑草が見られるようになり、どうもあまり通行されていないようだった。ただ歩く分には問題なかった。その支林道を20分近く歩くと終点となった。その頃には左手に沢を見るようになっていたが、林道終点からはその沢沿いに小径を見た。登山コースなのでそれは当然なのだが、林道終点には大きな標識があり、入山禁止と書かれていた。登山コースがあることと矛盾していたが、その標識は昭和52年に書かれたもので、その頃とは事情が変わってきたのではと思えた。小径に入るとそこにプラ階段がずっと続くのを見た。どうやら沢沿いコースは巡視路のようだった。その巡視路が歩き易いとは言えなかった。どうも沢沿いとあって大雨で表土が流されてしまうのか、道の崩れている所が多くあった。それでも登山道として何とか歩けていたのだが、傾斜がきつくなってきたとき、俄然厳しくなった。どうやら7月始めの大雨で沢では土石流が発生したようで、すっかり巡視路が崩れてしまっていた。倒木もあり全く災害地を無理やり登る感じになってしまった。足下では砂地が多く、急斜面を滑らないように慎重に登った。それが暫く続いたが、再び巡視路を辿れるようになって一安心だった。それまでは植林地が主体だったが、その頃には周囲は自然林が広がってブナも見るようになっていた。その自然林の中を巡視路はつづら道になっており、徐々に稜線に近づいた。大岩が現れてそこを巻くようにして登ると、程なくその先のピークに着いた。ちょっと山頂の雰囲気があったので良く見ると、小さな大倉山の標識を見た。地図を取り出すと、三角点記号は山頂よりほんの僅か東に離れた位置に描かれていた。まずは三角点を見ようと東の方向に少し下ると、真新しさのある四等三角点(点名・高岳)をあっさり見た。山頂より数メートル低い位置だった。山頂に戻って木陰で一休みすることにした。その山頂に戻ったとき、20センチほどの小動物が来ていたようで、こちらに気付くと一気に逃げて行った。そして少し離れた位置からこちらの様子を窺っていた。体つきからテンのようだった。木陰で落ち着くと、そこは気温が25℃ほどながら涼しいばかりの風が絶えず通っていた。風の通り道なのか、その涼しさに暫し身を任せていた。その後は昼食をとり、疲れも少しとれたところで展望を楽しんだ。前回の登山時は灌木に囲まれていたのだが、木が伐られたようで展望が良くなっていた。南の方向はうっすらとしている上に準平原の風景とあって特徴は無かったが、東には沖ノ山から後山、日名倉山が望まれた。立つ位置を変えると北の方向も良く見えて、間近に穂見山を見た。また篭山に洗足山も眺められて、この大倉山の位置が良く分かった。その大倉山山頂から見ると西の方向間近に建っていたのがマイクロウェーブ反射板で、山頂まで続いていた巡視路はその反射板のためと思えた。反射板の右手には那岐山の姿を見た。一通り展望を楽しむと、後は少しばかり昼寝も楽しんだ。山頂で一時間余り過ごすと下山に移った。途中の標識で見た尾根コースが気になったが、山頂にコースを示す標識は見なかったので、下山はすんなりと往路を戻ることにした。再び崩壊地を通ることになり、しかも下りなのでそこは慎重の上に慎重を期して通過した。林道まで戻って来るともう気楽なものだった。麓では酷暑が続いていても山上では涼しく過ごせたことに感謝しながら、駐車地点へと戻って行った。
(2018/9記)
<登山日> 2018年8月3日 10:02林道入口に近い県道7号線よりスタート/10:04林道に入る/10:14支林道に入る/10:32巡視路に入る/11:38〜12:55山頂/13:40支林道に出る/13:54林道に合流する/14:04エンド。
(天気) 快晴。雲は僅かだった。林道の気温は30℃あり。樹林帯を登る頃には28℃になっていた。山頂に着くと、木陰の気温は25℃だった。風が快かった。視界は澄んでいた。終日、快晴だった。
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県道7号線を右
手峠へと進むと
左手に大倉山へ
と通じる林道が
現れた

車は今少し進んだ
位置に止めて県道
を引き返す形で歩
き始めた
林道へと入った 林道入口にトレッキングコースの標識を見た 上空は快晴だった
林道は緩やかで、真っ直ぐ南東に向かっていた 植林地の中を歩くことがあった 10分ほど歩くと右手に支林道が分かれた

支林道側が沢コ
ースでありトレ
ッキングコース
 だった

支林道に入ると右
手に広いスペース
が現れた「ちづあ
るき」では、そこ
が駐車地点になっ
ていた
程なく舗装路から土道に変わった 車の通行は少ないようで林道は草むしていた 沢コースの名の通り右手に沢を見た
小橋を渡ると、沢は左手となった 林道終点に着くと入山禁止の看板を見た 但し古い看
板だった
林道の先は沢に沿って小径が始まっていた プラ階段
もあって巡視路であることを示していた
石垣のそばを通ることがあった 巡視路はなぜかはっきりしない所が現れた 崩れている所もあって易しい道では無かった
周囲に自然林を見ることもあった 山頂まで巡視路を何とか歩いて行けると思っていたの
だが
土石流災害が発生したようで、巡視路はズタズタにな
ってしまった
沢筋を無理やり登って行く 右岸側に出て、また歩けるようになったと思ったが 巡視路は更に激しく崩れていた
巡視路の痕跡を探って登って行く 災害地を過ぎて一気に易しく歩けるようになった 自然林を愛でながら尾根に近づいた

尾根に着くとそ
こが大倉山の山
頂だった

山頂に小さな大倉
山の標識を見る

三角点を探すこ
とにした 地図
では山頂に近い
東の方向にある
はずだった

数メートル下ると
あっさりと 四等
三角点(点名・高
岳)を見た
三角点のそばから山頂方向を眺めた 山頂に戻るとき南西方向に見えたのは袴ヶ仙だった 山頂の木陰に入ったとき、間近で小動物が逃げ出した
少し離れた位置からこちらの様子を窺っていた その姿
からテンのようだった
山頂の西側には反射板が建っていた 巡視路は反射板
への道だと分かった
反射板に近づくと、その後方に見えていたのは那岐山
だった
山頂に立って東の方向を眺めた 日名倉山がはっきり見えていた 日名倉山を大きく見る

(←)
南の方向は準平
原の風景だった


 (→)
  高照峰の辺りを
  少し大きく見る
北東方向の長めが良い場所もあって、そこからは沖ノ山が大きく眺められた 沖ノ山を大きく見る

 (←)
 上の写真の右半
 分を大きく見る


   (→)
    三室山を大きく
    見る
北から北西にかけてを眺める 穂見山が近かった 今少し立つ位置を変えると、篭山がすっきりと眺められた
山頂で80分近く休んだ後、下山は往路を戻った 山頂近くのブナを見上げる 崩壊地までは易しい道だった
崩壊地に入った 足を滑らさないように、とにかく慎重に下った 沢には倒木も見られた
崩壊地を過ぎてプラ階段を歩けるようになった 右手に沢を見ながら巡視路を下って行く 林道の終点位置まで下りてきた
後はずっと林道歩きだった 主林道に合流した ヤブデマリの赤い実を見る
真っ直ぐ北西へと歩いて行く 林道入口に着く手前で県道に出た 県道を歩いて駐車地点に戻った