◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <鳥取県の山> ★ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
三国山 みくにがせん | 1251.8m | 鳥取市・三朝町 (鳥取県) |
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1/2.5万地図 : 岩坪 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2010年8月】 | 2010-70(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
登山道の途中、1006mピーク辺りから望む 2010 / 8 |
鳥取県の東部に位置する三国山は、その名の通りに因幡、伯耆、美作の三つの国が接する位置にある。「岩坪」の地図ではなるほどその位置の1213mピークに三国山の名があるが、ガイド本等で三国山と言えば、その北にある一等三角点を持つ1252mピークの方を指すようである。また1213mピークは三国山南嶺と呼び、1252mピークは三国山北嶺と呼ぶこともあるようである。鳥取県で1200mを越えるピークはけっこう高峰の部類に入るだけに、一度はこの三国山を登りたいと考えていた。 それを実行したのは2010年8月の最初の日だった。この日の朝は鳥取市内で迎えたが、空はうっすらとしているものの、まずまずの晴れだった。ただ気温は朝から30℃に迫っており、酷暑になりそうな日だった。新しく出来たばかりの鳥取自動車道を走って南へと向かい、用瀬ICで降りた。国道53号線を南へと走ると、すぐに国道482号線が西に分かれた。後はその国道をひたすら西へと走って行った。佐治ダムを過ぎて佐治町の中集落に入ると、右手に三国山の文字が現れた。そこから始まる山王谷第二林道を走って登山口に向かうのだが、新・分県登山ガイド「鳥取県の山」によると、けっこう悪路のようだった。しかも登山口まで8kmほど走らなければならない。歩けば2時間半の距離だった。始めは舗装路だったが、すぐにダート道に変わった。それが途中で草ぼうぼうの道になってきた。しかも轍が抉れていた。道幅は車一台分しか無く、すれ違いの出来そうな所も見えなかった。まさに悪路と呼べたが、慎重に走れば四駆車でなくとも何とか進める程度の悪路だった。その草深い道も途中からは草が刈られていて、多少は走り易くなった。また路面の凹凸も少なくなったが、スピードを出せば車底をこする程度には悪かった。そこであくまでも慎重に車を進めた。登山口には避難小屋があるとのことだったが、走る途中で小屋が現れたとき一瞬その避難小屋かと思ったが、現れるのが早過ぎたのでそれは単なる作業小屋のようだった。林道は待避場所も見られるようになったが、こんな悪路をそうそう車が通るとも思えないので、対向車のことを心配するよりも、あくまでも路面の走り易い所を選ぶことに意識を集中した。時速20kmに満たない低速で走ったため、30分ほど走って残り1km程度ではと思われたとき、また路面が草深くなってきた。ちょうど路肩に駐車スペースを見たので、そこに車を止めて、そこからハイキングを開始することにした。林道歩きで少し足慣らしをするつもりだった。緩やかな林道を歩き出した。上空は雲が多いようで、しかも黒みのある雲だった。青空も見えていたので、雨に変わるとは思えなかったが、にわか雨ぐらいはありそうに思える空だった。林道歩きは長く続かず、10分ほど歩くと登山口に着いた。林道から少し離れて避難小屋が見えていた。また数台の車なら駐車出来そうなスペースがそこにあったが、案内板を見ると今少し先に駐車場があるようだった。登山口からは丸太の階段で登山道が始まっていた。そこまでの林道が悪路だったことに比べると、何ともスムーズな登りで、ここにしっかりと階段を作るぐらいなら、林道を今少し良くしてもらいたいものだと思ってしまった。登山道の周囲は自然林で、いきなり山深い所を登っている雰囲気だった。周囲の木々にはブナが混じっていた。階段道は長く続いたが、尾根が少し緩やかになると、登山道はごく普通の山道となった。そして木々を通して右手前方にピークを見るようになった。どうやらそれが山頂(三国山北嶺)のようだった。登るほどに周囲にネマガリダケも見られるようになり、尾根の雰囲気を楽しみながら歩いた。雲の多い空だったが、陽射しもときおり現れて、自然林を鮮やかに見せてくれた。30分ほど登って標高が1000mほどになると、尾根をアップダウンで歩くことになった。小さな谷が二つあってそれを越すのだが、けっこう急角度のためハシゴが付いていた。数メートル下って同じ分だけ登り返すことを二度繰り返した。ガイド本ではそこはV字谷と名が付いていた。もうその辺りでは周囲はすっかりネマガリダケだった。谷を越すと、山腹を巻くようにして主稜線に近づいた。その辺りでもブナの木は多かったが、主稜線に出ると一気にブナが増えてきた。もう尾根はブナの純林と言ってよく、何とも良い雰囲気になってきた。雲が多いためにブナ林は陰っていることが多かったが、陽射しが現れると一気に鮮やかになるのも良かった。尾根は緩やかで、ブナ林を逍遙している気分だった。この雰囲気があるからこそ、林道が悪路であっても登山者はこの三国山を目指すのではと思われた。山頂が間近になると、ブナの木は減ってネマガリダケの中を歩くようになった。そしてぽっかりと開いた空間に出ると、そこが山頂だった。山頂には展望台が建っており、そばに見える大ぶりの三角点は一等三角点(点名・三国山)だった。山頂がすっきりと見えるのは、一帯の雑草が刈られたためのようで、ごく最近に刈られたのではと思われた。さっそく展望台に上がった。ちょうど青空が広がったときで、山頂が明るく眺められた。また周囲の山に目を向けると、遠くは少しかすんでいるものの、北の方向に両翼をしっかり張った山が眺められた。それが鷲峰山かと思われた。また北東に大きな山は高鉢山のようだった。そこからは南の方向に花知ヶ仙、三十人ヶ仙など名の知れた山が並んでいるはずだったが、そちらは高木に遮られていた。それでも因幡、伯耆の国境の山々が一望で、やはり三国山は奥深い位置の山であることを実感させられた。山頂には涼しい風が渡っており、その涼しさを楽しみながら昼どきを過ごした。山頂に立つうちに、また黒い雲が増えてきたので、それを見て下山することにした。時間は12時前だった。再びブナ林を歩けるのがうれしかった。本当に良い雰囲気だと改めて感心した。ブナの木が減って東尾根を歩くようになると、尾根の緩やかなままにスタスタと下った。また階段道となっても休まず下って行くと、前方が明るくなった。よく見ると、もう林道が間近になっていた。この下山は一時間少々で下っていた。この日の登山コースを振り返ると、特に厳しい所も無くごく無難なコースと言えそうだった。後は駐車地点まで林道を10分ほど歩くだけだったが、改めて山王谷第二林道が走り易ければと思わずにはいられなかった。 (2010/8記)(2014/10改訂)(2021/8改訂2)(2024/6写真改訂) |
<登山日> | 2010年8月1日 | 9:48スタート/9:57登山口/10:30山頂まで1.6km地点/11:05境界尾根に出る/11:24〜50山頂/12:06境界尾根を離れる/12:32山頂まで1.6km地点/12:55〜58登山口/13:09エンド。 | |
(天気) | 雲の多い空で、青空は僅かだった。その青空も淡い色だった。雲は少し黒みがあり、ときに広がって曇り空かと思わせたが、また青空が現れてきた。青空もたまに広がることがあった。気温は25℃前後。陽射しの下では30℃ほどに感じたが、木陰は涼しい風もあって、暑さはあまり感じなかった。山頂は一段と涼しい風が通っていた。その山頂では青空の広がることが多くあった。視界は遠方はややうっすらとしていたが、特に悪くもなかった。 | ||
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