TAJIHM の 兵庫の山めぐり <鳥取県の山
 
くらます 1282.3m 若桜町(鳥取県)
1/2.5万地図 : 岩屋堂
 
【2010年5月】 No.5 2010-47(TAJI&HM)
 
    三室山より  2009 / 11

 5月の声を聞くと、萌え出たばかりの新緑に触れたくなって、鳥取若桜の山に登りたくなるが、2010年5月はくらますに向かった。この季節のくらますはこれで4度目となるが、登山道の無い山を適度なヤブコギで登るのがちょっと面白く、リピート登山の山になってしまった。いつもならくらますに近づく支林道を起点に近い位置から歩いて、足慣らしをするのだが、今回は支林道の終点まで車を進めて、そこからのスタートとした。後はいつも通りに、始めに植林帯を登り、後はクマザサに覆われた斜面を山頂に向かって適当に登って行ったのだが、その斜面の様子がすっかり変わっていた。あれほど山肌を豊かに覆っていたクマザサがすっかり枯れようとしていた。まだ茎は立っているものの、どの葉にも青いところは見られなかった。場所によっては、茎も消えようとしていた。その風景になぜかもの悲しさを覚えてしまった。いずれ数年でササのあった痕跡さえ消えてしまうのではとも思えた。ただ登山としては楽だった。もともと林道に近い位置こそ植林の作業道があったものの、その先は適当に登るしかなかったのだが、それを以前はクマザサの中を歩き易い所を選んでヤブコギをしていたものだった。それがもう何処でも歩ける雰囲気だった。地形的に登り易そうな所を適当に登って行くだけだった。樹林帯では展望を得られなかったが、途中で樹林帯を抜け出ると一気に展望が広がった。南の後山から北の扇ノ山まで一望で、この雰囲気がくらますの良いところだった。本当に伸び伸びとした気分にさせられた。そして山頂近くでまた樹林の中に入り、そこを抜けると稜線に出た。そこは山頂より僅かに南に離れた位置だったが、どうも毎度適当に登っている割りには、同じような位置に出るようだった。その稜線にはまだササが残っていた。ササは大型のネマガリダケだったが、それも以前ほどの勢いは無さそうだった。特にヤブコギをすることも無く山頂に到着となった。楽に登って来られたためか、途中では展望を楽しむために暫く足を止めたりしていたのだが、山頂までにかかった時間は1時間半ほどだった。山頂に小さな岩が現れている様子は以前と変わらなかったが、やはりササは減っているようだった。山頂に着くと今度は東の方向、兵庫鳥取の県境尾根が現れた。視界はまずまず良く、赤谷山から三室山までが一望だった。その山頂を離れて北へと尾根を下ると、氷ノ山がくっきりと現れた。それにしてもこれまではヤブコギの後で出会える風景だっただけに、漸く巡り会えた思いを持ったものだが、ちょっと安易に出会えたように思えて、申し訳ない気分にもなった。山頂にいたのは30分ほど。本来なら今暫く山頂を楽しむところだが、さほど疲れず登って来たこともあって、午後にもう一山登りたくなった。そこで昼を待たずに下山に向かった。下山は登ってきたコースを引き返すのみ。展望地を過ぎると、その先は急斜面とあってずんずん下ると、一時間ほどで駐車地点に戻って来られた。 くらますの変わり様は少し残念だったが、更にどのように変わるのかに新たな興味も起きてきたので、数年経ってまた再訪を考えてみようかと思いながら、くらますを後にした。
(2010/5記)(2021/10改訂)
<登山日> 2010年5月8日 9:17林道終点位置よりスタート/10:15樹林帯を抜け出る/10:45山稜に出る/10:48〜11:20山頂/12:20エンド。
(天気) 晴れ。少しうっすらとした空だった。登る途中で気温を見ると20℃ほどになっていたが、湿度が低いとあって空気は爽やかで、涼しい感じで登って行けた。山頂は陽射しを受けて25℃まで上がっていた。その山頂も風に涼しさがあって、過ごし易かった。その山頂に近づく頃より、薄雲が西から広がり出した。下山の途中では、ほぼ薄晴れの空に変わっていた。視界は白っぽい感じの見え方で鮮やかさは無いものの、特に悪くも無かった。
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林道の終点に車を止めた 始めに若木の植林帯を抜けて行く 萌え出る緑を見上げる
新しい植林地は鹿による食害が進んでいた 小径が見えなくなると、後は適当に登って行く クマザサはすっかり枯れていた
食害に会っていない若い木を多く見かけた それはウリハダカエデのようだった また枯れたクマザサ帯を登るようになった
枯れササは疎らなため、登り易かった 新緑の葉は逆光ではいっそう美しかった クマザサがほぼ消えている所もあった
木立を通して山稜が見えてきた 白い花を付けているのはヤブデマリだった ヤブデマリの花を大きく見る
樹林帯を抜けると山稜は近くなっていた 背後には一気に展望が広がってきた 東山の麓に吉川集落を見る

 広々としたなだらか
 な所に出た くらま
 すで一番伸びやかな
 所だった その一帯
 もササは減っていた
稜線が近づいて、また雑木林に入った 疎らな雑木帯を登っているとき岩場の横を通る 稜線に出ると、そこはまだまだササが残っていた
山頂へと近づいて行った 山頂はササが少し減ったが以前と変わらぬ佇ま
いだった 
パートナーが山頂の岩に腰掛けて一休みをして
いる
山頂に立って兵庫鳥取の県境尾根を眺める 三室山が断然大きかった
上の写真の赤谷山を大きく見る 波佐利山の奥に藤無山を見る 別山の右置くに阿舎利山を見る
山頂から北へと向かうと、ブナ林を抜けることになった 北に少し下った位置で、氷ノ山が眺められた
氷ノ山山頂を大きく見る 氷ノ山を眺めると、そこから山頂に引き返した
三角点が割られているのが哀れだった 三角点のそばから南の方向を見る その南の方向へと尾根を辿って下山を始める
往路コースへと、尾根を離れて雑木林に入った 展望地まで下りてくると、空は薄晴れに変わっていた 北に扇ノ山を見る
改めて枯れササの風景を眺めた 若木の植林地に戻ると、その縁の小径を歩いた 最後に小さな沢沿いを歩く 林道終点は目前だった