6年ぶりに陣鉢山に向かったのは2020年4月の第一土曜日のこと。新型コロナウィルスの拡散が心配される最中だったが、ほぼ人の訪れは無いと思われる陣鉢山なら感染の心配は無いと考えて出かけた。例年ならまだまだ雪の多い季節なのだが、氷ノ山に雪は残っていても陣鉢山には無いと想定して、雪に対する備えをせずに向かった。この予想は当たっており、舂米集落には雪の欠片も無く、集落から眺めた陣鉢山は山頂にちらりと雪を見るだけだった。当然車道に雪は無く、国道482号線を県境位置まで走ると、そこから分岐する東因幡林道の入口に駐車とした。そして林道歩きで陣鉢山登山を開始した。林道の雪もすっかり消えており、ごくスムーズに歩けた。林道は一般車は通行止めなのだが、倒木や土砂崩れがあり、車の通行は無理なようだった。歩くうちに前方に陣鉢山が見えるようになり、その陣鉢山の東肩に近づいた。東因幡林道はごく緩やかな林道で、林道入口と陣鉢山東肩にある登山口との標高差は僅か60mほどでしかなかった。その登山口まで林道入口から65分だった。前回2014年のときはずっとスノーシューで歩いており80分かかっていたので、やはり時間を短縮して登山口に着いたようだった。登山口からすぐに尾根に取り付いて尾根歩きに移った。尾根にははっきりしないまでも尾根道があり、少しヤブっぽいと感じる程度で歩いて行けた。緩やかな上り坂が続き、1123mピークに近づいて少し傾斜が増してきた。そこまでの尾根上に雪はほぼ見なかった。1123mピークからは南の方向へと歩くようになり、行く手に山頂が望めるようになった。鞍部を過ぎて急坂登りとなり、その急坂が緩む頃よりコース上に漸く雪を見るようになった。そして山頂が間近となって雪をずっと踏むようになったが、固い雪とあって無理なく歩けた。山頂到着は東尾根の登山口より50分後だった。山頂の雪は少なく休むには問題無かった。前回と比べて北面側の木々は少し減ったのか、扇ノ山と青ヶ丸の並ぶ姿が木々に邪魔をされることもなく、すっきりと眺められた。その山頂では冷たさのある西風を受けたので、それを少々我慢しながら休むことになった。そのため休憩は25分ほどで切り上げて下山に移った。下山は単純に往路を戻るのみ。この帰路では林道歩きに入ったとき、少しばかりフキノトウ摘みを楽しんだ。数は少なかったが一食分程度は摘むことが出来た。この日の陣鉢山登山は、山頂での休憩時間を除くと4時間ほどだったので、無雪期ともなればけっこう易しく登れるようだった。
(2020/4記) |