駒の尾山を易しく登ろうと考えると岡山県側からとなるが、その岡山県側の易しいコースとして東粟倉コースと西粟倉コースの2コースが思い付く。どちらも林道を走って標高を稼ぐことになり、その一つの東粟倉コースの登山口は標高850mだった。2023年は梅雨が明けると猛暑の日が続いた。そのため暑さを我慢しながらの登山を多くすることになった。猛暑はお盆休暇に入っても続いており、そこでお盆休暇の二日目、12日はさほど暑さを気にせず登れる山に向かおうと考えた。そのとき思い付いたのが駒の尾山の岡山ルートだった。
12日の播州の空は少し雲が多いと思われたが、快晴とは言えそうだった。その空は岡山県に入ると更に雲が多くなっており、何とか晴れと言える程度になっていた。国道429号線から後山キャンプ場への道に入ると、その途中で駒の尾山登山口に向かえる支林道が分かれた。支林道に入ると道は細くなったが、舗装路とあってスムーズに進めた。その支林道の終点が近づいたとき登山口標識が現れた。登山口の近くに路肩が広くなっている所があり、すんなり駐車出来ることになった。登山口に入ると登山道に水が流れていたり段差の大きな所もあってマイナー感を感じられたが、尾根筋に出ると緩やかなゆったりとした道となり、易しく歩けるようになった。また船木山のコースと同じく丸囲みの数字で表した合目の標識を見るようなった。途中植林地もあったが、概ね自然林に包まれての登りだったため、展望は無いものの森林浴を楽しむと言った雰囲気があり、良い感じで登れた。また尾根の気温は24℃と思っていた以上に涼しさがあったのは有り難かった。その自然林の尾根は標高1200m辺りまでで、いきなりと言った感じで樹林帯は終わってその先は草地の登りとなった。陽射しに明るい登山道を見て、これは厳しいと思っていたところ、すぐに雲が広がって陽射しを遮ってくれた。おかげでまた暑さを気にせず登れることになった。樹林帯を抜け出したため展望は良く、右手に船木山、日名倉山を見ながらの登りだった。山頂が目前になると左手から西粟倉コースが合流した。そして登山口から64分での山頂到着となった。その山頂に誰もいなかった。陽射しを遮るものの無い山頂が嫌われたのかも知れなかった。上空は雲が広がっていたおかげで、陽射しを受けずに山頂展望を楽しめることになった。東に後山、西に那岐山をすっきり見る山頂は、相変わらずの好展望地だった。その山頂も程なく青空が現れて来ると一気に暑くなってきた。そこで東の方向に少し下った所にある避難小屋に移動した。小屋の中は25℃ほどだったので良い感じで休めたが、入口の扉を開けていると虫がどんどん入ってきたので、慌てて閉めることになった。その小屋での休憩を終えると山頂へと戻った。山頂は陽射しに照らされていたが、そこに数人のハイカーを見た。やはり駒の尾山は誰かは登って来るようだった。もう十分に休んでいたので、すぐに下山に移った。下山はすんなりと往路を戻るのみ。その下山中に上空の雲は更に増えてきて、ほぼ陽射しを受けずに下ることになった。下山は速く、46分で登山口に戻ってきた。上空はすっかり曇り空になっていた。その帰路に遠くから駒の尾山を眺めようと日名倉山中腹にあるベルピール公園に立ち寄ったところ、駒の尾山だけでなく後山の上空まですっかり黒い雲が広がっていた。但し雲の多いのは後山辺りだけで、那岐山の方向は青空が広がっていた。
(2023/9記) |