TAJIHM の 兵庫の山めぐり <鳥取県の山 
 
くらます 1282.3m 若桜町(鳥取県)
1/2.5万地図 : 岩屋堂
 
【2004年5月】 No.3 2004-38(TAJI&HM)
 
    江浪峠に近い兵庫鳥取県境尾根より  2008 / 7

 若桜町の吉川集落の前を通る車道は林道となって兵庫県の千種町へと通じるが、吉川集落を過ぎて上り坂となり、道幅が狭くなってきたとき、くらますに近づく支林道が分かれている。その支林道を少し進んだ位置に駐車として、くらます登山を開始した。支林道を終点に近い位置まで歩くと、そこはくらますの西麓の位置となり、辺りには植樹後、間もない植林地が広がっていた。その中に小径が見えたので、それを辿って行くことにした。すると緩やかな登りのまま、どんどん南の方向へと向かうことになり、やがて古い植林地へと入って行った。道のあるままにもう暫く歩いたが、とうとう小径は消えてしまった。そこで漸く山頂へと向かうことにした。ただ道なりに歩いてしまったため、現在地がはっきりとは掴めなかった。そして上空を見ると、ガス雲が広がっていた。登り出すと、小さな尾根を登るようになり、程なく疎らな雑木林の中を登るようになった。下生えは少なく、ゆったりと登って行けた。やがてガス帯に入った。高度も1100mを越えてきて、このまま主稜まで楽に行けるかと思ったとき、次第にクマザサが増えてきた。やはりクマザサのヤブコギは避けられないようだった。クマザサは始め疎らな感じだったが、次第に密集し出して全くのヤブコギ状態になってきた。そのクマザサがネマガリダケへと替わり、そこに灌木も加わって、なかなか厳しい登りだった。やがて傾斜が緩くなって、そろそろ山稜が近づいたのではと思われたが、依然としてヤブコギ状態だった。山稜がもう近いと思われる頃にケモノ道程度の踏み跡が現れ、それを辿って山稜に出ると、あとは尾根なりに山頂へと向かった。どうも人の訪れの少ない山は、いつまでも自然な雰囲気のままのようだった。その山頂には小さな露岩がぽつんとあり、その一帯だけササが疎らな佇まいは以前のままだった。ただこの日は山頂に着いても周囲はガスに閉ざされたままで、展望を楽しむわけにはいかなかった。昼食を済ませると、ちょっとふて寝をするように昼寝とした。一時間ばかり寝入っていたが、急に暑さを感じて目を覚ました。上空には太陽が輝き、青空が広がっていた。これは展望が現れるのではと起き上がったが、それは一時だけのことだったようで、再びガスが襲ってきた。その後は晴れる兆しを見せてはガスがかかるの繰り返しで、二時間半を山頂で過ごした後、下山へと向かった。下山は山頂より真っ直ぐ西へと、尾根には関係無く下った。すると数十メートル下った所で、すっきりとした笹原に出た。ここで2年前の記憶がよみがえった。クマザサの長いヤブコギの後に現れたのどかな笹原がそこだった。この日はガスに閉ざされて大展望を目にすることは出来なかったが、長閑さのあるこの光景に再び出会えたのはうれしかった。クラマスを登るときは、この笹原を通って山頂に立つのが、一番楽しいのではと思いながら麓を目指して下りを続けた。
(2004/6記)(2010/5改訂)(2021/10写真改訂)
<登山日> 2004年5月11日 8:53スタート/11:08主尾根に出る/11:53〜14:30山頂/15:35林道終点/16:08エンド。
(天気) 晴れの予想だったが、上空はすっかりガス雲に閉ざされていた。気温は高くないのだが湿度が高く、すぐに汗ばんだ。中腹よりガス帯に入る。山頂もガスに包まれていた。昼を過ぎて晴れる気配があり、薄く青空が現れたり周りのガスが薄れることがあったが、すぐにガスが再び取り囲んだ。ガスの中ではちょうど適温だった。ガスが薄れたときは、少し暑さを感じた。ガスのため、視界は全く無し。
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山頂の三角点を見る 周囲はすっかりガスだった パートナーがガスに閉ざされた周囲を眺めている 山頂のガス帯を抜け出した
その辺りは細々と小径が続いていた 下山中に大ぶりの白い花を見かけた ヤマシャクヤクかと思われた